海外から好かれる日本料理は「寿司・巻き寿司」、焼き鳥も健闘

2013/07/29 09:45

日本貿易振興機構(JETRO、ジェトロ)は2013年3月5日に、日本食品に関する海外の消費者調査結果の概要を発表した。それによると調査対象国(7か国)全体においては、好きな日本料理のメニューの最上位には「寿司・巻き寿司」がついた。次いで「刺身」「焼き鳥」が続いている。国別では各国回答総数に対する比率順に見ると、欧米で特に「寿司・巻き寿司」の好感度が高く、フランスでは「焼き鳥」が大いに好まれている様子がうかがえる(【発表リリース:「日本食品に対する海外消費者調査(中国、香港、台湾、韓国、米国、フランス、イタリア)」結果について】)。

スポンサードリンク


今調査の調査要件などは先行する記事【トップは日本料理…諸外国に聞いた「好きで外食で食べる外国料理」は?】を参考のこと。

調査対象母集団に対し庶民的な日本料理を複数例示し、好きなものを複数回答で答えてもらい、その総数に対する比率を個々のメニュー別に算出したのが次のグラフ。例えばトップの「寿司・巻き寿司」は9.1%なので、全回答者2800人が「好きな料理」として挙げた総件数2万4277件のうち、9.1%(約2210件)の回答があったことを意味する。一人で二件、同一メニューを挙げることはできないので、この値はそのまま回答者数にもなる。


↑ 好きな日本料理メニューは(複数回答の上、回答総数に対する比率)

トップは「寿司・巻き寿司」の9.1%。海外の人が日本の文化・特性・イメージを単語で表現する際に「フジヤマ、ハラキリ、ゲイシャ、スシ、テンプラ」とセットで覚える(と冗談交じりに語られる)ことからも分かるように、食文化の代表格的な印象が強い。また、類似品も合わせ、寿司が海外でも多く食されているのも一因。次点の「刺身」も類するものと考えて良い。

次いで多いのは「焼き鳥」。「天ぷら」より上位に来ているのはやや驚きだが、今回調査対象となった複数国で、「天ぷら」を超える人気を誇っている。また日本独自の、と断じるのはやや難しいところがあるが、今では「カレーライス」と並んで国民食的なポジションを持つ「ラーメン」も好感触を得ている。

これを回答国別に、個々の国の回答総数に対する比率を算出したのが次のグラフ。全体のグラフで上位陣のメニューに限定し、下位層のはまとめて「その他」で総括している。


↑ 好きな日本料理メニューは(複数回答の上、回答総数に対する比率)(各国、一部)

上記でも触れているが、上位陣「寿司・巻き寿司」「刺身」「焼き鳥」「天ぷら」はどの国でも安定した支持率を示している。一方、例えば「欧米では寿司の人気がとりわけ高い」「フランスで焼き鳥が高い支持を集めている」「イタリアでは天ぷらが人気」「欧州ではカレーに注目が集まっている」などが確認できる。

またリリースでは「アジアやアメリカでラーメンが支持されているのは、専門店の増加による」「欧州でカレーが人気なのはアニメの浸透に連動したもの」とある。この解説に一理はあるものの、むしろ日本国内で国民食的に愛食され、露出機会が多く、自然と海外の人の目に触れる機会(直接以外にアニメをはじめとした各種映像)も増え、それが興味関心の要因となったものと考えられる。

他方、同じ国民食として例示されることが多い「牛丼」は、今回選択肢として挙げられた料理の中では、あまり人気が無い。同じ丼ものの「かつ丼」よりも低い値に留まっている。露出機会というよりも、牛肉を食する事例として他のメニューの知名度が高い(しゃぶしゃぶやすき焼き)のが原因だろうか。



上記グラフは各国別・総回答数に占めるシェアから算出したものだが、実はそれを個々の国の中で比較するのはともかく、国別に比較し合う(例えば「フランスの寿司人気は台湾の2倍」)のはやや無理がある。それはあくまでも国別の「総回答数比」だから。

次のグラフは個々の項目の「回答数」=「回答者数」を示したもの。各国の総回答者数は400人で固定なので、むしろこちらの方が「国別の日本料理支持率」に近い。


↑ 好きな日本料理メニューは(複数回答の上、各国回答数)(各国、一部)

概してアジア地域の方が回答「数」が多く、多数の日本料理を好んでいることが分かる。これは地域性(近隣諸国の料理は文化系統的に行き来しやすく、食する機会も多い)によるところが大きい。それでも欧米諸国では「寿司・巻きずし」「焼き鳥」「カレーライス」などは奮闘しているが、他のメニューは全体における順位が高くとも、欧米での支持者「数」は少なめになっているのが分かる。つまり欧米ではそもそも論として、好きな日本料理メニューを挙げる人、挙げられるメニューそのものが少ないことになる。

距離感は覆しようも無いが、欧米諸国で日本料理に対する理解浸透をさらに深めようとするのなら、まずは認知をしてもらい、興味を持つような施策を取ることが求められる。そして、食しやすい環境を整備するのが欠かせないのは言うまでもない。


■関連記事:
【「カレーライス」が日本の国民食から外れつつある現実】(2008年)

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー