数か国で順位変動、日本は順位改善・数字はやや悪化(国債デフォルト確率動向:2013年2Q)

2013/07/28 14:00

先日【アルゼンチン85%で最上位、ポルトガル急上昇…(国債デフォルト確率動向:2013年7月)】でお伝えしたが、経済動向の推定を目的とし、債権リスクを示す指針の一つであるCPDにおいて、CMD Visionのリスクレポートでは、ウェブ上で日々更新公開される上位国(=ハイリスク国)だけでなく、
四半期ごとに一般公開される詳細レポートも存在する。そこには同社が随時動向を確認している各国の主要値(CPDなど)の一覧が掲載されている。先日2013年の7月16日、その最新版である2013年Q2(第2四半期)分が公開された(【CMA Release Global Sovereign Credit Risk Report 一覧ページ】)。今回はこの公開情報の中から、普段月次ベースで報告している部分を中心に、四半期単位の動向をお伝えすることにする。

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多くの上位国でさらなるリスク低下の動き


データの取得場所、各種用語の解説については、月次更新版記事のまとめ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説している。そちらを参考にしてほしい。

それではまず最初に、最新の2013年Q2におけるCPD上位国15位、そして日本を追加したグラフ生成。値が低い方が低リスク(=安全性が高いと判断されている)なので、あえてこのような形にしてある。左の国ほどCPDが低い=低リスクとなる。


↑ 四半期CPD低リスク上位国(2013年Q2、上位15位+日本、低値=低リスク)

低リスク国の顔触れ自体に大きな変化はないが、今回は前回と比べ、順位にやや変動がある。トップのノルウェー、第二位のスウェーデン、第三位のフィンランドに変化はないものの、第四位には前回のデンマークからアメリカ合衆国が入り、そして第五位にはスイスが入っている。他にもCPDが1%ポイント台上下し、順位が変動した国がいくつか見受けられる。とはいえ、上位陣そのものは低リスク国の常連ばかりで、納得できる顔触れではある。

日本はといえば、6.2%で19位。前四半期Q1では6.0%・20位だったので、状況自体はやや悪化、相対順位はやや改善という判断ができる。CPDの算出上では、日本の財務状況回復はやや足踏みしているものの、他国との比較では前進しているとの認識のようだ。

続いて2013年Q2時点の上位10国、そして日本における、過去1年間の四半期単位でのCPD動向を記したのが次のグラフ。


↑ 四半期CPD低リスク上位国推移(2013年Q2時点の低リスク10国+日本)

地域レベルの財務問題では昨今もっとも問題視されているヨーロッパ地域だが、昨年の後半以降、最大の山場は越えたとの認識が大勢を占めている。各国、そしてIMFやEU全体レベルで財務対策への方針転換が行われたのも、一つの指針である。もちろんイタリアの政局混乱、キプロスの銀行閉鎖問題など個々の懸念は日常茶飯事的に発生しているものの、かつてのような「全体を覆う絶望感」とは雰囲気が明らかに異なっている。これらは多分に、過去の経験を活かした施策による賜物である。

CPDの動向を見ると、イギリスやチェコなど一部地域で数字の上昇(リスク悪化)が見られるが、その上昇幅も大したものでは無く、多くの国で継続的な下落(リスク改善)が確認できる。良い傾向であり、今後この状況が継続するのを期待したいところ。

為替レートの確認をしておく


昨年末の日本国内における政治情勢の変化を受け、日銀の姿勢も大きく施策ベクトルを変えており、これが対円の為替動向にも大きな影響を与えている。直近では今年4月4日に発表された『「量的・質的金融緩和」の導入について』による大きな円安化(適正レートへの流れの中の一局面に過ぎないのだが)の動きが確認できるが、対ユーロは130円、対ドルは100円が大きな心理抵抗線として認識されており、その値を挟んでの上下が続いている。また6月中旬以降は中国の経済指標の悪化とアメリカの「出口政策」周りの市場への影響懸念を受け、やや大きく円高への流れも生じた。


↑ ユーロ変移(対円、終値、2012年1月2日-2013年7月26日)


↑ ドル変移(対円、終値、2012年1月2日-2013年7月26日)

日本の動向だが、ヨーロッパやアメリカの財務状況を受けて市場の変動は起きるものの、国内財務状況はむしろ国内情勢、中でも先の震災に絡んだ影響が大きい。経済復興のための施策への期待は国内外共に大きいが、その反映はまだこれからであり、それ故にCPDも6.2%と、上位国と比べればやや高い(=リスク高)と見なされている(国債発行額のGDP比への懸念もあるが、これは引受先の国内外比率の問題もあるので、一概に「破たんリスク」という観点で他国と比べることは難しい)。

未だに火種は山ほどあり、実際にボヤのレベルで出火もしているが、経験を積み、それなりのトラブルには比較的迅速な対応を見せるようになったヨーロッパ諸国。しかし根本的な問題解決への道のりはまだ長いことに違いは無い。「状況解決までの対策は長期化しそうだ」という認識は、アメリカ国内の同国財政問題でも似たようなもの。

次回の2013年Q3分では、各国でどのような変化を見せるのか。日本は「低リスク15位+日本」と特別枠を設けなくてもグラフ内に収めることができるほどに、CPDを改善できるのか。気になるところではある。

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