総計42.8万台、復調傾向は一歩後退へ(薄型テレビ出荷動向:2013年6月分)

2013/07/25 14:45

2013年7月23日に電子情報技術産業協会(JEITA)は同協会公式サイトにおいて、【民生用電子機器国内出荷統計】の最新値、2013年6月分のデータを開示した。その公開値によると2013年6月の薄型テレビの出荷台数は42.8万台となり、前月比ではプラス20.2%、前年同月比ではマイナス23.2%という結果になった。ここしばらくの間復調傾向にあったテレビ出荷台数だが、6月は一歩後退した感は否めない。

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純粋出荷数と前月・前年同月比


データ取得元の詳細やデータ内容に関する諸注意、「出荷数」の定義については一連の記事を集約したページ【定期更新記事:薄型テレビなどの出荷動向(電子情報技術産業協会(JEITA))】にまとめている。

最初に算出するのは、純粋な出荷台数。直近2013年6月分の出荷台数と、過去の公開値を基に前月比・前年同月比を算出し、それぞれをグラフ化する。テレビは季節による売行きの差が激しいこともあり、単純な前月比よりも前年同月比の方が、出荷すう勢を推し量りやすい。


↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2013年6月分、JEITA発表)


↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2013年6月分、JEITA発表)

2013年6月における薄型テレビの日本国内出荷台数は42.8万台。年度替わりにおける特需の反動から大きく落ち込んだ4月・5月から、それなりに戻しは見せている。しかし季節変動を考慮しなくても済む前年同月比を算出すると、30-36型をのぞき、すべてでマイナス2割超え。特に購入性向が大型化したため、敬遠されつつある小型の29型以下における下落が著しい。

全般的に前年同月比で軟調さが続いているのは、2011年7月のアナログ波停波に伴う「特需」の反動がもっとも大きな原因。テレビの買い替えペースは10年前後で行われるのが常だが、「特需」で需要を先取りしたため、その反動による需要減退がいまだに継続している。

台数そのものと前年同月比の変化


【カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる(2013年分対応版)】の通り、実態調査でもテレビは8-10年単位で買い替えが行われることが判明している(直近では7.9年)。1年や2年では「特需」の反動が収まるとは思えない。

次のグラフはテレビの出荷台数そのもの、そしてその台数の前年同月比を算出したものだが、「停波前特需、とりわけ年末・年度末」「停波直前の特需」「停波後の年の年末に購入」の3つの盛り上がり、そしてそれ以降は軟調な動きで推移している出荷動向が視認できる。


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)(-2013年6月)


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)(-2013年6月)

グラフ中にも吹き出しで記した「アナログ波停止」までは小型(青線)-中型(赤線)の方が良く売れている。特に停波による切り替えまで一年を切った2010年末から、その傾向が強くなる。そしてデジタル波への切り替えが済んだ2012年以降では、逆に大型(緑線)が伸びを見せはじめる。前年同月比ではいずれもマイナスには違いないが、線の上下関係に明らかな違いが生じているのが一目で分かる。

この動きは消費者サイドから考えると「切り替え前は『テレビがまったく視聴できない』状態を避けるため、とにかく1台調達。安い物でも観れれば良い」そして「切り替え後は末永く使うことを考え、少々高くても大型のものを」との状況を想像すれば、道理は通る。また逐次需要のある、テレビの新規購入の対象も廉価化に伴い「37型以上の大型」に移行していると考えられる。

特に注目すべきは「前年同月比」のグラフ。地デジへの切り替えが果たされ、需要が大幅に減った2011年夏以降、しばらくの間はマイナスが続いている。これは直前の特需の反動もあり、ある意味仕方がない。前年同月が大きく伸びていて、その比較が算出されるのだから、マイナス値が出ても不思議では無い。

しかしそれから「1年が経過した」2012年秋以降でも、前年同月比ではプラスに転じていない。これは単に2011年までの特需の、計算上の反動に留まらず、中期的な需要そのものの減退が起きていることを意味する。「地デジ化特需」が先取りした需要は、1年分では無く数年分まで及んでいたことになる。

先月では「マイナス値が少しずつ改善され、半年内外で出荷台数は昨年水準に戻すかもしれない」とコメントした。しかし今回月の動きを見ると、グラフ内矢印で記した通り、再び下落の兆候が確認できる。これがイレギュラーなものなのか、再下降への兆しなのかは、現時点では判断が難しい。いずれにせよこれまで以上の注視が必要な状況には違いない。

月ごとの販売動向を経年で


最後に季節変動を考慮せずに販売動向を確認可能な、別の切り口によるグラフとして(たばこの販売実績記事でも用いている)、個々月の毎月動向を経年で比較したグラフを提示する。毎年年度末と年末にテレビが売れ、その翌月は反動で販売台数が大きく落ち込むパターン、そして2010年(赤い棒)の年末は「地デジへ切り替えラッシュ」で、特需が発生したのが確認できる。


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)(-2013年6月)

今年2013年は6月分までそろったが、月単位で確認しても2010年(赤)-2011年(緑)をピークに減少が続いている。下げ幅は概して縮小しているものの、下げ続けていることに違いは無く、心配は募るばかりである。

いつまでも出荷台数が減少を継続するはずも無く、景気動向にもよるが、早ければ半年から一年、遅くても数年で、出荷台数は前年同月比でもマイナスの領域を脱することになるだろう。「地デジ特需」が何年分まで需要を先取りしたのか、答えはその時に判断できるはずだ。

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