サラリーマンのゆとり感をおこづかい面から眺めてみる(2016年)(最新)

2016/07/04 11:12

心理的な状態の一形態を表す「ゆとり」との言葉は、それに付随する文言により多種多様な意味合いを持つ。物事の考え方、他人とのやりとりにおける精神面、そして金銭勘定の上での余裕のあるなし。今回は新生銀行が毎年定点観測的に調査発表している「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版(2016年6月29日発表)をもとに、「おこづかい」の観点からサラリーマン諸氏のゆとり感を確認していくことにする(【発表リリース:男性会社員のお小遣いは過去3番目に低い金額-「2016年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

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こづかい面からの生活ゆとり感、若年層がやや余裕あり


今調査の調査要件などは先行解説記事【2016年のサラリーマンこづかい事情】にあるので、そちらを確認のこと。

さて男性サラリーマンの2016年における平均月額こづかい額は3万7873円となり、前年比で231円の上昇を示したのは、先の記事でお伝えした通り。

↑ サラリーマンの平均月額こづかい(単位・円)(-2016年)(再録)
↑ サラリーマンの平均月額こづかい(単位・円)(-2016年)(再録)

それではそのおこづかい額で、サラリーマン諸氏は「生活のゆとり感」をどの程度感じているのだろうか。「大いにゆとりあり」「まあまあゆとりあり」「やや苦しい」「大変苦しい」の4選択肢から一つ選んでもらい、前者二つを「ゆとり派」、後者二つを「苦しい派」として集計した結果が次のグラフ。

↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2016年)(「大いにゆとり」「まあまあゆとり」を「ゆとり派」、「やや苦しい」「大変苦しい」を苦しい派)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2016年)(「大いにゆとり」「まあまあゆとり」を「ゆとり派」、「やや苦しい」「大変苦しい」を苦しい派)

おこづかいの額面の上では各年齢階層中一番低くなった40代が、ゆとり面でも一番厳しい状況となり、心理状況がストレートに反映された結果となっている。

40代では消費しなければならない対象は多く、さらに子供が相応な年頃のため、自分の懐から出費しなければならない事案も増え、精神面でのプレッシャーも大きいのだろう。そして見方を変えれば20代・30代は未婚者が比較論として40代以降と比べれば多く、また住宅を購入していない事例も多々あるため、これも心理的な支え、余裕感の創出に結びついていると考えられる。

一方で見方を変えれば、どの世代でも押し並べて半数前後は「おこづかいが苦しい」との感想を抱いている。上を見渡せばきりがないが、昼食代や遊興費など日々の消費の中で、お財布事情の厳しさを覚え、多分にストレスを感じている人が多数いることになる。

経年変化でゆとり度合いを見ると


サラリーマンのこづかいは額面上は横ばい、あるいは漸減し、この一、二年では微増している。そのこづかい額で生活上のゆとりを感じる人の割合は、大きな変化は見られない。

↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2009-2016年)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2009-2016年)

こづかいの使い道のトップを行く「昼食代」は「ワンコインランチ」時代が続き、雑誌や新聞などもあまり買わなくなり、ニュースなどの情報取得もスマートフォンなどのモバイル端末で済ますようになる。低消費生活に慣れ、少ないおこづかいの中でもやりくりをして、バランス調整をしているのかもしれない。2009年から2010年に大きくゆとり派が増えて以降は、大きな差異が見られない(2013年はやや突出したが、翌年には元に戻っている)。

2012年に発表された、過去30年分のデータを収録した「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」で確認すると、中期的には「大変苦しい」「大いにゆとり」が漸減し、「まあまあゆとり」が漸増、「やや苦しい」が横ばいの動きを示している。サラリーマンが購入する物品の価格変動ややりくり、ライフスタイルの変化が、「まあまあゆとり」派を増やし、結果としてゆとり派増加の動きを見せている。そして現在の安定感のある状態にシフトしたのだろう。

とはいえ全体では未だに「苦しい派」が過半数にあることに違いはない。特に40代以上や既婚者の圧迫感が大きいのが気になる。

↑ 2016年におけるゆとりがある層と無い層の世代構成比
↑ 2016年におけるゆとりがある層と無い層の世代構成比

各世代で均等にゆとりのあるなしが分散しているのなら、双方ですべて25.0%ずつの区分になるはずだが、ゆとり派では30代までで55.1%なのに対し、苦しい派では46.0%しかいない。それだけ中堅層以降に苦しい派が多いことが改めて確認できる。

またゆとり派のうち未婚者は48.3%、苦しい派は40.1%。全体では43.6%であることから、いくぶん未婚者の方がゆとりを感じている人の割合が多いことになる。

中堅層以降、既婚者はおこづかい以外でもストレスの多い属性であるのを考えると、せめて金銭面でもう少し状況の改善を願いたいところではある。


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