サラリーマンのゆとり感をこづかい面から眺めてみる(最新)

2020/06/30 05:17

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2020-0628心理的な状態の一形態を表す「ゆとり」という言葉は、それに付随する文言により多様な意味合いを持つ。物事の考え方、他人とのやりとりにおける精神面、そして金銭勘定の上での余裕のある無し。今回は新生銀行が毎年定点観測的に調査発表している「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版(2020年6月23日発表)を基に、「こづかい」の観点からサラリーマン諸氏のゆとり感を確認していくことにする(【発表リリース:男性会社員のお小遣い額は39419円と2018年の水準に回復 - 「2020年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

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こづかい面からの生活ゆとり感、若年層がやや余裕あり


今調査の調査要件などは先行解説記事【前年比で大きく増加…2020年のサラリーマンこづかい事情(最新)】にあるので、そちらを確認のこと。

さて男性サラリーマンの2020年における平均月額こづかい額は3万9419円となり、前年比で2672円の増加を示したのは、先の記事でお伝えした通り。

↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、年齢階層別、円)(再録)
↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、年齢階層別、円)(再録)

それではそのこづかい額で、サラリーマン諸氏は「生活のゆとり感」をどの程度感じているのだろうか。「大いにゆとりあり」「まあまあゆとりあり」「やや苦しい」「大変苦しい」の4選択肢から自身の心境に一番近いものを一つ選んでもらい、前者二つを「ゆとり派」、後者二つを「苦しい派」として集計した結果が次のグラフ。

↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感(年齢階層別)(2020年)
↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感(年齢階層別)(2020年)

こづかいの額面の上では各年齢階層中一番低い40代より、一番金額が高い50代の方が、ゆとりの観点では一番低い値が出ている。単純にこづかいの金額の高低だけではゆとりがあるか否かは判断できないということか。他方、一番ゆとり派が多いのは20代だが、未婚者が比較的多いことから、子供にかかわる金銭的なプレッシャー(子供向けに自分の懐から出費しなければならない事案も想定される)が小さく、余裕感を覚えやすいのかもしれない。

一方で見方を変えれば、どの年齢階層でも半数前後は「こづかいが今の金額では苦しい」との感想を抱いている。上を見渡せばきりが無いが、昼食代や遊興費など日々の消費の中で、お財布事情の厳しさを覚え、ストレスを感じている人が多数いることは容易に想像できる。

経年変化でゆとり度合いを見ると


サラリーマンのこづかいは額面上では横ばい、あるいは漸減の動きの中にある。そのこづかい額で生活上のゆとりを感じる人の割合は、大きな変化は見られない。

↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感
↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感

こづかいの使い道のトップを行く「昼食代」は500円台が続き、雑誌や新聞などもあまり買わなくなり、ニュースなどの情報取得もスマートフォンなどのモバイル端末で済ますようになる。低消費生活に慣れ、少ないこづかいの中でもやりくりをして、バランス調整をしているのかもしれない。2009年から2010年に大きく「ゆとり派」が増えて以降は、大きな差異が見られない。2017年では「ゆとり派」が大きく増加し、2013年を超える値を示し、それ以降はおおよそ「ゆとり派」が増える傾向があるように見える。

ちなみに2012年に発表された、「サラリーマンのお小遣い調査」における過去30年分のデータを収録した「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」で確認すると、中期的には「大変苦しい」「大いにゆとり」が漸減し、「まあまあゆとり」が漸増、「やや苦しい」が横ばいの動きを示している。サラリーマンが購入する物品の価格変動ややりくり、ライフスタイルの変化が、「まあまあゆとり」を増やし、結果として「ゆとり派」増加の動きを見せている。

とはいえ全体では未だに「苦しい派」が過半数にあることに違いは無い。

各年齢階層で均等にゆとりのある無しが分散しているのなら、双方ですべて25.0%ずつの区分になるはずだが、実情はそうではない。

↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感(年齢構成比)(2019年)
↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感(年齢構成比)(2019年)

「ゆとり派」では30代までで54.8%なのに対し、苦しい派では45.4%しかいない。それだけ40代から50代に「苦しい派」が多いことが改めて確認できる。

また「ゆとり派」のうち未婚者は42.5%、「苦しい派」の未婚者は38.9%との結果も今調査では出ている。全体では40.7%であることから、いくぶん未婚者の方がゆとりを感じている人の割合が多いことになる。

40代以降、そして既婚者はこづかい以外でもストレスの多い属性であることを考えると、せめて金銭面でもう少し状況の改善を願いたいところではある。


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