サラリーマンのゆとり感をおこづかい面から眺めてみる(最新)

2018/07/05 04:59

2018-0703心理的な状態の一形態を表す「ゆとり」という言葉は、それに付随する文言により多様な意味合いを持つ。物事の考え方、他人とのやりとりにおける精神面、そして金銭勘定の上での余裕のある無し。今回は新生銀行が毎年定点観測的に調査発表している「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版(2018年6月28日発表)をもとに、「こづかい」の観点からサラリーマン諸氏のゆとり感を確認していくことにする(【発表リリース:男性会社員のお小遣いは過去3年続いた37000円台から39836円に上昇−「2018年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

スポンサードリンク


こづかい面からの生活ゆとり感、若年層がやや余裕あり


今調査の調査要件などは先行解説記事【2018年のサラリーマンこづかい事情】にあるので、そちらを確認のこと。

さて男性サラリーマンの2018年における平均月額こづかい額は3万9836円となり、前年比で2408円の増加を示したのは、先の記事でお伝えした通り。

↑ ↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、円)(再録)
↑ ↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、円)(再録)

それではそのこづかい額で、サラリーマン諸氏は「生活のゆとり感」をどの程度感じているのだろうか。「大いにゆとりあり」「まあまあゆとりあり」「やや苦しい」「大変苦しい」の4選択肢から自身の心境に一番近いものを一つ選んでもらい、前者二つを「ゆとり派」、後者二つを「苦しい派」として集計した結果が次のグラフ。

↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感(年齢階層別)(2018年)
↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感(年齢階層別)(2018年)

おこづかいの額面の上では各年齢階層中一番低い30代だが、ゆとりの観点では40代より上。額面上ではそれに続く低い値の40代が、もっとも「ゆとり派」の値が低い。他方、こづかい額が一番高い50代よりも、20代の方が「ゆとり派」の値が高く、唯一過半数となっている。額面で一番の50代は「ゆとり派」の割合は43.8%と、30代によりも低い値。20代は未婚者が比較的多いことから、子供に関わる金銭的なプレッシャー(子供向けに自分の懐から出費しなければならない事案も想定される)が小さく、余裕感を覚えやすいのかもしれない。

一方で見方を変えれば、どの年齢階層でも半数前後は「こづかいが今の金額では苦しい」との感想を抱いている。上を見渡せばきりが無いが、昼食代や遊興費など日々の消費の中で、お財布事情の厳しさを覚え、ストレスを感じている人が多数いることは容易に想像できる。

経年変化でゆとり度合いを見ると


サラリーマンのこづかいは額面上では横ばい、あるいは漸減の動きの中にある。そのこづかい額で生活上のゆとりを感じる人の割合は、大きな変化は見られない。

↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感
↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感

こづかいの使い道のトップを行く「昼食代」は500円台が続き、雑誌や新聞などもあまり買わなくなり、ニュースなどの情報取得もスマートフォンなどのモバイル端末で済ますようになる。低消費生活に慣れ、少ないこづかいの中でもやりくりをして、バランス調整をしているのかもしれない。2009年から2010年に大きく「ゆとり派」が増えて以降は、大きな差異が見られない。2017年では「ゆとり派」が大きく増加し、2013年を超える値を計上、2018年はさらに0.1%ポイントだが「ゆとり派」が増加し、過去最高を更新した。

2012年に発表された、「サラリーマンのお小遣い調査」における過去30年分のデータを収録した「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」で確認すると、中期的には「大変苦しい」「大いにゆとり」が漸減し、「まあまあゆとり」が漸増、「やや苦しい」が横ばいの動きを示している。サラリーマンが購入する物品の価格変動ややりくり、ライフスタイルの変化が、「まあまあゆとり」を増やし、結果として「ゆとり派」増加の動きを見せている。そして現在の安定感のある状態にシフトしたのだろう。また2017年以降の増加の動きは、景況感の回復の表れかもしれない。

とはいえ全体では未だに「苦しい派」が過半数にあることに違いは無い。

各年齢階層で均等にゆとりのある無しが分散しているのなら、双方ですべて25.0%ずつの区分になるはずだが、実情はそうでは無い。

↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感(年齢構成比)(2018年)
↑ サラリーマンにおけるこづかい面から見た生活のゆとり感(年齢構成比)(2018年)

「ゆとり派」では30代までで53.8%なのに対し、苦しい派では46.8%しかいない。それだけ40代から50代に「苦しい派」が多いことが改めて確認できる。

また「ゆとり派」のうち未婚者は42.4%、「苦しい派」の未婚者は30.8%との結果も今調査では出ている。全体では40.0%であることから、いくぶん未婚者の方がゆとりを感じている人の割合が多いことになる。

40代以降、そして既婚者はこづかい以外でもストレスの多い属性であることを考えると、せめて金銭面でもう少し状況の改善を願いたいところではある。


■関連記事:
【足りる? 何とかなる?? 足りない!? 年金に対する考え方をグラフ化してみる】
【生活意識は全体と比べややゆとり…高齢者の生活意識の変化をグラフ化してみる】
【自己意識・バブル世代は誠実まじめ、ではゆとり世代は?】
【将来への不安を覚え、安定を求め、「ゆとり」指摘には立腹……いまどきの高校生たち】

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー