電子出版市場規模は768億円・スマホやタブレットが後押し…「電子書籍ビジネス調査報告書2013」発売

2013/07/22 14:45

インプレスビジネスメディアは2013年7月17日、同社のシンクタンク部門であるインターネットメディア総合研究所が、電子書籍市場を多角的に分析した報告書「電子書籍ビジネス調査報告書2013」を同年7月18日から発売すると発表した。今リリースでは同報告書内からごく一部の内容を抜粋したものが掲載されているが、今回はその中から2つほど、注目に値する数字が描かれたものについてグラフを再構築し、電子書籍市場の状況の把握を試みることにする(【発表リリース:『電子書籍ビジネス調査報告書2013』7月18日発行】)。

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一つ目は直近2012年度(2012年4月1日-2013年3月31日)までの日本国内における電子出版市場規模動向。資料では今後数年間の市場成長予測値も描かれているが、今件では確定分のみを抽出している。さらに「電子出版の市場」には「電子書籍市場」の他に「電子雑誌市場」を含むが、広告費用、編集費用、教科書などは含まれない。


↑ 電子出版市場規模推移(確定分のみ)(億円)

PC(パソコン)向け電子書籍市場は当初全体に占める比率も大きかったが、モバイル端末の普及につれてその比率を下げていく。さらに機動力の低さもあり、モバイル端末に押される形で市場そのものも縮小する。

そのモバイル端末では当初一般携帯電話(フィーチャーフォン)による市場拡大が続いていた。数年前までブームだった「ケータイ小説」を覚えている人も多いだろう。ところが2009年度あたりからスマートフォンやタブレットなどの新世代端末による展開が進み、それと共に一般携帯用の市場は縮小。直近の2012年においては双方市場規模が逆転するまでに至っている。この「一般携帯からスマートフォンへ」という動きは、音楽メディアにおけるデジタル音楽配信市場の流れとよく似ている。

もう一つは直近2012年度における、新世代のモバイル端末保有の是非別、電子書籍の利用率。例えば「スマートフォン・利用」では「有料も利用」が10.7%とあるので、スマートフォンを利用している人の1割ほどが、有料電子書籍を利用していることになる。


↑ スマートフォン・タブレット利用状況別、電子書籍利用率

スマートフォンにしてもタブレット端末にしても、利用している人の方が、電子書籍利用率は高い。スマートフォン利用者は3割、タブレットならば5割が電子書籍を用いていることになる。なお今件の「タブレット端末」には、iPadをはじめとした汎用タブレット以外に、Kindleなどの電子書籍専用端末も該当する。2012年度は日本でも複数社から端末が登場したこともあり、これが電子書籍の普及を積極的に後押ししたと考えられる。

また、非保有者と比べた有料電子書籍の利用率の倍率が、無料のみ利用者と比べて高いのも目に留まる。端末保有が「有料電子書籍の利用」を大きく後押ししているのが分かる。



出版業界の対応も合わせ、海外と比べると日本の電子書籍・電子出版市場は、相当遅れていると評せざるを得ない。しかしながら数々の障壁を乗り越え、着実に市場規模が拡大しているのも事実。今報告書によれば2017年度において、電子出版市場規模は2720億円となり、2012年度の768億円の約3.5倍にまで拡大するとのこと。スマートフォンやタブレット機の急速な普及動向を見ると、さらに加速化する可能性すら秘めている。

各出版社や専用端末販売会社の動きに注目しつつ、今後も市場の拡大飛躍に期待したいものだ。

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