し好品代・雑誌や書籍代が大きくマイナス…サラリーマンのおこづかい内部事情(最新)

2017/07/18 05:00

2017-0717サラリーマンが直接、そして自分自身にもっとも大きな影響を与える金銭のやり取りといえば「おこづかい」に他ならない。そのお小遣いの使い道として一番欠かせないものは「昼食代」であるとの実態が、新生銀行が2017年6月26日に発表した、定点観測的な調査「サラリーマンのお小遣い調査」の最新版で明らかになった。今回はこの調査結果から、最重要視されている昼食代も含め、サラリーマンのお小遣いの消費実態について確認をしていくことにする(【発表リリース:男性会社員のお小遣いは過去2番目に低い金額-「2017年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

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もっとも欠かせないものは「昼食代」で変わりなし


今調査の調査要件などは今調査に関する先行解説記事【2017年のサラリーマンこづかい事情】にあるので、そちらを確認のこと。

サラリーマン諸氏におけるこづかいの使い道として、欠かせない項目を複数回答で尋ねたところ、もっとも多くの回答が得られたのは「昼食代」だった。率にして51.2%。

↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2012-2017年)(上位一部のみ)
↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2012-2017年)(上位一部のみ)

↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2016年から2017年への変移、ppt)
↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2016年から2017年への変移、ppt)

もちろん「欠かせない」を選ばなかった場合、それは「無くても良い」を意味しない。「優先順位が低くてもかまわない」(1かゼロではなく、金額配分の際の割当が低くなる)と見れば、「こづかいの使い道として昼食代が欠かせない」と”回答しなかった”48.8%の存在も納得できる。持参弁当を利用する人もこの48.8%には多分に含まれるのだろう(今件調査におけるおこづかいとは昼食代を含んでいる)。あるいは文字通り「昼飯を後回しにしても、抜きにするなり減額しても、おこづかいを投じたい対象がある」人もいるかもしれない。

「昼食代」以外の項目では「こづかい」の内容にふさわしく、プライベートな項目が上位を占めている。具体的には「趣味の費用」「飲み代」「携帯電話代」「し好品代」が続いている。他方、数年前には上位についていた「家族への気配り」の項目が、今年も合わせて5年連続で上位10位から消えている。厳しいこづかい事情の中で、家族よりもサラリーマン本人への注力に重点を置いたものと考えられる。

また前年からの変化を見ると、上位陣では「昼食代」「車関係・ガソリン代」以外は大よそ下落。特に「し好品代」「雑誌・書籍代」の下落ぶりが著しい。「し好品代」の具体的内容の説明はリリースには無いが、たばこやお酒(飲み代とは別)、通常の各種飲料水が該当することは間違いない。喫煙者にとってはたばこは生命線のようなものであるし、好きな飲料水を愛飲することを日々の楽しみにしている人もいるはずだ。それらへのウェイト減退は、辛さを覚えるものがある。

もっとも後ほど解説するが、「し好品代」「雑誌・書籍代」は共にここ数年減少の傾向にある。「し好品代」は去年、前年比で大きく上げたこともあり、その反動も多分にある(2017年の値の2015年比はプラス0.1%ポイント)。

ここ数年の動向を見るに、「趣味の費用」「雑誌・書籍代」「車関係・ガソリン代」が低下傾向にあり、他方で増加の動きを見せる項目が無い。「欠かせない」と回答しない場合、一切出費しないわけではないが、優先順位は下がる。限られた予算枠でやりくりをする中で、より重要性のあるものへ注力する姿勢が、今設問にも表れているのかもしれない。

その観点で考えると、「趣味の費用」「雑誌・書籍代」「車関係・ガソリン代」のウェイトは減退しつつあるのだろう。自らの趣味趣向に直結する対象の予算振り分けの減少は、心の安ねいの観点では不安ではある(その分「携帯電話代」に割り振られているのかもしれないが)。

年齢で変化する携帯電話と飲み代のウエイト


直近の2017年分につき、「昼食代」「携帯電話代」「飲み代」の比率を年齢階層別に並べたのが次のグラフ。

↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2017年、年齢階層別、昼食代・携帯電話代・飲み代限定)
↑ こづかいの使い道として欠かせないもの(2017年、年齢階層別、昼食代・携帯電話代・飲み代限定)

「昼食代」の高さは年齢階層で大きな変化はなし。30代から40代がやや低めなのは、既婚者における持参弁当比率が高いのが一因と考えられる。

一方「携帯電話代」は20代がもっとも高く、歳を経るに連れて減少。50代がやや伸びているが、これはイレギュラーだろう。逆に「飲み代」は歳を取るに連れて上昇する傾向にある。歳上になるほど会社内での立場・役職も上がり、部下を連れて、あるいは接待として飲みに行く機会が増えるのも一因。また見方を変えると、年齢階層間における「デジタル」と「リアル」のコミュニケーションへの注力の違いが、おこづかいの配分にも見えてくるようで、非常に興味深い。

「欠かせないモノ」上位の中期的変化


「おこづかいの使い道として欠かせないもの」について、過去からの推移を見ていくことにする。今調査で「使い道」を取り上げ始めたのは2005年から。連続した値を確認できる5項目、それに加えて昨今では社会様式の上でも、他の金銭関連の調査においても重要視されている「携帯電話代」(2006年から登場)の計6項目で生成したのが次のグラフ。

こづかいの使い道として欠かせないもの(2005年から2017年、上位5位+αのみ)
こづかいの使い道として欠かせないもの(2005年から2017年、上位5位+αのみ)

「昼食代」以外の4項目は2006年から2007年にかけてやや低迷しているが、2008年以降は一様に上昇の動きを見せた。しかし2009年から2010年に渡って複数の項目で横ばいから低迷へと流れが変わり、一方で「携帯電話代」は上昇を示していた。

「昼食代」は欠かせないものとして最上位に位置する動きは変わらないものの、「し好品代」「雑誌・書籍代」のような趣味的費用が「携帯電話代」に食われ、「飲み代」は(主に中堅層以降の回答で)横ばいの動きにあった状況が確認できる。

ところが2014年以降に限れば、「昼食代」は過去からの動きのボックス圏内にあるが、それ以外は総じて下げの動きを示している。昼食への注力をより確かなものとするための、他項目における選択からの除外をする動きなのだろうか。あるいは単に「欠かせないもの」の認識そのものが変化しているのかもしれない。次年以降の動向でさらなる裏付けを取りたいところだ。


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