前年比709円減の3万8710円…2021年のサラリーマンこづかい事情(最新)

2021/07/11 03:44

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2021-0710日本の就労者の就業職種のうち少なからぬ人数の割合を占めるサラリーマンにおける生活様式は、それらの人々自身はもちろん、日本の社会全体の状況を推し量る一つのバロメーターになる。新生銀行では毎年1回、このサラリーマン(など)の日常生活に関する調査「サラリーマンのお小遣い調査」を行い、その結果を報告書として発表している。今回はその最新版にあたる、2021年6月29日発表の「2021年サラリーマンのお小遣い調査」の結果などを基に、最新、そして近年におけるサラリーマンのこづかい事情を確認していくことにする(【発表リリース:男性会社員のお小遣い額は昨年比微減の38710円、女性会社員は微増の34398円 -「2021年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

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今調査は2021年4月16日から19日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2718人。男女会社員(正社員・契約社員・派遣社員)に加え、男女パート・アルバイト就業者も含む。公開資料で多くを占める会社員は男性1252人・女性842人。年齢階層別構成比は20代から50代まで10歳区切りでほぼ均等割り当て(実社員数を基にしたウェイトバックはかけられていないので、全体値では社会の実情と比べて偏りを示している場合がある)。未婚・既婚比は男性が40.2対59.8、女性は59.5対40.5。なお今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではないことに注意。

直近分も含むここ数年における、回答者年齢階層別のサラリーマンのこづかいの実情は次の通り。

↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、年齢階層別、円)
↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、年齢階層別、円)

全体としては前年の増加傾向から転じて減少、マイナス709円の3万8710円。報告書では「近年の男性会社員のお小遣い額の推移は増加と減少を1年ごとに繰り返し、金額で大きな変化は見られません」と説明している。後ほど示す中長期的なグラフからも分かる通り、調査の限りでは2011年以降はほぼ横ばいを維持しており、2021年の前年比での減少も、誤差領域の動きとの解釈ができる。

金額そのものは20代がもっとも大きく4万5581円、次いで30代の4万0710円、50代が3万5674円、そして40代の3万3205円と続いている。

前年比では20代と30代で増加、40代と50代で減少。特に20代の増加度合いと50代の減少度合いが大きい。

↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、前年比、年齢階層別、円)(2021年)
↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、前年比、年齢階層別、円)(2021年)

前年比では20代と30代で増加、40代と50代で減少。特に20代の増加度合いと50代の減少度合いが大きい。20代は前年において前年比プラス2672円を示しており、2年連続の増加となっている。他方50代は前年において前年比プラス3936円と年齢階層別では最大の増加を示しており、2021年の大幅減少はその反動が少なからず影響しているのだろう。

数年来続いている傾向だが、20代から50代のサラリーマンでは、給与が一番少ないはずの20代ではなく、30代か40代の中年層が一番、こづかいの額面では小さな値を示している。子供がいる世帯が多く、家計内でのやりくり事情が影響していると考えられる。

実際、既婚と未婚で区分すると未婚者の方が平均こづかい額は高い。グラフ化は略するが、未婚者全体では4万5969円、既婚で子供無し・共働きでは4万4707円、既婚で子供あり・専業主婦では3万1732円にまで額が減る。同時に付き合いも増え半ば強制的な出費もかさむこの年齢階層には、お財布事情が厳しい時代が継続中のように見える。

いくぶん余談ではあるが、公開されているデータを基に、毎年のサラリーマンのこづかい状況の推移と、日経平均株価(年末の終値、2021年は7月10日終値)をかぶせると次のようなグラフが完成する。

↑ サラリーマン平均こづかい額(月額)と日経平均株価(年末終値または直近日終値)(円)
↑ サラリーマン平均こづかい額(月額)と日経平均株価(年末終値または直近日終値)(円)

グラフの形状、さらには過去の報告書でも指摘されていたが、1991年以降のバブル崩壊後においては、サラリーマンの平均こづかい額は日経平均株価に1年から2年遅行する形で連動する動きを示していた。これはまさに景気対策・政策の実行と、その成果が民間ベースにまで浸透するタイミングと近いもので、興味深い傾向でもある。

もっとも2011年以降は日経平均株価が上昇傾向にあるにもかかわらず、サラリーマンの平均こづかい額はほぼ横ばいの傾向に。連動性が薄くなったのには、何か理由があるのだろうか。子育ての経費がかさむようになった、サラリーマンの世帯内での社会的立ち位置が弱くなった、例えば携帯電話代のようなこづかいとは別あつかいの別の支出が家計から生じている、色々と理由が考えられる。

2021年においては前年と比べて株価は上昇し、つまり経済そのものは堅調さを見せていることになる。ところがこづかい額は前年から下落。減った理由を見ると(グラフ化は略)、「給料が減ったから」「生活費にかかるお金が増えたから」「新型コロナウイルスの影響で本業の収入が減少したから」が上位を占めている。給料の減少も生活費の増加も、新型コロナウイルスの流行が関係していることは容易に想像できることから、新型コロナウイルスの流行はこづかいの減少にも大きな影響を与えていると思わざるを得ない次第ではある。


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