前年比で大きく減少…2019年のサラリーマンこづかい事情(最新)

2019/07/01 05:23

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2019-0628日本の就労者の就業職種のうち少なからぬ人数の割合を占めるサラリーマンにおける生活様式は、それらの人々自身はもちろん、日本の社会全体の状況を推し量る一つのバロメーターになる。新生銀行では毎年1回、このサラリーマン(など)の日常生活に関する調査「サラリーマンのお小遣い調査」を行い、その結果を報告書として発表している。今回はその最新版にあたる、2019年6月21日発表の「2019年サラリーマンのお小遣い調査」の結果などを基に、最新、そして近年におけるサラリーマンのこづかい事情を確認していくことにする(【発表リリース:男性会社員のお小遣い額は36747円と過去2番目に低い金額 -「2019年サラリーマンのお小遣い調査」結果について】)。

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今調査は2019年4月5日から8日にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2717人。男女会社員(正社員・契約社員・派遣社員)に加え、男女パート・アルバイト就業者も含む。公開資料で多分を占める会社員は男性1252人・女性841人。年齢階層別構成比は20代から50代まで10歳区切りでほぼ均等割り当て(実社員数をもとにしたウェイトバックはかけられていないので、全体値では社会の実情と比べて偏りを示している場合がある)。未婚・既婚比は男性が40.3対59.7、女性は60.3対39.7。なお今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけでは無いことに注意。

直近分も含むここ数年における、回答者年齢階層別のサラリーマンのこづかいの実情は次の通り。

↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、年齢階層別、円)
↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、年齢階層別、円)

全体としては前年の増加傾向から転じて減少、マイナス3089円の3万6747円。報告書では「最近の景気に変調の兆しがみられ、10月に予定される消費増税による影響や家計における賃金の伸びが依然として緩慢なものであること」が原因と説明しているが、後ほど示す中長期的なグラフから分かる通り、調査の限りでは2011年以降はほぼ横ばい、いくぶんの減少を維持しており、2019年の前年比の減少も、誤差領域の動きと解釈した方が道理は通る。

金額そのものは50代がもっとも大きく3万8051円、次いで20代の3万7548円、30代が3万7436円、そして40代の3万3938円と続いている。

↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、前年比、円)(2019年)
↑ サラリーマンの平均こづかい額(月額、前年比、円)(2019年)

前年比では30代が上昇、それ以外では減少。特に50代のほぼ6000円もの減少が全体の足を大きく引っ張っている。あるいは「働き方改革」で残業代が減少し、それによって手取りが減り、こづかいにも影響を与えた可能性は否定できない。

今年だけで無く数年来続いている傾向だが、20代から50代のサラリーマンでは、給与が一番少ないはずの20代では無く、30代から40代の中年層が一番、こづかいの額面では小さな値を示している。子供がいる世帯が多く、家計内でのやりくり事情が影響していると考えられる。

実際、既婚と未婚で区分すると未婚者の方が平均額は高い。未婚者全体では4万3608円、既婚で子供無し・共働きでも3万7597円、既婚で子供あり・専業主婦では3万2469円にまで額が減る。同時に付き合いも増え半ば強制的な出費もかさむこの年齢階層には、お財布事情が厳しい時代が継続中のように見える。

いくぶん余談ではあるが、公開されているデータを元に、毎年のサラリーマンのこづかい状況の推移と、日経平均株価(年末の値、2019年は6月27日終値)をかぶせると次のようなグラフが完成する。

↑ サラリーマン平均こづかい額(月額)と日経平均株価(年末終値または直近日終値)(円)
↑ サラリーマン平均こづかい額(月額)と日経平均株価(年末終値または直近日終値)(円)

グラフの形状、さらには過去の報告書でも指摘されていたが、1991年以降のバブル崩壊後においては、サラリーマンのこづかい額は日経平均株価に1年から2年遅行する形で連動する動きを示していた。これはまさに景気対策・政策の実行と、その成果が民間ベースにまで浸透するタイミングと近いもので、興味深い傾向でもある。

2019年においては前年と比べて株価は下落し、つまり経済そのものが軟調さの気配を見せていることになる。そしてこづかい額も前年から下落。賃金は上昇を見せているにもかかわらず、こづかいが変わらない・減るのは厳しい話に違いない。減った理由を見ると、「給料が減ったから」以外に「生活費にかかるお金が増えたから」「子供の教育費がかかるようになったから、増えたから」が上位を占めている。

他方公開はされていないものの、今回の各値の直接対象となった男性会社員における正社員と契約社員・派遣社員との間の比率に変化が生じ、大きな下落を示した可能性は否定できない。次年以降の値を注視したいところではある。


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