熱中症での病院搬送者は去年の2.3倍・4265人に…2013年6月

2013/07/17 06:55

総務省消防庁は2013年7月16日付で、同年6月における熱中症を起因とした全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。それによると同年6月での熱中症による救急搬送者は4265人となり、昨年2012年の6月での数字1837人と比べ約2.3倍もの増加が見られたことが分かった。例年と比べて降水量も少なめで、各地域で気温が上昇したのが熱中症患者の増加につながったようだ(【発表リリース一覧ページ:総務省消防庁】)。

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今年の6月は一部で台風3号や梅雨前線の影響を受けて曇天が続いた日もあったが、全般的に高気圧に覆われて晴れる日が多く、降水量は平年を下回った。また暖気の流入などで多くの地域で平均気温を上回ることとなり、これが熱中症の発生リスクを高める要因となった。さらに電力需給は昨年と比べて幾分改善しているものの、電気料金の値上がりなどを受け、冷房機器を使いにくい心理が働き、これもリスクの上乗せとなったことは否定できない。

今回の発表によれば、2013年6月の全国における熱中症による救急搬送人員(救急車で医療機関に搬送された人)は4265人となり、昨年2012年の6月における1837人の約2.32倍という値になった。


↑ 熱中症搬送人員(2010-2013年、各6月、人)


↑ 熱中症搬送人員(2010-2013年、各6月、人数比)

昨年と比べると全年齢階層で人数は増加しているが、特に元々搬送数・率が高い高齢層において、大幅な増加が確認できる。高齢層の人数は昨年の2.7倍で、これは他の年齢階層よりも高い伸び率となっている。2011年の猛暑に近い比率であることも合わせ、気温の高低はとりわけシニアの熱中症に大きな影響を与える実態が、改めて実証されたことになる。

熱中症患者の高齢者率の増加に伴い、搬送時の初診傷病程度も変化。全体に占める中等症者の比率が増加している。


↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2013年、各6月、人)


↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2013年、各6月、人数比)

なお症状の区分だが「軽症:入院を必要としないもの」「中等症:重症または軽症以外のもの」「重症:3週間の入院加療を必要とするもの以上」「死亡:医師の初診時に死亡が確認されたもの」である。つまり「中等症」とは「3週間未満の入院を必要とするもの」となる。

病院への搬送時点ですでに状態がそこまで悪化していることから、本人が体調悪化に対して無理をしていたか、あるいはすでに意識がもうろうとしているなどの状態に陥ったものの「発見」が遅れたことが想定できる。患者全体に占める高齢者の比率が増加していることから、そのような事例が増加する結果となるのも納得がいく(高齢者は一人暮らしの場合が多く、また自分の体調悪化に気が付きにくい、無理をしやすい)。

リリースでは今回の状況を受け、特に高齢者に関する注意事項として「高齢者は温度に対する皮膚の感受性が低下し、暑さを自覚できにくくなるので、屋内においても熱中症になることがあるので注意が必要」と呼びかけている。もっともこれの後半部分は高齢者に限った話では無く、すべての人に心掛けてほしい内容である。室内にいたからといって、熱中症リスクが無くなるわけではない。

今件は6月分だが、7月に入ると気温のさらなる上昇を受け、各地で平年より早い梅雨明けを迎え、熱中症による救急搬送数もさらに急増している。7月の第一週目(7月1日-7日)だけで2594人(速報値)が救急搬送されており、急激な伸びを示している。


↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2013年・人)(-7月7日まで、再録)

今夏は春の時点における長期予報で、猛暑の可能性が指摘されていた。昨今の動向を見るに、その予報は的中しそうだ。節電は大いに心掛けてほしいが、それで体調を崩してしまっては何にもならない。特に疾患を持つ人や高齢者・乳幼児など体力に自信がない人は、十分以上に注意をしてほしい。

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