スマホは楽しくて、つい長時間…では何の時間を削ったか?

2013/07/19 07:55

総務省の情報通信政策研究所は2013年7月5日、同研究所の公式サイトで「青少年のインターネット利用と依存傾向に関する調査」の報告書を公開した。若年層のインターネット利用状況、さらにはインターネットへの依存に関する調査をまとめたものである。それによると一般携帯電話からスマートフォンに乗り換えた人では、3割近くの人が「テレビ視聴時間が短くなった」と回答していることが分かった。次いで「睡眠時間」「読書時間」が短くなった人が多い。男女別では押し並べて女性の方が時間が短くなった生活行動が多く、世代別では社会人において、紙メディアに割いていた時間を短縮している動きが確認されている(【情報通信政策研究所:発表リリース一覧ページ】)。

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「スマホを始めて、テレビと睡眠と読書が減りました」


今調査の調査要件などに関しては先行する記事【トップは「携帯メール」、次いで「携帯通話」…若年層は家族との連絡に何を使うか】に掲載している。そちらを参考にしてほしい。

一般携帯電話(フィーチャーフォン)と比べてスマートフォンは、同じ携帯電話ではあるものの、機能は桁違いの充実性を誇っている。アプリケーションによってさらにその機能差は広がりを見せる。当然、没頭度も増し、より長い時間を費やすことになる。

「ながら利用」ならともかく、大抵においてはスマートフォンの所有で一般携帯電話所有時と比べて利用時間が伸びるに連れ、他の時間を犠牲にする、短くする必要が出てくる。個々の利用者にとって優先順位付けが行われ、短くされた対象は「スマートフォンの利用と比べると時間を費やす価値は低い」と判断が下されたわけだ。

そこで「スマートフォンに切り替えてから、生活時間で短くなった項目」を挙げてもらったところ、最上位についたのは「テレビ視聴時間」だった。29.2%の人が「スマホ利用に伴いテレビを観る時間が減った」と答えている。


↑ スマートフォンを所有してから生活時間で短くなった項目(以前一般携帯を所有していてスマートフォンに切り替えた人限定、複数回答)

次いで多いのは「睡眠時間」で23.6%、「読書時間」で21.6%。「睡眠時間」は、つい使いすぎて夜更かしをしてしまうからだろうが、それ以外は娯楽の時間が上位を占めている。

興味深いのは「自宅でPC(パソコン)を使ったネット利用時間」。インターネットを使うという点ではパソコンもスマートフォンも変わらないはずだが、若年層においてはパソコンよりもスマートフォン経由でのアクセスの方に、便宜性を覚える事例が少なくないということなのだろう。「パソコンでの動画視聴時間」も同様の事例に相当する。

もっともこれは、持ち運びができるスマートフォンを日常生活の上でちょくちょく使い、覚え書きやそれに類するブックマーク、各種管理ソフトを利用し続けているうちに、それらとの連動性の上ではパソコンより上の、すぐに利用できるスマートフォンで、インターネットそのもののアクセスや動画視聴まで済ませてしまうというパターンが考えられる。

男女別では女性が多種多様な「時間短縮」、そして各世代で特異な動き


これを男女別に見たのが次のグラフ。


↑ スマートフォンを所有してから生活時間で短くなった項目(以前一般携帯を所有していてスマートフォンに切り替えた人限定、複数回答)(男女別、一部)

概して男性よりも女性の方が回答率が高い。「短くなったか否か」だけで具体的な時間までは出ていないが、男性よりも女性の方がスマートフォンに没頭しやすく、結果として多方面で時間を削っていることがうかがえる。特に「自宅でパソコンでのネット利用時間」「パソコン動画視聴時間」の男女差は大きく、女性が多分にパソコンの代替機としてスマートフォンを有効活用しているようだ。

唯一男性が女性よりも高い値を示しているのはテレビ視聴時間。男性と比べて女性にとって、テレビの優先順位は比較的高いようにも見受けられる。

今件項目について別の切り口、所属学校別に区分した結果が次のグラフ。


↑ スマートフォンを所有してから生活時間で短くなった項目(以前一般携帯を所有していてスマートフォンに切り替えた人限定、複数回答)(所属学校別、一部)

小学校高学年はまだ機能が使いこなせていないこともあり、代わりに時間が減った項目回答率は少なめ。しかし中学生になると機能利用が大きく広がるからか、複数項目で大きな値を示す。特に上記の女性のように、「自宅でパソコンでのネット利用時間」「パソコン動画視聴時間」で高い値を示しているが、これは多分に「家族共有のパソコンでは無く、自分自身のスマートフォンで(気兼ねすることなく)アクセスできるから」だと考えられる。

保護者サイドから見ると、一番困った状況にあるのは高校生。「睡眠時間」「勉強時間」と2項目で最大値を示している。健康を害しかねず、学業がおろそかになる可能性があるとなれば、「やり過ぎ」として注意をしたくなるのも理解はできる。

特異な動きは社会人にも見られる。中学生同様、パソコンの代替機として用いている動きがある一方、「読書」「雑誌購読」「漫画購読」「新聞購読」など、他媒体、とりわけ紙媒体の時間を減らしている動きが強く出ている。元々ある程度は各種紙媒体を利用していたのだろうが、持ち運びが便利で検索機能も充実、種類も豊富に用意されて速報性にも長けた、電子書籍や配信ニュースが使えるのなら、そちらを用い、紙媒体の利用を減らすのは合理的な考え方といえよう。

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