インターネット利用時間が減った理由は「リアルが多忙」「家族に注意された」

2013/07/17 07:55

総務省の情報通信政策研究所は2013年7月5日、同研究所の公式サイトにおいて、「青少年のインターネット利用と依存傾向に関する調査」の報告書を発表した。若年層のインターネット利用状況と、その依存に関する調査をまとめたものだが、それによると調査時点において、3か月前と比べてインターネットの利用時間が減った人は8.3%に留まっていることが分かった。そしてその減少理由としてもっとも多くの人が挙げたのは「現実世界が多忙になった」で、4割の人が該当していた。次いで「家族に注意された」「自分でやり過ぎと反省」などが続いている。学校種類別では小学生の高学年や中学生で「家族に注意された」が多い傾向が見受けられる(【情報通信政策研究所:発表リリース一覧ページ】)。

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ネット利用時間減少理由の最上位は「リアルが多忙」


今調査の調査要件などについては先行する記事【トップは「携帯メール」、次いで「携帯通話」…若年層は家族との連絡に何を使うか】に掲載済みなので、そちらを参考のこと。

今調査対象母集団に対し、3か月前と比較して(回答時期は2月8日から12日だから、11月と比べて)インターネットの利用時間は増えたか減ったかを聞いたところ、29.0%が「増えた」、8.3%が「減った」と回答した。


↑ 3か月前と比較したネットの利用時間の変化

このうち「減った」と回答した8.3%に、その理由を聞いたところ、最上位についたのは「現実世界が多忙になった」だった。40.9%が同意を示している。


↑ ネット利用時間が減った理由(減った人限定、複数回答)

調査タイミングから察するに、受験のラストスパートや年末試験、さらには来年度に向けた環境の変化に向けた準備などで何かと多忙になり、インターネットを利用する時間を減らさざるを得なくなったのだろう。また見方を変えれば、「ネットよりもリアルを重要視した結果」でもあり、健全な対処ともいえる。

次いで多いのは「家族に注意された」。自分ではもっとアクセス時間を増やしたい、少なくともこのまま長時間使っていたいが、その利用が目に余るとして雷が落ちた結果。それに続く「自分でやりすぎと反省」よりも状況は悪い。

また少数ではあるが、「学校の成績や会社の業績下落」「身体的健康悪化」「ネットで(お金を)浪費した」のような、リアルにも大きな影響を与えた結果によって利用時間が減ったという、気になる回答も見受けられる。

世代によって異なる「ネット利用時間減少」理由


今件について上位項目を、学校の種類別(=世代別)と男女別に見たのが次のグラフ。


↑ ネット利用時間が減った理由(減った人限定、複数回答)(一部、性別、学校種類別)

「現実世界が多忙」はほぼすべての属性で最上位を占めているが、特に女性、大学生でその比率が高い。出来ること、しなければならないことが多く、ネットに割く時間を減らさねばならない事情が出てくるのも理解できる。

一方、「小学校高学年」と「社会人」は、それぞれ「家族に注意された」「現実生活環境の変化」が最上位についている。個々の事由は容易に想像が出来るというものだ。特に前者は「他の趣味が出来た」も大きな値を示しており、小学生が多分に熱しやすく醒めやすい性質なのが見て取れる。

また「現実生活環境の変化」は社会人がもっとも高い値。学生生活から社会人としての生活に改まったり、あるいは職場の転換や昇進などでやらねばならないことが増え、インターネットへ割ける時間が減ったというあたりが実情だろう。

ネット依存傾向の高低による違い


次のグラフは、インターネットへの依存度などによる区分。「ネット依存的傾向別」は高得点ほど依存性向が高い。また一般的にはスマートフォン保有者ほどネットへの依存性が高い結果が出ている。


↑ ネット利用時間が減った理由(減った人限定、複数回答)(一部、ネット依存・スマホ別)

ネット依存であることを自覚している人は「自分でやり過ぎと反省」の値がもっとも高い。自覚があるからこそ、反省も出来るという良い証である。また「現実生活環境の変化」でも高い値を示しており、環境変化に対して適切な優先順位を設けて、ネットへの注力を減らすことが出来たと考えられる。

ネット依存的傾向別では、高得点=高依存傾向の方が、上位項目での回答率が高い。これは「多数の条件が重なることで、ようやく利用時間が減らせた」と考えることができる(もっとも高得点者ではネット時間を減らせた人そのものがごく少数なことから、「ぶれ」の範囲とも考えられる)。

スマートフォンの保有別では、保有者は「現実世界の多忙」「現実世界環境の変化」「自分でやり過ぎと反省」、非保有者は「現実世界の多忙」の次に「家族に注意された」「他の趣味が出来た」が続いている。これはスマートフォンそのものの特性というよりは、「保有者=年齢が高め」「非保有者=年齢が低い」なのが主要因と考えられる。一つ上のグラフで、小中学生において「家族に注意された」の値がそれより年上の層よりも多いのを思い返せば、容易に理解はできるはず。



インターネットではできることがあまりにも多く、柔軟性も高いため、特に分別がついていない若年層には、歯止めがきかず、長時間の利用をしがち。今件はさまざまな理由で時間が減った、減らさざるを得なかった人たちの、その事由から、若年層のネット事情を垣間見たことになる。

インターネットとて結局は道具に過ぎない。それに振り回されることが無いよう、大人たちは十分に若年層に啓蒙する責任がある。今件ならば「家族に注意された」事例の際、どのような注意をすれば良いのか、大人側もよく考える必要があろう。

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