「好感触8割」日本への東南アジア諸国の感情は良好、ただし韓国・中国は…

2013/07/13 14:00

アメリカ大手の調査機関【Pew Research Center】は2013年7月11日、昨年末からの日本の政情変化とそれに伴う周辺諸国の思惑に関する調査結果【Japanese Public’s Mood Rebounding, Abe Highly Popular】を発表した。それによると調査時点において東南アジア諸国の多くが日本に対し8割前後の値で好感触を抱いていることが分かった。一方韓国と中国は否定感が強く、とりわけ中国は9割が否定的感情を抱いている結果が出ている。また調査時点の日本のトップ、安倍首相の発言に対しても、概して似たような値が示されている。

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「日本が好き」8割、ただし韓国と中国は…


今調査はオーストラリア、中国、インドネシア、日本、マレーシア、パキスタン、フィリピン、韓国に対して18歳以上を対象に、2013年3月から4月(一部の国では3月中)にかけて行われたもので、各国の有効回答数は800-3000人強。調査様式はRDD形式によって選ばれた電話(固定・携帯含む)による通話インタビュー(各国の主要言語を使用)によるものだが、一部の国では対面調査方式が採用されている。また各国の事情に即したウェイトバックが実施されている。

調査対象国に対し、日本への感情を確認したところ、マレーシア・インドネシア・オーストラリア・フィリピンでは大よそ8割が好感触を抱いていることが分かった。


↑ 日本に対する感情(2013年3月)

パキスタンは好感触が5割だが、否定的意見は1割にも満たない。「不明・その他」が4割を超えており、好き嫌いというよりは「具体的な感想を持つほど日本について知らない」というのが現実なのだろう。

一方で韓国と中国は他の国とは対照的に否定的感情が強い。特に中国は強い否定のみで74%、否定と合わせると90%が否定派となる。韓国も否定派は77%。元々両国は日本に対し過去から否定的心象を持つ傾向が(今調査の過去データを見ても)強かったが、前回調査の2008年時点の値と比べても、否定度が大いに強くなっている。少なくとも今件に限れば、この5年の間に、対日感情が悪化したと判断すべきだろう。

かつての日本の軍事行動に対する意見は?


レポートでは韓国・中国の特異な反応について、その一因として「太平洋戦争中の日本における軍事行動と、それに対する謝罪が十分でないから」と両国が考えている結果と分析している。実際、その件について尋ねた結果を見ても、両国の「謝罪が十分でない」との意見は他国を大いに凌駕している。


↑ 1930-1940年代の日本の軍事行動に対し、すでに謝罪が十分なされたか、あるいは謝罪の必要は無いと思うか(2013年3月)

一つ目のグラフで日本に対する感情が好感触的な国は、「十分謝罪は済んでいる」との意見が2割強から3割近く(パキスタンは問い合わせそのものをしていない)、「謝罪はまだ十分でない」は3割から4割。「謝罪そのものが不必要」も少なくない。またマレーシアは4割が不明・その他となっている。

ところが韓国と中国は「まだ謝罪が不十分」との意見で大半が占められている。特に韓国は98%が「不十分」との回答で、実質的には全員と見なしても良いほどの値である。「日本に対する感情」で、それでも22%が好感触派にいるということは、韓国の対日感情の悪化は大戦中の日本の軍事行動を起因とするものばかりではないことも想像できるが、いずれにしてもこの反発ぶりは注目に値する。

なお日本人自身は約半数が「謝罪は十分に済んでいる」との認識を持つ。あくまでも今調査に限っての話だが、謝罪する側・される側の心境の違いが如実に出ており、今件問題の難しさを再認識させられる。

安倍総理への感想は?


最後に呈するのは、調査時点で日本のトップにある安倍晋三総理の、発言(特に対外的な言及)に対する感想。日本国内では概ね好感触を抱かれているようだ。


↑ 日本の安倍総理の発言に対する感想(2013年3月)

多くの国では「好感触派」と「不明・その他」で大半が占められている。印象はかねがね良好か、あるいは判断するだけの情報をまだ取得していない、あるいは興味が沸かないといったところだろう。特にパキスタンでは8割強が意思表明を留保しており、判断のしようがない人が大半となっている。

一方、韓国と中国は概して否定派。特に中国の反発が著しい。レポートでは安倍総理の靖国神社周りの行動や発言が起因ではないかとしているが、その他にも、むしろ領土問題の方が大きな要因である気がしてならない。



Pew Research Centerが日本に焦点を合わせた調査を行うことは珍しく、記憶にある限りでは先の震災に関連したもの以降はじめてのものとなる。それだけ日本の政治的な変化に対する注目・関心が高いのだろう。

今回は特に注目されうる対外的要因を先行して紹介したが、同調査では他にも日本国内での調査要件も複数確認できる。機会を改めて紹介・解説したいところだ。

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