4マス全マイナス、ネットはプラス7.5%に(経産省広告売上推移:2013年7月発表分)

2013/07/12 07:55

経済産業省は2013年7月9日付で同省公式サイト内の「特定サービス産業動態統計調査」において、2013年5月分の速報データ(確定値に先立ち公開される値)を発表した。それによると、2013年5月の日本の広告業全体における売上高は前年同月比でプラス2.4%となり、増加していることが明らかになった。今件記事で精査対象となる5項目(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・インターネット)中では「新聞」がマイナス6.3%と、もっとも低迷している(【発表ページ:経済産業省・特定サービス産業動態統計調査】)。

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4マスすべてマイナス、ネットは堅調


「特定サービス産業動態統計調査」に関する詳細解説は先行する記事(【定期更新記事:4大既存メディア広告とインターネット広告の推移(経済産業省発表・特定サービス産業動態統計調査から)】参照のこと)で行っている。そちらを参考のこと。なお最新のデータ以前の値(今回なら2013年4月分以前)は、速報値の後に発表される確定値で修正された数値を入力し直しているので、値が前月記事とは異なる場合がある。


↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年同月比(2013年4-2013年5月)

前月分からの変移が分かりやすいよう、前回記事分(2013年4月分)データ(確定値に修正済み)と並列する形でグラフ化している。今回月は広告業全体として定着している動き、具体的には4マスの軟調さと「インターネット広告」の堅調さが、先月以上に如実に出る形となった。「テレビ」は年末年始にかけてやや復調を示していたものの、それ以降は再びマイナスに下落している。ただし1年前の2012年分を確認すると、3月から5月までは大きなプラス値を示していたので、ここ数か月の弱い値は、その反動の可能性が高い(特に2012年5月はプラス22.3%と大きくプラスに振れていた)。

該当月、つまり2013年5月における大手広告代理店電通・博報堂の売上動向に関する記事【電通ならプラス5.0%、テレビは4マスでは例外的に持ち直しの気配(電通・博報堂売上:2013年5月分)】で動向をチェックすると、電通で「雑誌」「テレビ」が健闘しているが、概して4マスが弱く、インターネットが強い流れとなっており、状況的にはほぼ同じ。日本の二大広告代理店の動きが、日本全体の広告市場と似たようなものであるのが分かる。

減少気味でもテレビの絶対額は1210億円と大きい


今回も該当月(2013年5月分)における各区分の具体的売上高を呈示する。広告代理店業務を営む企業は、最大手の電通と博報堂のみだけではなく、さらには各広告種類の区分が統一されていないため、当サイトで月次更新している「電通と博報堂の-」との額面の一致・類似性は無い。今調査内のみにおける月単位での比較用の参考値として見てほしい。


↑ 4大既存メディアとインターネット広告の広告費(2013年5月、億円)

金額面では「インターネット広告」が「新聞」の額を抜く月が継続中。今記事で抽出している主要5項目では「テレビ」に続き第二位の地位を固定化している。今月は約30億円もの差をつけた。【新聞広告とインターネット広告の「金額」推移をグラフ化してみる(2012年7月まで対応版)】では順位変動を繰り返しながらも次第にインターネットの優位性が明確化しつつあることを示したが、もう間もなくこの順位が固定化するのかもしれない。

一方で「インターネット広告」は他のメディアと比べて額面上の起伏が大きい。見方を変えればそれだけ柔軟性・機動力に富んだ展開が可能な広告媒体ともいえる。


↑ インターネット広告費推移(単位:億円)(2010年1月-2013年5月)

後述するが今後しばらくは「インターネット広告」で大きな動きが生じる可能性もある。

次のグラフは公開されているデータの中期的推移。今調査でインターネット広告の金額が掲載されたのは2007年1月以降なので、それ以降に限定した流れを追っている。


↑ 月次における4大既存メディアとインターネット広告の広告費前年比推移(2013年5月分まで)

「インターネットは2009年前半に一時的な落ち込みを示すがその後に回復、概してプラス圏」「テレビは2010年から回復」「ラジオはマイナス圏が定番」「雑誌はリーマンショック(2008年秋)で主要項目中一番大きな痛手を受け、震災でも大きな打撃。その後もかなり厳しい」。概況としてはこのような形か。

また今グラフ期間中には2007年夏の金融危機ぼっ発、2008年秋のリーマンショック、2011年3月の東日本大地震・震災と、3つの出来事が発生し、各値を押し下げている。一方で下がり方やその後の回復ぶりは項目によって多種多様であり、個々の広告の柔軟性の違いも見える。中でも2つの紙媒体「新聞」「雑誌」は相当辛そうだ。



需要供給の変化や技術の革新で、広告業界にも大きな変化が訪れている。金融危機や震災でそれらは加速する場面もあれば、むしろ足踏み・後退してしまった分野もある(例えばデジタルサイネージ)。紆余曲折を繰り返しながら、個々の広告媒体はパワーバランス、シェアを少しずつ変化している、させられている感は強い。今後もこの流れは継続し、各項目の優位性・足踏みの状況はさらに顕著化していくに違いない。

今後直近の注目点といえば、7月21日の参議院選挙。日本では初となるインターネット上の選挙活動が解禁されたため、各関係者とも右往左往しながらインターネットへ注力しているようすがうかがえる。元々選挙が近くなると各広告業も盛況化するものだが、今回はインターネット関連でどのような動きを示すこととなるのか。電通・博報堂の公開値と共に、来月以降の動向に注目したいところだ。

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