「しばらくは株価の大きな変動はないのでは」との予見増加(2013年7月個人投資家動向)

2013/07/12 09:45

野村ホールディングス(8604)のグループ会社である野村證券の一部門、投資調査部は2013年7月11日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査内容と結果に関する分析報告レポート「ノムラ個人投資家サーベイ」の最新版を発表した(【野村證券リリース一覧ページ】)。今後3か月後の株価見通しを尋ねた「ノムラ個人市場観指数」は小幅ながらも前回から続く形で下落している。また株価の先行きに対しては「小幅な上昇」「小幅な下落」を見込む意見が増えた一方、他の項目は減少し、今後株価が大きく動く見通しそのものが後退、しばらく「凪」のような状態が続くと考える投資家が増えたように見える。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2013年7月1日から7月2日に行われたもので、男女比は80.5対19.5。年齢層は50代がもっとも多く29.5%、次いで40代が27.7%、60代以上が26.9%など。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く29.8%、500万円-1000万円が19.0%、100万円-300万円未満が12.6%と続いている。回答者の投資経験年数は5年-10年未満以上がもっとも多く30.1%を占めている。次いで10年-20年未満が28.2%、20年以上が24.8%。

投資に対し重要視する点は、概ね長期投資が最大値で44.0%と半数近くに達している。ついで配当や株主優待が23.9%と約1/4を占めており、売買による売却益よりは、配当収入や優待確保などのような中長期的な安定感を求めている投資スタンスが大部分となっている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・投資指数は46.8ポイント。前回からは1.4ポイントと小幅の下落。6月下旬まで中国市場の動向を受けて株価は下落を続けており、6月末あたりからようやく回復基調を見せつつあったものの、回答時には疑心暗鬼に陥っている投資家が多かったようだ。

3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で73.4%となり、0.7%ポイントの低下。「1000円以上の上昇」を見込む意見がもっとも大きく増加した他、「1000円程度の下落」も大きく上昇。それ以外の項目はすべて前月比で下落しており、株価の大きな変動が見こせないとの考えが支配的となっている。

・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」が3か月ぶりにトップ。そして「国内政治情勢」が第二位についたが、上昇幅もかなりの大きさを占めている。前回トップの「為替動向」は第三位にまで後退。

・魅力的な業種は「自動車」「医薬品」「金融」「資本財・その他」の順。「通信」「素材」「消費」「電気機器・精密機器」「運輸・公共」はマイナス。先月と大きな違いは無いが、「金融」がやや大きめのプラス、「運輸・公共」が大きめのマイナスを示しているのが気になる。

・ドル円相場は前回より「円高ドル安に振れる」との考えが先月より上昇。円安観測回答はマイナス15%ポイントと先月から大幅に減少した。

・通貨への投資魅力は「日本円」に対するものがもっとも強く、「アメリカドル」を抜いてトップになった。一方で「中国元」は下落を続け、過去最低値を記録。また「ブラジルレアル」は調査開始以来初めてDI値がマイナスに転じた。

・もっとも注目を集めた金融商品は「預貯金」。次いで「国内株式」「国内投資信託」。リスク資産への注目が高まる。
気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」では、今月も先月に続きトヨタ自動車(7203)がトップの座を確保。第二位の銘柄に対し4倍以上もの得票差をつけており、まさに「断トツ」状態。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンク(9984)
3位……武田薬品工業(4502)
4位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
5位……オリエンタルランド(4661)
質問文言から察するに、多分に投資魅力の高い銘柄をも意味する人気投票の結果ともいえる。今回も前月からほとんど変わりが無く、見方を変えればそれだけこれらの銘柄が安定的な堅調さ、将来性を示していることになる。



今回調査は先月に続き、アメリカの「出口政策」や中国の経済状態の不安さから生じた軟調さが続いていた中で行われている。調査当日は株価動向も戻しを見せ始めていたものの、単なるリバウンドで再び下げるのではないかとの考えが、投資家の間では支配的だったようだ。

現時点では比較的相場は安定しているものの、6月までの軟調さをもたらした要因が解決したわけでは無く、関係者の発言や各種指標の動きも二転三転し、相場そのものが神経過敏状態にあるともいえる。そして別所のアンケートによれば、株価の乱高下や為替の変動の大きさにストレスを覚えている人も少なくない(「景気ウオッチャー」でも昨今の変動の大きさに不安さを覚える発言が見受けられる)。

少なくとも日本での参議院選挙を経て、夏が終わる位までは、似たような動きが続くと見た方が良さそうだ。


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【定期更新記事:ノムラ個人投資家サーベイ(野村證券投資調査部発表)】(過去記事一覧まとめ)

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