吉野家の客数大幅による独り勝ち状態続く…牛丼御三家売上:2013年6月分

2013/07/08 08:45

吉野家ホールディングスは2013年7月5日、同社子会社の牛丼チェーン店吉野家での2013年6月の売上高などの営業成績を発表した。それによると既存店ベースでの売上高は前年同月比でプラス10.8%となった。牛丼御三家と呼ばれる主力牛丼企業のうち松屋フーズ運営の牛飯・カレー・定食店「松屋」の同年6月における売上前年同月比はマイナス5.5%、ゼンショー展開の郊外型ファミリー牛丼店「すき家」はマイナス7.1%との値が発表されている(いずれも前年同月・既存店ベース)(【吉野家月次発表ページ】)。

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↑ 牛丼御三家2013年6月営業成績(既存店)(前年同月比)

吉野家にスポットライトをあて、昨年同月の営業成績と比較すると、一年前における客単価前年比はプラス3.9%。今月はそこから転じて9.2%の下落をしている。非常に大きな下落幅だが、これはひとえに主力商品の牛丼を値下げした影響(【吉野家が牛丼を280円に値下げ・牛丼御三家横並び状態に】)。御三家の中では先月に続き客単価項目では最大の下げ幅を示し、大いに目立つ形となった。しかしその分、集客効果も抜群で、客数は前年同月比で22.0%と2ケタ台のプラス。これは前々年同月比でも17.5%のプラスとなり、売上高にも多大な貢献をもたらすこととなる。


↑ 牛丼御三家2013年6月営業成績(既存店)(前々年同月比)

松屋は今回月では、「夏野菜のトマトカレー」「夏野菜とチーズのトマトカレー」「トッピング牛めし」など、先月から続き高単価となる新商品を続々投入。しかしながら実際の客単価は前年とほぼ変わらずとなり、少なくとも数字の上では成果が出ない形となった。そして客数の下げ幅がほぼそのまま売上減につながってしまう。

すき家では該当月に新商品の展開など大きな動きは無かったものの、前月末のうなぎ関連商品の投入による客単価底上げが期待できた。結果として御三家ではもっとも客単価の下げ幅を抑えることとなったが、その分客数の下げは最大のものとなり、売り上げも御三家中ではもっとも大きなマイナスとなる。


↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2013年6月)

前年同月、前々年同月のグラフを見比べるとお分かりの通り、ここ一年以上続いている松屋・すき家での客数減少は、前年同月の盛況ぶりの反動ではなく、客離れが中期的に起きていることが確認できる。特にすき家では客単価もここ数か月は思わしくなく、それが売上の不調ぶりの原因となっている。

両社、特に松屋ではメニューのバラエティさをアピールすると共に、単価の高めな商品を続々投入し、客単価の引き上げを模索している。しかし効果は思わしいものでは無く、客数の減少ぶりも継続し、状況が改善されない期間が続いている。

吉野家の突出続く客数動向


来場客減少が売り上げの低迷の主要因となっているのは明らかで、松屋は15か月、すき家は19か月、客数の前年同月比マイナスが継続している。他方吉野家は先月から続き3か月連続して来店者数をプラス化しており、主力商品の牛丼への「値下げ」が功を奏している。


↑ 牛丼御三家客数推移(既存店)(前年同月比)(2011年1月-2013年6月)

このグラフの限り、顕著な減少は2011年夏から起きている。このことから、客数減少は震災も起因の一つと考えてもよさそう。しかし震災の直接影響が時間の流れと共に薄らいでいくにも関わらず、状況が継続している現状を見るに、むしろそれをきっかけとして、世間一般の「牛丼離れ」、消費全体の性向そのものに変化が生じている可能性がある。他のファストフード業界も多くで似たような状況にあることから、【コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる(2012年12月分まで反映)】で指摘した、コンビニの日配食品が競合相手となり、シェアの奪い合いとなっているかもしれない。

客数の増加で唯一勢いをつける吉野家だが、今件はあくまでも客数・客単価・売上の動向であり、そこから得られる利益までは分からない。これは四半期決算短信を通して推測するしかないが、果たして同社の値下げ戦略が売上や客数だけでなく、利益にもつながっているのか否か。気になるところではある。


■関連記事:
【牛丼御三家の店舗数推移などをグラフ化してみる(2012年8月分まで対応版)】

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