全体でもスマホがトップ、PCの順位逆転は70代に入ってから…ソーシャルメディア利用時の端末動向(2016年)(最新)

2016/10/25 05:08

日本における昨今のインターネット界隈の変化ぶりを象徴する事象を挙げる際には、スマートフォンの普及率向上とソーシャルメディアの浸透、この2つを欠かすわけにはいかない。そして両者は非常に相性が良く、片方の普及がもう片方に大きな影響を与えている、深い連動性があることでも知られている。それでは実際問題として、ソーシャルメディアを利用している人はどのような端末を使っているのだろうか。総務省が2016年8月18日に詳細を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、現状を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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60代・70代がパソコンとスマホの境目


今調査の調査要項は先行する解説記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。また今件で対象となる「ソーシャルメディア」だが、今調査においては補足で「インターネット上の交流を通して社会的ネットワーク(ソーシャルネットワーク)を構築するサービスのことである。Facebook やTwitter、LINE などが代表的」との説明がされており、「LINE」などのようなチャット系コミュニケーションサービスもソーシャルメディアとして該当する仕切り分けとなっている(世間一般の認識に従ったのだろう)。他方、広義では同一分野として分類される掲示板や動画投稿サイト、ブログは(他選択として別途用意されていることもあり)該当しない。

また、少々ややこしい話になるが、以前【利用端末別ソーシャルメディア利用率動向】で解説した値は、「各端末利用者」におけるソーシャルメディア利用率。今回は、「ソーシャルメディア利用者」における端末種類利用率であり、視点・切り口は別個のもの。

まずソーシャルメディアの利用率そのものだが、インターネット利用者のうち、全体では大体5割近く。20代では7割を超え、60代に至るまで緩やかな減少傾向を示す。ただし60代以降でもインターネット利用者の2割前後はソーシャルメディアをたしなんでいる。

↑ ソーシャルメディア利用率(2015年末)(年齢階層別)(インターネット利用者対象)
↑ ソーシャルメディア利用率(2015年末)(年齢階層別)(インターネット利用者対象)

これら「ソーシャルメディアの使い手」の人達がアクセスをする際に、どのような端末を使っているのかを示したのが次のグラフ。複数回答であり、例えば「メインはPC(パソコン)だが外出時はスマートフォン」「Facebookはタブレット型端末、LINEはスマートフォンで」といった事例もある。その時はそれぞれ別個の端末を答えているため、4区分の合計が100%を超えている。

↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2015年末)(年齢階層別)(ソーシャルメディア利用者限定)
↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(2015年末)(年齢階層別)(ソーシャルメディア利用者限定)

個々の利用端末を使える環境下に無ければ、その端末を使ってのアクセスは当然不可能。従って各世代別の利用率、それぞれの端末の相対率は、個々の端末の「保有・利用率」に近い形となる。

直近2015年の端末毎の動向としては、全体でパソコンが1/4強なのに対しスマートフォンが9割近くと、3倍以上の差をつけて利用率が高い状態となっている。これはスマートフォンの画面の広さ、機動力の高さ、使いやすいアプリの浸透など、多様な好条件がそろった結果といえる。詳しくは後述するが、今調査では「家庭内からソーシャルメディアを利用する際の『主な端末』」も聞いており、この設問でもスマートフォンが一番となっている。

スマートフォンの優位性は60代まで続き、70代になってようやくパソコンとポジションが入れ替わる。この経年による利用率の変化は、端末保有率、インターネットのアクセス窓口としての利用率とほぼ一致している。

かつてソーシャルメディア利用時の主流だった従来型携帯電話(今件選択肢では「従来型携帯電話等」)は1割足らずに留まっている。ただし60代以降、スマートフォンの利用率が下がるにつれて値を伸ばし、最大3割強の利用率を示すことになる。シニア層においては携帯電話としてだけでなく、インターネットの窓口としても従来型携帯電話は主流であり、それはソーシャルメディアにおいても変わらない。

最後にタブレット型端末。これは利用率が低めだが、本体そのものの普及率の低さが原因。ただし6-12歳においてはきわめて高く、パソコンすら超えて32.1%との高い値をはじき出している。これは前述の通り、保護者が玩具や教育器材として子供にタブレット型端末を与えているのが原因。

もっともよく使うのは!?


上記グラフは「使っている端末」であり、複数回答。そこでもっともよく使う端末を1つ選んでもらった結果が次のグラフ。

↑ ソーシャルメディア利用時に最もよく使う端末(2015年末)(年齢階層別)(ソーシャルメディア利用者限定)
↑ ソーシャルメディア利用時に最もよく使う端末(2015年末)(年齢階層別)(ソーシャルメディア利用者限定)

複数回答ではパソコンの利用性向もそこそこ高い値を示していたが、択一、つまり優先順位の高いものでの選択となると、スマートフォンが圧倒的な値を示す。全体では7割がスマホ、パソコンは2割強でしかない。

6-12歳の11.2%の「その他」は実質的に家庭用ゲーム機と見ていいだろう。それと共に、29.1%のタブレット型端末の回答も注目に値する。それ以降はスマートフォンが圧倒的で60代前半までは最大利用端末となる。この傾向は複数回答のものとほぼ同じ。

興味深いのは60代以降。パソコンが有利になることに違いはないが、同時に従来型携帯電話の利用がもっとも多いとの回答が増加している。元々これらの端末を使っていたので継続利用している、あるいは使いやすいから、いずれの理由かまでは分からないが、高齢者において「使いやすい端末」とは何なのか、色々と考えさせられる値ではある。



今後スマートフォンとタブレット型端末そのものの利用率は、さらに上昇することが予想される。それと共に「ソーシャルメディアへのアクセスはスマートフォン、タブレット型端末で」の利用スタイルを取る人は、ますます増加することになる。今件調査項目でも、単純利用率、もっともよく使う端末としての利用率共に、スマートフォンやタブレット型端末は大きく値を上乗せするだろう。

官公庁はおろか地域のイメージキャラクターですら各ソーシャルメディアのアカウントを保有し、公的情報を配信する中で、今後利用端末の種類はどのような変化をとげていくのか。来年以降の成り様が早く見たいものである。


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