全体ではスマホがトップ、パソコンとの順位逆転は70代後半に入ってから…ソーシャルメディア利用時の端末動向(最新)

2018/06/15 04:56

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2018-0612日本における昨今のインターネット界隈の変化ぶりを象徴する事象を挙げる際には、スマートフォンの普及率向上とソーシャルメディアの浸透、この2つを欠かすわけにはいかない。そして両者は非常に相性がよく、片方の普及がもう片方に大きな影響を与えている、深い連動性があることでも知られている。それでは実際問題として、ソーシャルメディアを利用している人はどのような端末を使っているのだろうか。総務省が2018年5月25日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、現状を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。


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70代前半まではすべてスマートフォンが上


今調査の調査要項は先行する解説記事【自宅パソコンのインターネット接続回線の種類】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。また今件で対象となる「ソーシャルメディア」だが、今調査においては補足で「インターネット上の交流を通して社会的ネットワーク(ソーシャルネットワーク)を構築するサービスのことである。Facebook やTwitter、LINE などが代表的」との説明がされており、「LINE」などのようなチャット系コミュニケーションサービスもソーシャルメディアとして該当する仕切り分けとなっている(世間一般の認識に従ったのだろう)。他方、広義では同一分野として分類される掲示板や動画投稿サイト、ブログは(他選択として別途用意されていることもあり)該当しない。

また、少々ややこしい話になるが、以前【利用端末別ソーシャルメディア利用率動向】で解説した値は、「各端末利用者」におけるソーシャルメディア利用率。今回は、「ソーシャルメディア利用者」における端末種類利用率であり、視点・切り口は別もの。

まずソーシャルメディアの利用率そのものだが、インターネット利用者のうち、全体では大体5割。20代では7割を超え、30代以降は緩やかな減少傾向を示す。ただし70代以降でもインターネット利用者の1割強はソーシャルメディアをたしなんでいる。

↑ ソーシャルメディア利用率(インターネット利用者限定、年齢階層別)(2017年)
↑ ソーシャルメディア利用率(インターネット利用者限定、年齢階層別)(2017年)

これら「ソーシャルメディアの使い手」の人達がアクセスをする際に、どのような端末を使っているのかを示したのが次のグラフ。複数回答であり、例えば「メインはパソコンだが外出時はスマートフォン」「Facebookはタブレット型端末、LINEはスマートフォンで」といった事例もありうる。その時はそれぞれ別個の端末を答えているため、4区分の合計が100%を超えている。

↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答、年齢階層別)(2017年)
↑ ソーシャルメディア利用時の利用端末(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答、年齢階層別)(2017年)

個々の利用端末を使える環境下に無ければ、その端末を使ってのアクセスは当然不可能。従って各年齢階層別の利用率、それぞれの端末の相対率は、個々の端末の「保有・利用率」に近い形となる。

直近2017年の端末毎の動向としては、全体でパソコンが1/4強なのに対しスマートフォンが9割強と、3倍以上の差をつけて利用率が高い状態となっている。これはスマートフォンの画面の広さ、機動力の高さ、使いやすいアプリの浸透など、多様な好条件がそろった結果といえる。

スマートフォンの優位性は70代前半まで続き、70代後半になってようやくパソコンとポジションが入れ替わる。この年齢による利用率の変化は、端末保有率、インターネットのアクセス窓口としての利用率とほぼ一致している。

かつてソーシャルメディア利用時の主流だった従来型携帯電話は全体でも3.0%に留まっている。ただし60代後半以降、スマートフォンの利用率が下がるにつれて値を伸ばし、最大1/4強の利用率を示すことになる。シニア層においては通話用の道具としてだけで無く、インターネットの窓口としても従来型携帯電話は大きな役割を持つ立ち位置にあり、それはソーシャルメディアにおいても変わらない。

最後にタブレット型端末。これは利用率が低めだが、本体そのものの普及率の低さが原因。ただし6-12歳においてはきわめて高く、パソコンすら超えて33.9%との高い値をはじき出している。これは前述の通り、保護者が玩具や教育器材として子供にタブレット型端末を与えているのが原因。



今後スマートフォンとタブレット型端末そのものの利用率は、さらに上昇することが予想される。それとともに「ソーシャルメディアへのアクセスはスマートフォン、タブレット型端末で」の利用スタイルを取る人は、ますます増加することになる。今件調査項目でも、スマートフォンやタブレット型端末は大きく値を上乗せするだろう。

官公庁はおろか地域のイメージキャラクターですら各ソーシャルメディアのアカウントを保有し、公的情報を配信する中で、今後利用端末の種類はどのような変化をとげていくのか。来年以降の動向が早く見たいものである。


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