全体では76.0%、20代世帯では1割強のみ…固定電話の保有状況(2016年)(最新)

2016/10/25 05:05

携帯電話の高性能化と普及が進むに連れ、少なくとも一般の世帯において電話の利用スタイルは世帯単位から個人単位へと変わり、固定電話の必要性はこれまでに無いほど減少している。若年層では実家を離れ一人暮らし・独立世帯化する際に、固定電話の契約をしない事例も増えている。それでは現状として、固定電話はどの程度浸透を維持しているのか。総務省が2016年8月18日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、日本における世帯ベースでの固定電話の保有状況を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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全体で8割を切る、20代では1割強に


今調査の調査要項は先行記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で行っている。必要な場合はそちらを参考のこと。

【電話加入者数の推移をグラフ化してみる】などでも解説している通り、携帯電話の普及と共に、固定電話の加入者数や契約者数は漸次減少している。この傾向は変わるところがなく、むしろ加速化している感すらある。

↑ IP電話利用数・固定電話加入者数・携帯電話加入者数の推移(万件、万契約)(-2015年度末)(積上げ)(再録)
↑ IP電話利用数・固定電話加入者数・携帯電話加入者数の推移(万件、万契約)(-2015年度末)(積上げ)

今調査母体では世帯全体の普及率は76.0%。前年2014年末時点の値76.2%からは0.2%ポイント減少している。全世帯のうち1/4近くは「固定電話なし」。

↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、2015年末)(世帯主年齢別)
↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、2015年末)(世帯主年齢別)

特に20代から30代の若年層世帯主での世帯において、低い比率なのが目に留まる。無論これらの層で「電話離れ」が進んでいるのではなく、「固定電話離れ」が加速しているだけであることに注意が必要。携帯電話があれば、固定電話の必要性はグンと低くなる。さらに個人主義・個別主義が浸透する昨今では、世帯ベースの電話連絡先の必然性が低くなっている。そして世帯人数の減少、一人身世帯の増加もそれに拍車をかけている。

この流れはアメリカ合衆国でも同様。【米電話普及率推移】によれば、2015年下半期時点で固定電話が無く携帯電話のみの世帯は、全体の47.7%にまで達しているとの結果が出ている。

↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境主要選択肢回答率(米、大人(18歳以上)による回答)(-2015年下半期)(再録)
↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境主要選択肢回答率(米、大人(18歳以上)による回答)(-2015年下半期)(再録)

そう遠くないうちに、日本も同じ状況に至るのは容易に想像ができる。もっともその時には、アメリカ合衆国はさらに固定電話離れが進んでいることになる。

属性別に固定電話の保有状況を確認


固定電話の保有状況を世帯構成と世帯年収別に見たのが次のグラフ。

↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、2015年末)(諸属性区分別)
↑ 固定電話の保有状況(世帯単位、2015年末)(諸属性区分別)

高齢者が居る世帯では高く、若年層のみで構成された世帯は低い値を示している(大人3人以上の場合は若夫婦+高齢層の構成であることは容易に想像ができる)。また、世帯年収別では高年収ほど高い傾向を示しているが、これは単純に「高年収ほど固定電話が必要」ではなく、「高年収世帯は世帯主の年齢が高め」「世帯主の年齢が高い世帯ほど、固定電話の需要が大きい」「よって高年収世帯ほど固定電話が良く使われている」といった、三段論法的な事由によるものと考えられる。



スマートフォンを含めた携帯電話も、使わずにホルダーに固定するなり、充電している限りにおいては、固定電話とほぼ同じ利用スタイルとなる。その視点で考えると、携帯電話を多用しているのなら、固定電話は特に要らないのではないかとする考えが、誰もが頭に浮かぶはず。

かつては各種契約時・登録時に固定電話番号を求め、携帯電話番号では不可とする事例もあった。しかし昨今では固定電話を所有しない世帯が増加している状況を考慮し、携帯電話の番号でも良しとする場合が増えている。

業務用としての必要性も合わせ、固定電話が無くなることはないだろう。しかし一般向けとしての普及率の低下、携帯電話への置き換えの動きは、今後さらに進むことは間違いあるまい。


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