70代まではスマホがトップでパソコン超え、60代前半では72.2%が利用…高齢者のネットアクセス機器動向(最新)

2021/07/12 03:41

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2021-0703団塊世代が定年退職を迎え、人口構成比率上でもさらに高齢層の割合が増加し、社会の高齢化が進む中で、高齢層のインターネット利用状況に注目が集まりつつある。就業時と比べて多くプライベートの時間を取れるメリットがある一方、新しい技術には奥手、腰が引ける傾向がしばしば見受けられること、さらには身体的な老化に伴い操作に難儀する事例もあることなど、年齢階層間ギャップの原因となる点も指摘されている。今回は総務省が2021年6月18日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、「高齢者のインターネットアクセス機器」を介して、インターネットの利用状況を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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今やシニアでもメインはスマホ。70代以上でようやくパソコン


今調査の調査要項は先行する記事【自宅パソコンのインターネット接続回線の種類】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。

先行記事【全年齢階層で携帯>パソコンの時代…インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(最新)】でも解説しているが、パソコンでインターネットを利用している人は50.2%、携帯電話(従来型携帯電話とPHS、スマートフォン)でインターネットへのアクセスをしている人は73.4%に達している。

↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコンと携帯電話、年齢階層別)(2020年)(再録)
↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコンと携帯電話、年齢階層別)(2020年)(再録)

↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコン以外、年齢階層別)(2020年)(再録)
↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコン以外、年齢階層別)(2020年)(再録)

高齢層においては中年層までと比べて従来型携帯電話によるインターネットの利用が多く、インターネットの利用をけん引している一面がある。そこで60歳以上に限定して年齢区分を細分化し、「携帯電話」を「従来型携帯電話(フィーチャーフォン)とPHS」と「スマートフォン」に分割し、上記のグラフを再構築したのが次の図。

↑ インターネット機器利用率(年齢階層別(一部))(2020年)
↑ インターネット機器利用率(年齢階層別(一部))(2020年)

75-79歳まではスマートフォンの方が上になっているが、80歳以上ではパソコン経由の利用がトップ。パソコンの利用率が高いのは、現役世代の時に使っていた端末を利用し続けている、技術が流用できるのに加え、大きな画面で操作できるため視力が落ちても安心して使えるからだと考えられる。入力時に小さなタッチパネルを使わなくても済むのもメリットに違いない。

6歳以上全体ではスマートフォンによるインターネット利用者は68.2%だが、65-69歳では57.5%と全体よりも下、そして70-74歳では43.7%と半数を割り込む。また従来型携帯電話(・PHS)の利用率はそれなりに高く、60-79歳では全体の10.1%よりも高い値を示している。これは「今まで使っていた従来型携帯をそのまま利用し続けている」「スマートフォンへ買い替えをすることにより、多くの新しい操作を覚えるのは面倒」「メールや簡単なソーシャルメディアへのアクセスができれば十分」など、高齢者の利用実情が理由であると考えられる。

「メールや簡単なソーシャルメディアへのアクセスのみで十分ならば、どのみちすべての機能が使える、新型のスマートフォンを従来型携帯電話から買い替えても、特に弊害は無いのでは」との意見もあるだろう。スマートフォンでもそれらのサービスは十分以上に利用できる。しかしスマートフォンは従来型携帯電話と比べて多機能=覚えねばならないことが多い。その上、タッチパネル製品が使いにくい(【タッチパネル製品保有の世帯は8割強、携帯ゲーム機5割・カーナビ1/3】でも指摘しているように、高齢者は指先が乾燥気味で反応しにくい)など、高齢層ならではの問題点が、スマートフォンを忌避する理由として挙げられる。さらに豊富な機能を使わなくても料金体系の上で、スマートフォンは従来型携帯電話と比べて割高になるのも、高齢層でスマートフォンが敬遠される一因でもある。

もっとも昨今ではいわゆる「格安スマホ」の展開により、料金面でのスマートフォンのハードルは以前よりも低くなりつつある。ただしその分、利用時のハードルが高く、その点で高齢層は単純なスマートフォンよりも難儀するかもしれない。

前回年からの変化の中身


次に示すのは前回年2019年の状態との差を算出したものだが、高齢層におけるインターネット事情の変化がすけてみえる内容となっている。

↑ インターネット機器利用率(前年比、年齢階層別(一部)、ppt)(2020年)
↑ インターネット機器利用率(前年比、年齢階層別(一部)、ppt)(2020年)

スマートフォンの増え方が著しい。特に70-74歳では1割強も増えている。他方従来型携帯電話はほとんどの年齢階層で減っており、携帯電話における世代交代は高齢者においても生じていることがうかがえる。

またスマートフォンの増え方に隠れる形となっているが、テレビも注目に値する。特に60-64歳では3.5%ポイントも増えている。インターネット接続機能付テレビに買い替えをして、せっかくだからと使い始めたのだろうか。

上記で触れたタッチパネル関連の問題について技術的な解決報道はまだ見聞きしていない。一方、料金体型とスマートフォンとの関係については、先行記事でも触れている通り、「使い勝手や外観は従来型」「OSなどはスマートフォン」「料金体系は従来型かそれに近い」様式を有する、ガラホという種類の端末が登場し、普及が始まっている。さらに上記で言及の通り、格安スマホも大いに注目され、急速に利用者が増えている。今調査でどのような取り扱いとなるかは現時点では不明だが(回答者の認識としては、ガラホは従来型携帯電話、格安スマホはスマートフォンに属することになる)、高齢者におけるインターネット利用事情にも、少なからぬ影響を及ぼしそうではある。


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