スマートフォンとタブレット型端末が大いに増加中…高齢者のネットアクセス機器動向(最新)

2018/06/14 05:12

2018-0611団塊世代が定年退職を迎え、人口構成比率上でもさらに高齢層の割合が増加し、高齢化社会が進む中で、高齢層のインターネット利用状況に注目が集まりつつある。就業時と比べて多分にプライベートの時間を取れるメリットがある一方、新しい技術には奥手、腰が引ける傾向がしばしば見受けられること、さらには身体的な老化に伴い操作に難儀する事例もあることなど、年齢階層間ギャップの原因となる点も指摘されている。今回は総務省が2018年5月25日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、「高齢者のインターネットアクセス機器」を介して、インターネットの利用状況を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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パソコンがメインだが従来型携帯電話も結構活躍のシニアアクセス


今調査の調査要項は先行する記事【自宅パソコンのインターネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。

先行記事【インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率をグラフ化してみる】でも解説しているが、パソコンでインターネットを利用している人は48.7%、携帯電話(従来型携帯電話とPHS、スマートフォン)でインターネットへのアクセスをしている人は62.6%に達している。

↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコンと携帯電話、年齢階層別)(2017年)(再録)
↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコンと携帯電話、年齢階層別)(2017年)(再録)

↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコン以外、年齢階層別)(2017年)(再録)
↑ インターネット機器としての個人の機器利用率(全体比、パソコン以外、年齢階層別)(2017年)(再録)

シニア層においては中年層までと比べて従来型携帯電話によるインターネットの利用が多く、インターネットの利用をけん引している一面がある。そこで60歳以上に限定して年齢区分を細分化し、「携帯電話」を「従来型携帯電話(フィーチャーフォン)とPHS」と「スマートフォン」に分割し、上記のグラフを再構築したのが次の図。

↑ インターネット機器利用率(年齢階層別(一部))(2017年)
↑ インターネット機器利用率(年齢階層別(一部))(2017年)

全体では54.2%と半数を超えている、スマートフォンによるインターネット利用者。60代前半では全体値との差は10%ポイント程度だが、60代後半以降はさらに差が開いていく。そしてパソコン経由の利用が60代以上のすべての年齢階層でトップではあるが、従来型携帯電話の利用率もそれなりに高い。70代後半以降は従来型携帯電話がスマートフォンを抜いている。

これは「今まで使っていた従来型携帯をそのまま愛用し続けている」「スマートフォンへ買い替えをすることにより、多くの新しい操作を覚えるのは面倒」「メールや簡単なソーシャルメディアへのアクセスができれば十分」など、シニア側の利用実状が理由であると考えられる。

「それらの機能のみで十分ならば、どのみちすべての機能が使える、新型のスマートフォンでも特に弊害は無いではないか」との意見もあるだろう。しかしスマートフォンは従来型携帯電話と比べて多機能=覚えねばならないことが多い。その上【タッチパネル製品保有の世帯は8割強、携帯ゲーム機5割・カーナビ1/3】でも指摘している「タッチパネル製品が使いにくい」など、シニア層ならではの問題点が理由として挙げられる(無論スマートフォンの普及がこの数年の間の出来事なので、「昔から愛用」の事例はごく少数のものとなる)。さらにいえば機能を使わなくても料金体系の上で、スマートフォンは従来型携帯電話と比べて割高になるのも、シニア層でスマートフォンが敬遠される一因でもある。

もっとも昨今ではいわゆる「格安スマホ」の展開により、料金面でのスマートフォンのハードルは以前よりも低くなりつつある。ただしその分、利用時のハードルが高く、その点で高齢層は単純なスマートフォンよりも難儀するかもしれない。

前回年からの変化の中身


直近分の調査結果となる2017年においても、パソコンと並び従来型携帯電話が、シニア層にとって重要なインターネットへの窓口であることに違いは無い。しかし少しずつ情勢は変化を迎えている。次に示すのは前回年2016年の状態との差を算出したものだが、高齢層におけるインターネット事情の変化がすけてみえる内容となっている。

↑ インターネット機器利用率(前年比、年齢階層別(一部)、ppt)(2017年)
↑ インターネット機器利用率(前年比、年齢階層別(一部)、ppt)(2017年)

今調査のこれまでの記事でも言及しているが、直近2017年の結果は複数の設問でイレギュラー的な数字の減少が生じている。調査票の変更などは見られないので統計上のぶれの可能性が高いが、ある程度のぶれを前提とした上で見る必要がある。

その点を考慮しても、高齢層においてパソコンや従来型携帯電話の利用率が減り、スマートフォンやタブレット型端末の利用率が増加しているのが確認できる。特に60代のスマートフォンの利用率の増加ぶりは注目に値する。

インターネット接続型テレビの利用率は一部の年齢階層で増加中。テレビ画面の大きさに操作のしやすさを見出したのだろうか。

上記で触れたタッチパネル関連の問題について技術的な解決報道はまだ見聞きしていない。一方、料金体型とスマートフォンとの関係については、先行記事でも触れている通り、「使い勝手や外観は従来型」「OSなどはスマートフォン」「料金体系は従来型かそれに近い」様式を有する、ガラホという種類の端末が登場し、普及が始まっている。さらに上記で言及の通り、格安スマホも大いに注目され、急速に利用者が増えている。今調査でどのような取り扱いがなされるかは現時点では不明だが(回答者の認識としては、ガラホは従来型携帯電話、格安スマホはスマートフォンに属することになる)、高齢者におけるインターネット利用事情にも、少なからぬ影響を及ぼしそうではある。


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