総計35.6万台、小中型もそろそろ戻しを見せ始める状況に(薄型テレビ出荷動向:2013年5月分)

2013/06/24 07:55

2013年6月2日に電子情報技術産業協会(JEITA)は同協会公式サイトで、【民生用電子機器国内出荷統計】における最新値、2013年5月分のデータを開示した。その公開値によると2013年5月の薄型テレビの出荷台数は35.6万台となり、前月比ではマイナス7.8%、前年同月比ではマイナス13.0%という結果になった。各サイズの薄型テレビ共に少しずつではあるが、低迷期を脱する気配を見せ始めている。

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純粋出荷数と前月・前年同月比


データ取得元の詳細やデータ内容に関する諸注意、「出荷数」の定義などは一連の記事のまとめページ【定期更新記事:薄型テレビなどの出荷動向(電子情報技術産業協会(JEITA))】で確認のこと。

まず最初に算出するのは、純粋な出荷台数。直近2013年5月分の出荷台数、それに加えて公開値を基に前月比・前年同月比を算出し、グラフ化する。テレビは季節変動が大きいため、前年同月比の方が的確に出荷すう勢を推し量りやすい。


↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(万台)(2013年5月分、JEITA発表)


↑ 薄型テレビ・BD国内出荷実績(前月比・前年同月比)(2013年5月分、JEITA発表)

2013年5月における薄型テレビの日本国内出荷台数は35.6万台。ゴールデンウィークなどで新規にテレビを購入する機会はあったはずだが、年度替わりによる引っ越し特需からの反動はまだ続いているようだ。季節変動を考慮しなくても済む前年同月比でも、マイナス1割を超える値。ただし昨月の2割超えのマイナスと比べると、やや大人しめ。

それでも全サイズで1割超のマイナスには違いないが、これは2011年7月のアナログ波停波に伴う「特需」の反動が主要因。元々テレビの買い替えは1、2年単位のものではないのだが、その需要を先取りしたため、ほぼ2年が経過した今でもなお、反動が(勢いは衰えつつあるものの)続いている次第。

台数そのものと前年同月比の変化で状況を確認


【カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる(2013年分対応版)】で解説している通り、テレビは8-10年単位で買い替えが行われる(直近では7.9年という値が出ている)。1年や2年で「特需」の反動が収まるとは考えにくい。

次のグラフは出荷台数そのものと、その台数の前年同月比を算出したものだが、「停波前特需、特に年末・年度末」「停波直前特需」「停波後の年の年末に購入」の3つの山、それ以降は一様にして軟調な動きで推移している状況が確認できる。


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、万台)(-2013年5月)


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(型別、前年同月比)(-2013年5月)

グラフ中にも吹き出しで記した「アナログ波停止」までは小型(青線)-中型(赤線)が売れていた。特に停波まで一年を切った2010年末から、その傾向が強くなる。そしてデジタル波への切り替えが済んだ2012年以降になると、大型(緑線)が小型-中型と比べて健闘をはじめる。前年同月比ではマイナスには違いないものの、線の上下関係に明らかに違いが出ている。

具体的には地デジ切り替えまでは、大型と小型・中型の差が大きく開いていた。しかし切り替え後はその差が縮まり、一つ目のグラフでも時折、二つ目のグラフ「前年同月比」では常時緑色が位置的に上に達するようになっている。

この動きは消費者サイドから「切り替え前はとにかく1台調達、安い物でも観れれば良い」「切り替え後は状況が落ち着いてきたので末永く使うことを考え、大型のを」という流れを考えれば道理が通る。また逐次需要のある新規購入の対象も「37型以上の大型」に移行しているのだろう(大型テレビの廉価化も進んでいる)。

特に注目すべきは「前年同月比」のグラフ。地デジへの切り替えが果たされ、需要が大幅に減退した2011年夏以降、しばらくの間はマイナス化は仕方がない。しかしそれから「1年が経過した」2012年秋以降でも、プラスに転じる気配を見せない。これは単に特需の反動では無く、中期的な需要の減退が起きていることを意味する。「地デジ化特需」が未来の需要を先取りしたのは言うまでもないが、それが1年分では無く数年分まで及んでいたことになる。

他方、やや救われる動きもある。上記でも触れているが、前年同月比のマイナス値は2012年7月の下落をピークに、少しずつだが値を小さなものとしつつある。マイナスには違いないものの、下げ幅が縮小しているのが前年同月比グラフからも確認できる。妙な変化がない限り、このペースでいけば半年内外で出荷台数は昨年水準に戻す、言い換えればさらなる下落から脱するものと考えられる。

月ごとの販売動向を経年で


最後に季節変動を気にせずに動向を確認できる、別の切り口によるグラフとして(たばこの販売実績記事でも用いている)、個々月の毎月動向を経年で比較したものを生成する。毎年年度末と年末にテレビが売れる実態、その翌月の1月は反動などで販売台数が大きく落ち込むパターン、そして2010年(赤い棒)の年末は「地デジへ切り替えラッシュ」で、新規購入・買換えの良い機会として、特需が発生したのが確認できる。


↑ 薄型テレビ国内出荷実績(万台)(-2013年5月)

今年2013年は5月分までそろったが、月単位で確認しても2010年(赤)-2011年(緑)をピークに減少が続いている。とはいえ上記にある通り前年同月比での下げ幅は縮小傾向にあり、すぐ隣の棒との長さの差も、少しずつだが短くなっているのが分かる。

景気動向も多分に影響するが、このままのペースならば遅くとも年末までには、出荷台数はマイナスから脱しそうである。ただしその後、プラスに転じるか否かまでは動きが読めない。また買い替え年数が8年前後とされるテレビにおいて、果たして「地デジ特需」は何年分まで需要を先取りしてしまったのか、その答えも推測できよう。

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