固定電話のみ世帯は5%足らず、携帯だけは5割超え…アメリカ合衆国の電話普及率推移(最新)

2018/06/19 05:13

2018-0618【アメリカ合衆国疾病対策予防センター(The U.S. Centers for Disease Control and Prevention、CDC)】は2018年6月7日付で、同国の世帯単位での電話普及状況を半年間隔で定期的に調査報告するレポート「Wireless Substitution」の最新版(2017年下半期分)を発表した。そこで過去に取得したデータも併せ、最新のアメリカ合衆国における電話の普及状況と過去からの推移について、各種グラフを作成して実情を確認していくことにした。

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固定電話そのものが減る傾向に


データ取得元の詳細や各項目の解説、「携帯電話」の定義内容は一連の記事一覧ページ【定期更新記事:米電話普及状況(半年)(CDC)】で解説している。そちらで確認のこと。

まず最初は、18歳以上の大人に「自分が所属する世帯に関する電話環境」を尋ねたものの結果をグラフ化し、状況を確認する。「携帯のみ」に「固定電話のみ」「固定電話と携帯電話双方あり」の3つの選択肢があり、その動向を重ねたのが次のグラフ。ちなみに「携帯電話」とは原文では「wireless telephones」と解説されており、旧来の自動車搭載型の小型携帯式電話、各種携帯型電話(従来型携帯電話、スマートフォンなど)が該当する。

↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境主要選択肢回答率(アメリカ合衆国、大人(18歳以上)による回答)(-2017年下半期)
↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境主要選択肢回答率(アメリカ合衆国、大人(18歳以上)による回答)(-2017年下半期)

2006年と2007年の間で「固定・携帯双方あり」「固定のみ」に大きな変化が起きている。これは2007年以降において携帯電話関連の項目で設問方法に変更があったため。区分が変わっただけで、実情が大きな変化を起こしたわけでは無い。

その動きをのぞけば、固定電話はほぼ一貫して減少している。「固定のみ」だけで無く「固定・携帯双方あり」も減っていることから、固定電話の数が物理的に減り、携帯電話に取って代わられていることが確認できる。2017年下半期で、固定電話のみの世帯は4.9%でしか無く、すでに53.3%は固定電話無し・携帯電話だけの世帯となっている。ただこの1、2年は「固定電話のみ」の世帯数減少の動きがほぼ横ばいに移行し、固定電話に固執する世帯に大きな変化は無く、双方を持っていた世帯が完全に携帯電話のみに切り替える動きのみ進んでいるように見える。

この現象は18歳未満の子供に尋ねた場合も変わらない。

↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境主要選択肢回答率(アメリカ合衆国、子供(18歳未満)による回答)(-2017年下半期)
↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境主要選択肢回答率(アメリカ合衆国、子供(18歳未満)による回答)(-2017年下半期)

固定電話比率は大人に確認した時よりも低い。最新値では固定電話のみは2.2%となり、携帯電話のみは61.8%と、6割に達する形となった。これは学生寮などに入り、一人暮らし、あるいはルームメイトとともに過ごす環境下にいる人が多いのが原因と思われる。固定電話に慣れ親しんだ大人世代がいない世帯では、携帯電話の比率が高くなるのも当然。

直近の2017年下半期分では、「固定のみ」が前期から少し減り、「固定・携帯双方あり」が増え、その分「携帯のみ」が減っている。これまでには見られなかった動きで、特に「固定・携帯双方あり」ではイレギュラー的な形に見える。統計上のぶれの可能性はあるが、今後の動向に注目したい。

年齢階層別で「携帯のみ」率を見てみると…


次のグラフは、回答者年齢階層別の「携帯のみ」(固定電話無し)世帯率の推移を示したもの。CDCのデータでは2005年から2006年にかけて年齢階層区分の変更が行われたことから、今グラフは2006年上半期分以降のみとしている。

↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(アメリカ合衆国、年齢階層別)(-2017年下半期)
↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(アメリカ合衆国、年齢階層別)(-2017年下半期)

若年層と最高齢層の上昇率がややおとなしめなのを除けば「回答年齢が若いほど『携帯のみ』率が高く、上昇率も大きい」傾向が確認できる。また今半期でも前半期に続き「18-44歳の回答者世帯の過半数では、携帯電話しか電話が無い」との状態に達している。「65歳以上」はしばらく過半数への到達は難しいが、「45-64歳」はすでに4割台後半に突入しており、あと数年で5割にも手が届くだろう。

ちなみに「携帯のみ」が過半数に達した年齢階層のみを抽出して再構築すると、このような形となる。

↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(アメリカ合衆国、年齢階層別(一部))(-2017年下半期)
↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(アメリカ合衆国、年齢階層別(一部))(-2017年下半期)

↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(アメリカ合衆国、年齢階層別)(2017年下半期)
↑ 自分が所属する世帯に関する電話環境「携帯のみ」の回答率(アメリカ合衆国、年齢階層別)(2017年下半期)

25-29歳は6割に届きそうな時点から伸び率が鈍化しているが、まだ増加は継続しそう。30-34歳と35-44歳、つまり30歳以上は勢いがやや強い(直近期では前期比で落ちたが)。今や18-24歳と35-44歳、25-29歳と30-34歳の値はさほど違いを見せなくなってしまっている。



若年層への普及度が加速度的に進み、高齢者はゆっくりと確実に普及していく状況は、携帯電話に限らず、新技術、特にデジタル系のサービスやアイテムに共通する動きである。中年層以降、特に女性への浸透著しいソーシャルメディアのような例外もあるが、大抵はこのパターンが踏襲される。

早くから携帯電話に慣れ親しんだ若年層も少しずつ年をとり、じきに中年層・高齢者の層の仲間入りとなる。そして生まれた時から「携帯電話が常識」の社会に囲まれて育った、真の意味での「デジタルネイティブ」も生まれ、成長していく。高齢層の習得、利用状況も併せ、デジタルメディア、特に今件の携帯電話の年齢階層間格差がどのような変容を見せるのか。引き続き動向を追いかけ、確認をしていきたいところだ。


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