「知人との交友」「情報探索」「暇つぶし」がメイン…ソーシャルメディアの利用目的(最新)

2018/06/14 05:10

2018-0610スマートフォンやタブレット型端末の普及で加速度的に浸透しつつある、ウェブサービスの一つ「ソーシャルメディア」。既存の他ウェブサービスの多分な機能を実装し、多様な事柄を包括して実行できることから、その電子レンジ的な万能さにほれ込み、寝食を忘れてアクセスを続ける人も多い。そのソーシャルメディアについて、そもそも論として「なぜソーシャルメディアを利用するのか」を、総務省が2018年5月25日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」の公開値を基に、確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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利用者はインターネット利用者の5割近く、目的は「知人との交友」が8割強


今調査の調査要項は先行記事【自宅パソコンのインターネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。また今件における「ソーシャルメディア」だが、補足説明の用語集では「インターネット上の交流を通して社会的ネットワーク(ソーシャルネットワーク)を構築するサービスのことである。Facebook やTwitter、LINE などが代表的」(ソーシャルネットワーキングサービス(SNS))とある。LINEなどのようなチャット系コミュニケーションサービスは厳密な解釈では定義から外れるが、社会全般的には同一視されていること、質問の上でもそのような区分がなされているため、該当するものとみなす。他方、広義では含まれることになる掲示板や動画投稿・共有サイト、ブログは他項目で別途言及されていることもあり、該当しないものとする。

今調査によればソーシャルメディアの利用率は、インターネット利用者においては49.8%(無回答者除く、以下同)。見方を変えると、インターネットにアクセスできる機会を持ちながら、ソーシャルメディアの類を使っていない人は5割強に及ぶことになる。

↑ ソーシャルメディア利用者率(インターネット利用者限定)(2017年)
↑ ソーシャルメディア利用者率(インターネット利用者限定)(2017年)

年齢階層別では20代がもっとも利用率が高く7割超え、40代までは過半数で、50代でも5割近く。むしろ60代以降でもインターネット利用者の1割台から2割台が利用している実態には驚かされる(もっとも高齢者にとっては、インターネットの利用そのものが高いハードルなのだが)。

それではソーシャルメディア利用者は、何を目的としてアクセスしているのか。全体的な回答が次のグラフに示されているが、最上位の同意率を示している項目は「従来からの知人とのコミュニケーション」。つまり利用者のうち86.5%は、ソーシャルメディアで身近な知人とのお話、交流を望んでいることになる。

↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答)(2017年)
↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答)(2017年)

これは手紙やメール、電話と比べると利用ハードルが低く、気軽にコミュニケーションができるのがポイントとなり、多くの人に使われていると見てよいだろう。また、自分の状況を披露しておくことで、自分の知人に間接的な意思表示(例えば「忙しい」「元気だ」「明日は暇だ」)をすることも可能となるのがポイントか。

次いで多い目的は「知りたいことについて情報を探す」で48.2%。ソーシャルメディア内で知的好奇心の充足を望んでいることになる。昨今ではソーシャルメディア上で情報を直接、あるいは間接的に(URLなどでガイダンスする形で)公知するケースも多く、これらをたどることで望んだ情報を取得できることになる。あるいは関連する情報を得られそうなアカウントに追随し、日頃からチェックをする場合もあろう(芸能人、著名識者、関連会社、報道関係など、対象はいくらでも想定しうる)。

一方、はっきりとした目的意識は無い「暇つぶし」との回答率も3割近くと高い。交通機関を使った移動の際に雑誌や新聞を読み進めるような、あるいは休日の午後、特にすることも無く外出するのも面倒な時間の経過を過ごす際に、ソーシャルメディアをざっと眺めて場の雰囲気を楽しんでいるであろう人は案外多い。

やや回答率は下がるが、「同じ趣味・嗜好を持つ人を探す」も2割近く。いわゆる「類友」「同好の士」を探す主旨。趣味が同じならば有益な情報交換もでき、ともに語らうことで有意義な時間を過ごせる。さらにこれと類するものだが、相手を特定せずに情報発信をし、自己顕示欲の充足やストレス解消とともに、「自分と同じ立場にある人」を探す(探してもらうきっかけを作る)動きもある。

震災以降その役割が重要視されるようになった「災害発生時の情報収集・発信」は16.7%と1割強。普段から意識して利用する、明らかな目的として認識した上で注視する人はさほどいないとの意味であり、使うことが無いわけではあるまい。

年齢階層別で変わる、変わらない利用目的


この結果についていくつかの属性別で再計算を行い、その動向を確認する。まずは年齢階層別。

↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答、年齢階層別)(2017年)
↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答、年齢階層別)(2017年)

どの年齢階層でも「知人との交友」が最多回答項目であることに違いは無いが、年とともにその値は下がっていく(6-12歳でやや低めなのは、実社会でも交友範囲が限定的なのが原因。また、利用したくとも保護者などに止められている場合も考えられる)。他方「情報を探す」は中年層以降は年とともに上昇していく動きがある。一番高い値を示しているのは、意外にも80歳以上。シニア層にとってソーシャルメディアは、情報の名前を冠する宝物が散在している場所に見えるようだ。

いわゆる「同好の士」を探す動きも「知人との交友」と同じ流れで、若年層ほど高い。ソーシャルメディアを使い、新規にしても従来のつながりにしても、積極的にコミュニケーション網を広げていこうとする意志が見える。

「災害発生時の情報収集・発信」や「情報を探す」など一部を除けば、大よそ若年層ほど回答率は高い。つまり、複数の目的でソーシャルメディアを利用していることになる。年上になるほど利用目的が絞られているようだ。

男女で大きく異なる部分と、そうで無い部分と


次いで男女別の動向。こちらは同一性別内における年齢階層別の流れを見やすくするため、上記のグラフとは項目の表記を変えてあることに注意。また「上位陣」と「下位陣」では回答率に差異がありすぎるため、縦軸の区切りも変更してある。

↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答、上位陣、年齢階層別、男女別)(2017年)
↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答、上位陣、年齢階層別、男女別)(2017年)

↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答、下位陣、年齢階層別、男女別)(2017年)
↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答、下位陣、年齢階層別、男女別)(2017年)

「従来からの知人とのコミュニケーション」は全般的に女性の方が高め。女性がデジタル・アナログを問わずコミュニケーションを好むことはすでに知られている通りだが、それがソーシャルメディア内でも結果として表れている形。一方で「情報を探す」は中年層では男性の方がやや高くなる。

「暇つぶし」は若年層と高齢層では男性、中年層では女性の方が高い値。中年層の女性で高めの値が出るのは、家事や育児の合間に生じる時間を費やすとの意味で「暇つぶし」と答えたのかもしれない。

世帯年収別で生じる差、変化の無い項目


最後に世帯年収別の動向。

↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答、世帯年収別)(2017年)
↑ ソーシャルメディアの利用目的(ソーシャルメディア利用者限定、複数回答、世帯年収別)(2017年)

大よそ年収が高くなるほど「情報を探す」の値は減少していく。ソーシャルメディアの情報の信頼性、そして年収相応の「求める情報」がソーシャルメディア上にあるのか否かが多分に影響している。高年収の人がどのような情報を求めているのか、そしてその情報の信頼性とリスクを考えれば、理解はできる。

一方で「従来からの知人とのコミュニケシーション」では大よそ高年収層ほど高い値を示す。知人とのやりとりのツールとしてソーシャルメディアは有益であり、特に高年収な人達にとっては便宜性の高いものだとの認識があるのだろうか。やりとりの相手を絞れるのであれば、納得のできる話ではある。他方、「自分の情報や作品を発表したい」も高年収層ほど高い値を示すのは興味深いところ。自己顕示欲が強まるからなのか、必要性が高い仕事をしている場合が多いからなのか。

また「暇つぶし」は低年収ほど高い値を示す。高年収者はつぶす暇もあまり無いのかもしれない。



法的に、そして規約的に問題が無い限り、ソーシャルメディアをどのような利用目的で使おうと、他人がそれを束縛する権利は無い(無論、昨今問題視されている盗用コンテンツの悪用や、詐称的なリンク掲載による釣り行為は問題外である)。一方、ソーシャルメディアはあくまでもツールでしか無く、そのツール経由で伝達される情報の真偽性は、ソーシャルメディア自身が担保しているわけでは無いことに注意しなければならない。例えば「世界最大規模のFacebookで語られていた話だから、この情報は絶対に真実だ」と盲信すると、痛い目にあう可能性は十分以上に存在する。

情報の「確からしさ」を精査するには経由されたサービス以上に、情報発信源について、そして内容そのものの確認をすべきであることはいうまでも無い。


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