高年収ほど高実装率…インターネット機器としての携帯電話やパソコンなどの世帯年収別利用率をグラフ化してみる(最新)

2017/06/26 05:12

2017-0625インターネットの窓口となるパソコンも携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォンの双方)も、そして家庭用ゲーム機やタブレット型端末ですら、昔と比べると随分と価格は安くなったものだが、まだまだ誰もが気軽に購入できる領域のものでは無い。当然その所有率・利用率は個々のお財布事情と浅からぬ関係がある。いわゆる「デジタルデバイド」の要因として経済力が挙げられるのも納得がいく話。今回は総務省が2017年6月15日に詳細版を発表した「通信利用動向調査」の公開値などを元にして、所属世帯の年収別に主要インターネットアクセス機器の利用状況を検証していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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高年収世帯ほどパソコンも携帯もタブレット型端末も利用率は高い


今調査の調査要項は先行記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済み。必要な場合はそちらを参考のこと。

まずは全体的な「パソコン」「携帯電話」「タブレット型端末」「家庭用ゲーム機」における、インターネット機器としての利用率。「インターネット利用の有無を問わず、該当属性全体に対する比率」で算出していることに注意。

↑ インターネット機器としてのパソコン、携帯電話、家庭用ゲーム機などの利用率(個人、2016年)(全員対象)(全体値)
↑ インターネット機器としてのパソコン、携帯電話、家庭用ゲーム機などの利用率(個人、2016年)(全員対象)(全体値)

例えば「パソコン」は58.6%なので、調査対象母集団の6割近くが「パソコンをインターネット端末として利用している」と回答している。携帯電話は67.9%と「パソコン」を抜いており、「インターネットへのアクセス窓口は携帯電話が最上位」な状況にある。これは2013年から継続している状況で、2013年は日本のインターネット上の歴史における転換点と定義しても良いだろう。

これを回答者の所属世帯における年収別で区分したのが次のグラフ。

↑ 世帯年収区分別・インターネット機器としてのパソコン、携帯電話、家庭用ゲーム機などの利用率(個人、2016年)(全員対象)
↑ 世帯年収区分別・インターネット機器としてのパソコン、携帯電話、家庭用ゲーム機などの利用率(個人、2016年)(全員対象)

概要的には「自分が所属する世帯が低年収ほど、パソコンも携帯電話もタブレット型端末も(インターネット)利用率が低い」傾向が見える。特に低年収区分では利用率の低さが目立つと共に、パソコンと携帯電話との差が大きい。コスト面ではパソコンよりも携帯電話の方が(特に初期費用の点で)安上がりなため、低年収層では重宝がられているのだろう。そしてその傾向も合わせ、低年収世帯では、インターネットの利用が(多分に)金銭的なハードルに阻まれていることが推測される。パソコンの利用率は1500-2000万円未満まで漸増していくが、携帯電話は800-1000万円未満でほぼ頭打ちとなるのも、その裏付け的な動きといえる。

一方、ゲーム機などは年収別の差異はほとんど無い。やや高年収ほど高利用率を示している程度(1500万円以上で有意に落ちているのは、この層が多分に高齢層でもあるため)。タブレット型端末は値そのものは低位だが、年収と共に漸増し続ける値動きをしている。2000万円以上では2人に1人近くが利用している計算となる。

高齢層でもモバイル機器は大活躍、だが


年収区分とは直接関係がないが、高年収層≒高齢者周りのインターネット接続に関する話を確認するため、同じような仕切りで、65歳以上・75歳以上・80歳以上の総計における、インターネットの利用率をグラフ化しておく。

↑世代区分別・インターネット機器としてのパソコン、携帯電話、家庭用ゲーム機などの利用率(個人、2016年)(一部)(全員対象)
↑世代区分別・インターネット機器としてのパソコン、携帯電話、家庭用ゲーム機などの利用率(個人、2016年)(一部)(全員対象)

若年層から中堅層にかけてはパソコンよりも携帯電話によるインターネットアクセスのほうが上回っている。高齢層ではほぼ同率で、差異は事実上誤差の範囲。家庭用ゲームは実質的にゼロに等しく、タブレット型端末はあまり使われていない。

実のところ前年2015年分ではこの年齢階層でも携帯電話の利用率がパソコンを大きく抜いており、「高齢層においても、その状況(パソコンよりも携帯電話によるインターネットアクセスのほうが上)に違いは無い」と説明していた。ところが2016年はほぼ同率の結果が出ている。他属性でも2016年分に限れば、ややパソコンの利用率が高い結果が出ているのと合わせ、これが単なる統計上のぶれの範囲なのか、それともパソコンの利用が底上げされてきたのか、判断は難しい。次年以降の動向で見極めたいところだ。


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