従来型携帯電話とスマートフォンのインターネット利用状態をグラフ化してみる(最新)

2020/06/25 05:32

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2020-0615従来型携帯電話の高性能ぶりが仇となり欧米から数年遅れる形となったが、日本でもようやく携帯電話の主流が従来型携帯電話からスマートフォンへとシフトしつつある。スマートフォンに利用機種が移行されるもっとも大きな理由は、インターネットへのアクセス機能のケタ違いの向上ぶりにあるわけだが、それでは現時点において、携帯電話(従来型携帯電話とスマートフォンの双方)を用いたインターネット利用状況はどのようなパワーバランスにあるのだろうか。総務省が2020年5月29日に詳細を発表した「通信利用動向調査」を基に、その実情を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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若年層では圧倒的にスマホ、80歳以上でようやく従来型が逆転


今調査の調査要項は先行記事【光回線は54.5%…自宅パソコンのインターネット接続回線の種類をグラフ化してみる(最新)】で解説済みなので、そちらを参考のこと。

次以降に示すのは、該当利用端末を「携帯電話(従来型携帯電話(PHS含む)以外にスマートフォンを含み、タブレット型端末は含まない)」に限定したインターネットの利用率。また各値は全体比(未回答者除く)における値。例えば「全体の従来型携帯電話のみの値は5.6%」と出ているので、調査対象母集団全体(携帯電話保有者やインターネットの利用者限定ではない)の5.6%が、過去1年間においては従来型携帯電話のみでインターネットを利用した経験があることになる。

↑ 携帯電話によるインターネット利用率(過去1年間、年齢階層別)(2019年)
↑ 携帯電話によるインターネット利用率(過去1年間、年齢階層別)(2019年)

若年層におけるスマートフォンの浸透ぶりが目に留まる。13-19歳では従来型携帯電話と併用している人も合わせると76.6%。そして20代になると従来型携帯電話からの乗り換え(かつそのまま併用)をしている人も合わせ、9割を超える。従来型携帯電話のみの利用者は3.7%でしかない。

30代以降は従来型携帯電話との併用も合わせ徐々にスマートフォンのネット利用者は減り、70代になると3割を切る。また、従来型携帯電話・スマートフォンの利用率の転換点は70代と80歳以上。表現を変えれば、80歳以上の「携帯電話によるインターネット利用」は「従来型携帯電話」経由メインであって「スマートフォン」メインではない。

高世帯年収ほど高利用率


続いて世帯年収別利用率。これは大方の予想通り、おおよそだが世帯年収が高くなるほど携帯電話によるインターネット利用率は高いものとなる。

↑ 携帯電話によるインターネット利用状況(過去1年間、世帯年収別)(2019年)
↑ 携帯電話によるインターネット利用状況(過去1年間、世帯年収別)(2019年)

【スマートフォンとタブレット機、月次支払額はいくら位?】などで解説している通り、そして多くの人が実体験しているように、従来型携帯電話よりスマートフォンの方がランニングコストは大きい。昨今、スマートフォンに近い機能を持ち、従来型携帯電話に近い料金プランを活用できる「ガラホ」や、仮想移動体通信事業者(MVNO)によって提供されるSIMカードを白ロム端末やSIMロックフリー端末に用いてスマートフォンとして使用することでコスト軽減を図る「格安スマホ」に注目が集まっているのも、ランニングコストによるもの。低世帯年収の方がやりくりが厳しくなるため、スマートフォンまで手が出せない状況が確認できる。

世帯年収が一定ラインに達すると、スマートフォン「のみ」の所有率はさほど変化が無くなる。いわば天井状態。直近に限れば、世帯年収による携帯電話の利用率において、600万円以上はほぼ同率となる。600万円未満の世帯における低迷こそが、携帯電話経由での情報格差の問題、そして解消すべきポイントといえよう。

世帯構成別の動向を確認


最後に世帯構成別。回答者の所属する世帯の構成別で、利用率にどのような変化が生じるかを見たものだ。なお高齢者は65歳以上を意味する。

↑ 携帯電話によるインターネット利用状況(過去1年間、世帯構成別)(2019年)
↑ 携帯電話によるインターネット利用状況(過去1年間、世帯構成別)(2019年)

単身世帯(非高齢者)では金銭的にも余裕があり、自分で操作技術を習得できる場合も多く、モバイル端末によるインターネット利用率全体も、さらにはスマートフォン利用率も高い。一方高齢者のみの世帯では、操作などを教えてもらえる機会も少なく、また自分の日常生活で携帯電話を利用する限りにおいては従来型携帯電話で満足していることもあり、スマートフォンの利用はごく少数となっている。

ところが同じ高齢者でも、二世代にわたる世帯の構成員となると、高齢世帯と比べてスマートフォンによる利用率がそれなりに高い値を示すようになる。回答者本人が高齢者でも、子供などに教えてもらえる機会があり得るため、技術的ハードルを超えやすいものと考えられる。



世間一般のイメージは「従来型携帯電話=古い、前世代」「スマートフォン=新しい、新世代」。企業の戦略もそれに従う形で、全面的にスマートフォンをプッシュしている。携帯電話事業者による季節ごとの新商品ラインアップは、そのほぼすべてがスマートフォンで占められている(従来型携帯電話の新作が登場しない場合すらある)。

しかしタッチパネルの操作問題や、スマートフォンが「携帯電話」としてよりはむしろ「パソコン」に近いツールであることから、高齢層では利用時のトラブルが懸念されるのも事実。また、利用スタイルの上で、現在のスマートフォンのような高・多機能は必要とせず、その実装にかかるコストの負担は大きすぎるとの意見も少なくない。

昨今では冒頭で言及の通り、スマートフォンと従来型携帯電話の中間的な立ち位置の「ガラホ」や「格安スマホ」がスマートフォンの代替的な立場として注目を集めている。特に後者は実質的にはスマートフォンと同じため、統計ではスマートフォンとしてカウントされることも多い。今後大きな伸びしろが期待できるのは、低コストを望む層に受け入れられやすい、「格安スマホ」と考えてもよいかもしれない。各スマートフォン関連の値の上昇にも、小さからぬ貢献を果たすだろう。


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