携帯電話などでのインターネット利用率をグラフ化してみる(最新)

2018/06/10 05:14

2018-0607従来型携帯電話では一部においてインターネットへのアクセスが不可能、あるいは意図的に止められる機種もあるが、昨今の携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォン双方)では機種の保有・利用がほぼそのままイコールでインターネットの利用となっているのが実情。それでは実態として、現在における携帯電話などを利用したインターネットへのアクセスは、どの程度行われているのだろうか。総務省が2018年5月25日に詳細値を発表した「通信利用動向調査」を基に、「携帯電話(従来型携帯電話だけで無くPHSやスマートフォンなどを含む)におけるインターネットの利用率」を確認していくことにする(【発表ページ:通信利用動向調査】)。

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携帯インターネットは全体で6割強、20-30代は9割を超える


今調査の調査要項は先行記事【自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる】で解説済みなので、そちらを参考のこと。

まずは「携帯電話を使った」「インターネットの利用率」。タブレット型端末は携帯電話の範ちゅうからは外されている。ただし「モバイル端末」との表記の場合はタブレット型端末も含める場合もある。今項目では後述する個別区分以外では、タブレット型端末は携帯電話には含まれず、従来型携帯電話(フィーチャーフォン)やスマートフォン、そしてPHSは携帯電話に該当するものとする。

次に示すのは2017年における全体・年齢階層別のグラフ。過去一年間に一度でも携帯電話などそれぞれの端末を経由してインターネットにアクセスしたことがある人の割合を示している。例えば6-12歳では34.9%なので、調査母体のうち6-12歳全体の中で、過去1年間に携帯電話などを使って一度でもインターネットにアクセスした人の割合は3割強となる次第(インターネット利用についての設問そのものに無回答だった人は計算から除外してある)。

↑ モバイル端末によるインターネット利用率(過去1年間、全体比、無回答者除く、従来型携帯電話・スマートフォン・PHS)(2017年)
↑ モバイル端末によるインターネット利用率(過去1年間、全体比、無回答者除く、従来型携帯電話・スマートフォン・PHS)(2017年)

携帯電話本体の利用率やインターネットそのものの普及率同様に、携帯電話によるインターネットの利用率も成人若年層がピークで、その後は緩やかな下り坂を描いている。かつては定年退職後の年齢階層において、減少具合の急激さが見られたが、この数年は緩やかなカーブに代わっており、シニア層にも携帯経由のインターネットアクセスが地味に普及しつつあることをうかがわせる。とはいえ、定年前後の50-59歳と60-64歳との間には、やや大きめの差異が見受けられる。

また、6-12歳が4割足らず、13-19歳も20歳以降と比べて少なめなのは、多くの人が自分の収入で端末を入手できないこと、そして保護者から端末の利用許可を受けていないことが想像される。もっとも幼少時においてはタブレット型端末の利用率が伸びており、細かなレベルでの世代交代が起きているのも分かる。

これをさらに過去の調査データを用いて、5年間の推移を示したのが次のグラフ。

↑ モバイル端末によるインターネット利用率(過去1年間、全体比、無回答者除く、従来型携帯電話・スマートフォン・PHS)(直近5年間)
↑ モバイル端末によるインターネット利用率(過去1年間、全体比、無回答者除く、従来型携帯電話・スマートフォン・PHS)(直近5年間)

2015年から2016年にかけては、一部で横ばい、減退が見られるものの小規模な動きに留まり、大よその層で増加を示していた。特に6-12歳層と壮齢層の上昇ぶりが著しい。上昇率が穏やかなのはすでに天井感の強い若年層のみ。社会全般に、急速に携帯電話によるインターネット利用が進んだことを示唆している。

一方で直近の2017年では多くの年齢階層で前年からの値の後退が見受けられる。一部項目で全体値が落ちている件について報告書では「今回の調査では高齢者層の回答が増加したことによる回答傾向の変化などがあったことから、経年比較に際しては注意が必要」などとの但し書きがあるが、今件項目では高齢層だけで無く若年層などでも値が落ちており、留意する必要がある動きとなっている。もっとも誤差の範囲とも読み取ることも可能だが。

主要機種別に年齢階層別・経年変化を眺めてみる


次に主要機種として従来型携帯電話とスマートフォン、そして上記「携帯電話」には該当しないものの、利用スタイル的には近いポジションにあるタブレット型端末について、年齢階層別、経年の変化を確認していく。

まずは直近2017年の年齢階層別動向。若年層ではスマートフォンが従来型携帯電話を凌駕しているのが分かる。

↑ モバイル端末によるインターネット利用率(過去1年間、全体比、無回答者除く、年齢階層別)(2017年)
↑ モバイル端末によるインターネット利用率(過去1年間、全体比、無回答者除く、年齢階層別)(2017年)

今件は「保有」では無く「インターネットの利用」であり、多分に保護者の端末を流用していると考えられるが、6-12歳の時点ですでに31.7%がスマートフォンを使ってインターネットにアクセスしている。これが13-19歳になると71.4%となる。すでに従来型携帯電話は少数派。20代ではさらに増え、9割に届きそう。20歳を過ぎればさすがに保護者の端末を流用する事例も少ないことから、少なく見積もっても9割近くはスマートフォン「所有者」と考えてもよい。

一方、中年層以降になると、特に60代以降はスマートフォンの利用率は大きく減る。80歳以上でスマートフォンと従来型携帯電話の利用率が逆転していることから、80歳がスマホ世代の境目と考えてもよさそうだ。

タブレット型端末利用率は少々興味深い動きを示している。最多利用率は6-12歳。中年層では無い。6-12歳では従来型携帯電話よりもタブレット型端末を使ったインターネットアクセスが多用されている、スマートフォンすら超えているのが実情。これは幼少時においてはスマートフォン同様にタブレット型端末が操作しやすく、また対応アプリケーションも数多く登場しているのが要因と考えられる。お絵かき帳やホワイトボード感覚で子供に使わせる事例も多々見られるようになった昨今の状況を、見事に裏付ける結果ともいえよう。

次に示すのは過去7年間、2011-2017年における、全体的なインターネット利用率。概況を示すものだが、これを見てもモバイル系インターネットの主流が、確実に従来型携帯電話からスマートフォンに移行する動きを示しているのが分かる。

↑ モバイル端末によるインターネット利用率(過去1年間、全体比、前年比、無回答者除く、主要機種別)
↑ モバイル端末によるインターネット利用率(過去1年間、全体比、前年比、無回答者除く、主要機種別)

従来型携帯電話の減少と、スマートフォン・タブレット型端末の増加がほぼ同じタイミングで起きており、従来型携帯電話からスマートフォンとタブレット型端末にシフトしているようすが分かる(今件は重複回答式のため、従来型携帯電話利用者がスマートフォンとタブレット型端末のいずれかのみにシフトするわけでは無く、双方を利用している場合も多々ある)。

他方、直近の2017年ではスマートフォンとタブレット型端末ともに前年比から値を落としている。上記の通り、これらの利用率の低い高齢層の回答者比率の増加によるところが大きいが、若年層でも減少が確認されており、やや気になる動きではある。単なる統計上のぶれの範囲ではあり、気にしすぎかもしれないが。

最後に各年齢階層別の前回年2016年から直近年の2017年における変移を算出したもの。各層のモバイル系インターネットの機種シフト具合がガッツリと見えてくる……はずなのだが。

↑ モバイル端末によるインターネット利用率(過去1年間、全体比、前年比、無回答者除く、年齢階層別)(2017年)
↑ モバイル端末によるインターネット利用率(過去1年間、全体比、前年比、無回答者除く、年齢階層別)(2017年)

従来型携帯電話は中年層以降で大きな減少を示している。未成年層で下げ幅が少ないのは、元々利用率が低いのに加え、防犯用などで需要がまだそれなりにあるからだろうか。

他方、スマートフォンは若年層、タブレット型端末は若年層から中年層にかけて大きな減少を示している。単なる統計上のぶれにしてはやや大きな下げ幅で、気になる動きではある。世間一般の動向でスマートフォンやタブレット型端末から距離が取られるようになったという話は聞かないのだが。


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