景況感下落、米ドル投資魅力最上位(2013年6月個人投資家動向)

2013/06/17 09:45

野村ホールディングス(8604)のグループ会社である野村證券の一部門、投資調査部は2013年6月13日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査内容と結果に関する分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2013年6月発表分、野村證券リリース一覧ページ】)。今後3か月後の株価見通しを尋ねた「ノムラ個人市場観指数」は前回から反転する形で大幅に下落している。また株価の先行きに対しては「小幅な上昇」を見込む意見が大きな減少を示す一方、他の項目の回答率が増加しており、見通しが経ちにくい相場状況にあることを予見させる結果となっている。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2013年6月3日から6月4日に行われたもので、男女比は82.1対17.9。年齢層は50代がもっとも多く29.0%、次いで40代が28.9%、60代以上が25.3%など。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く28.3%、500万円-1000万円が20.6%、300万円-500万円未満が12.6%と続いている。回答者の投資経験年数は10年-20年未満以上がもっとも多く31.8%を占めている。次いで5年-10年未満が26.3%、20年以上が23.2%。

投資に対し重要視する点は、概ね長期投資が最大値で45.8%と半数近くに達している。ついで配当や株主優待が25.1%と約1/4を占めており、売買による売却益よりは、配当収入や優待確保などのような中長期的な安定感を求めている投資スタンスが大勢を占めている。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には次の通り。

・投資指数は48.2ポイント。前回からは13.0ポイントと大幅下落。今回調査は5月23日以降急落している市場動向の中で行われており、上昇見込みを持つ投資家の数が減ったことによる。3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で74.1%となり、6.5%ポイントの減少。「2000円以上の上昇」を見込む意見がもっとも大きく増加した他、他の項目も軒並み回答率を増しており(唯一減ったのは「1000円以上上昇」)、株価の見通しが付きにくい状況にあることが分かる。

・市場に影響を与え得る要因としては「為替動向」が2か月連続してトップ。その他項目も合わせ、今回月は大きな変動は無し。ただし「市場要因、心理的要因」がやや大きめな増加を示しているのが気になる。

・魅力的な業種は「自動車」「医薬品」「資本財・その他」「金融」の順。「通信」「素材」「消費」「電気機器・精密機器」「運輸・公共」はマイナス。株価下落の影響を受けてか、「金融」の減少幅が大きい。

・ドル円相場は前回より「円安ドル高に振れる」との考えが先月から減少。全体の71.0%となり、前月からは6.1%ポイント下落した。

・アメリカドルに対する注目がさらに増加し、魅力的な通貨の上で二か月連続のトップになった。オーストラリアドルが続き、日本円は第三位に後退。

・もっとも注目を集めた金融商品は「預貯金」。次いで「国内株式」「金」。株価の下落が大きく響いたのか、「国内株式」の下落値は全項目中最大。
気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」では、今月も先月に続きトヨタ自動車(7203)がトップの座を確保。一時期の状況からは想像もつかない安定ぶりだ。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソニー(6758)
3位……ソフトバンク(9984)
4位……オリエンタルランド(4661)
5位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
半ば人気投票であることから、上位銘柄は投資家から注目を集めていると考えても問題は無い。今回は先月とはあまり差異が無く、オリエンタルランド(4661)が上位5位入りしたのが目に留まる程度。トヨタ自動車の桁違いな得票数は相変わらず。第二位に対し7倍以上もの差をつけており、圧倒的な存在感を覚えさせられる。



今回調査はアメリカの金融緩和政策の引き締めに対する懸念から生じた、世界的な円高・株安を背景とした相場の大幅な下落が直前に発生しており、これが回答者の相場観を大きく変化させる内容となっている。興味深いのは今後の株価動向に対する回答で、一様に下げ相場・上げ相場を想定するのでは無く、まだまだ下げる・反発して上げるなど今後の株価動向への思惑が分散している点。見方を変えれば、市場心理として迷走、疑心暗鬼状態にあることを示している。

諸要素は他にもいくつか挙げられるが、昨今の相場を揺り動かしている最大の要因は、アメリカの金融緩和政策の行く先にある。これが噂通りのものとなれば、市場はさらに乱高下、あるいは下げ基調となる可能性は高い。逆に噂が噂で終わるとの動きがあれば、市場は再び安定性を取り戻すことになるだろう。


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