大都市圏の単身若年層は自動車不要か…居住地域と乗用車普及率の関係推移(2013年)

2013/06/19 07:55

先日【乗用車の普及率現状をグラフ化してみる(2013年版)】で内閣府の【消費動向調査】で公開されている各値をベースに、主要耐久消費財(テレビや自動車のような、長期間継続して使用される商品。原則的に1年以上の使用が対象)の精査のうち、乗用車について細かな状況の確認をした。今回はその記事を踏み台とする形で、世帯主の居住地域と乗用車普及率の関係を見ていくことにする。

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「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

さて先日の「乗用車の普及率現状をグラフ化してみる-」で記した通り、乗用車の世帯普及率は、単身世帯で42.0%、一般世帯は84.1%。一人身世帯は5人に2人、二人以上世帯(概して夫婦)では5世帯に4世帯強が乗用車持ちとなる。


↑ 乗用車世帯主性別普及率(2013年3月末)

そして世帯主の居住地域別では、「別掲大都市」(県庁所在地以外の大規模な都市)が一番低く、一般世帯で71.5%、単身世帯では26.5%でしかない。


↑ 乗用車世帯主居住地都市規模階級別普及率数(2013年3月末)(再録)

最新の2013年分を見ると、人口密集地帯の居住者ほど、乗用車普及率が低い。理由は「大都市圏ほど公共交通機関が便利で、さらに生活を支える施設が近場にあるため、乗用車保有の必然性が下がる」「大都市圏ほど駐車場のコストがかかり、自動車保有が難しくなる」などが挙げられる。

昔から変わらない傾向なのか


それではこの「人口密集地帯ほど、居住者の乗用車普及率が低い」傾向は昔からのものなのだろうか。地域別普及率データが存在する2006年分以降について、直上のグラフの拡大版を生成したのが次のグラフ。


↑ 乗用車世帯主居住地都市規模階級別普及率数(一般世帯)(-2013年)


↑ 乗用車世帯主居住地都市規模階級別普及率数(単身世帯)(-2013年)

人口密集地帯ほど普及率数が低い、そして単身世帯では一般世帯と比べて、さらに普及率が低くなるなどの特徴は、最新の2013年分の値と変わらない。そし単身世帯では多少イレギュラーな動きがあるものの、データが存在する2006年以降は、都市規模と乗用車普及率の関係に変化は起きていない。

直上で推測した「人口密集地帯では乗用車普及率が低い」理由を読み返せば、それらの状況がこの10年足らずで大きく変わるはずもなく、結果として生じる普及率の違いにも動きが生じることはない。



昨年の類似記事【人口集中化と乗用車普及率の関係をグラフ化してみる】ではこれに続く形で、「都市部への人口集中が進んでいる」「その都市部では乗用車の必然性が低く、普及率も低めとなる」「だから全体的な乗用車普及率も下がっているのではないか(少なくとも一因ではないか)」との話を展開した。


↑ 居住地区の人口集中地区か否か別人口推移(国勢調査)(全体比)(再録)

しかし前提となる2項目は事実ではあるものの、これが乗用車の普及率低下につながるという話の結び付け方は、相関関係はともかく因果関係としてはやや説明に足りないところがある。

また【年齢階層別の乗用車普及率をグラフ化してみる(2013年データ反映版)】にもある通り、乗用車の普及率が落ちているのは主に若年層(29歳以下)で、それ以上の世代はほぼ横ばいを維持している。

「若年層が今までよりもさらに都心部に集中するようになったので、若年層の自動車離れに拍車がかかった」という仮説は成り立つが、乗用車の普及率だけでそれを結論付けるのにはあまりにも性急すぎる。そもそも若年層の乗用車離れの原因は、ほかにも可処分所得の変化、世帯構成人数の減少・単身世帯の増加、インターネットの普及による娯楽の変化など、多種多様な要因がある。

もう少し裏付けが取れるデータが入手出来たら、今件については再検証することにしよう。

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