さらに増加のモバイル利用、減るテレビとPC…メディア接触時間推移(2013年)

2013/06/12 07:55

博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所は2013年6月10日、毎年2月に実施の「メディア定点調査」の最新版「メディア定点調査・2013」の抜粋編を発表した。それによると調査対象母集団においては、主要メディア全体の接触時間は、若年層と高齢者(シニア層)が長く、中堅層は短めの傾向を示していることが分かった。また各メディアそれぞれに対する接触時間(視聴、購読など)は年齢階層毎に大きな違いがあり、「20代男性はテレビの視聴時間以上の時間をパソコンでネットに接続している」「男性は10代から30代・女性は10代から20代で、テレビよりもパソコンと携帯電話を合わせたインターネットへの接続時間が長い」「10代・20代は携帯電話からのインターネット接続時間が長め」「20代男性は全年齢層で最長時間のメディア接触時間を記録しているが、パソコン・携帯電話経由のインターネット利用が主な原因」など、昨今のメディア事情を顕著に表す傾向がいくつも見受けられる結果となっている(【発表リリース:博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所「メディア定点調査2013」】)。

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世代別メディア接触時間


今調査は郵送調査方式で行われたもので、2013年2月2日に発送、2月14日投函を締め切りとしたもの。東京・大阪・愛知・高知の4地区を対象に RDD(Random Digit Dialing)方式で選ばれた15-69歳の男女に対し調査票が送付され、2614通が回収された。各値は2012年度の住民基本台帳を基に世代・男女においてウェイトバックが実施されている。また特記無き限り記事内のデータは基本的に東京地区のものである。

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌から構成される4マス・既存4大メディアと、パソコン・携帯電話(一般携帯電話に加えスマートフォン含む。特記無き限り以下同)個々の端末からのインターネット接続、合わせて計6つに限定したメディアの接触時間の総計は、 2013年では353.1分/日との結果が出ている。昨年2012年が351.4分/日だから、誤差の範囲ではあるが、増加していることに違いはない。また性別・年齢階層別では、20代男性がもっとも長く380.3分の値を示している。次いで長いのは60代男性で379.0分。


↑ 年齢・性別メディア接触時間(2013年)(一日あたり、分)

全般的には男女とも中堅層の時間が比較的短く、若年層・高齢層の時間が長めの傾向が見られる。ただし男女では男性が50代・女性が40代が最短世代となっており、多少の差異が生じている。

また、10-20代男女の時間が長いのは、携帯電話からのインターネット接続時間が他年齢階層と比べて長めなのが原因。また男性に限ればこの世代は、パソコン経由での接続も長め。

これを各メディア毎の時間配分で区分すると、多様な特徴が確認できる。


↑ 年齢・性別メディア接触時間(一日あたり、分)(2013年)(クリックで拡大表示)

・男女とも20代までは携帯電話のインターネット接続が大きな割合を占めている。女性は30代、男性は40代までも長い。
・パソコンの利用時間は概して男性の方が長い。仕事での活用場面が多いのが原因と思われる(今件は平日も含めた平均時間である)。
・テレビ視聴時間は男性が20代、女性も20代がもっとも短い。以降は大体、年齢経過と共に増えていく。また同世代なら視聴時間は、男性よりも女性の方が長い。
・ラジオは女性では30代以降に利用時間増加が始まる。男性はやや起伏があるが、20代から増加し始めている。
・男女とも歳を重ねるに連れて、4マスの利用割合が増え、新メディア、つまりインターネットの割合、時間が減る。
・「テレビ離れ」が目立つ(詳しくは後述)。
・20代男性ではパソコン経由のネット接続単独で、テレビの視聴時間を上回っている。
・20代女性はテレビの時間と携帯電話経由のネット接続時間がほぼ同じ。
・男性は10代-30代まで、女性は10-20代で「パソコンと携帯電話のネット接続総時間」が「テレビ接続時間」を上回っている。女性30代もほぼ同じレベル。

昨今のメディア系調査では繰り替えし同じ結果が出ているのと共に、実体験からも容易に理解できる話だが、「若年層はデジタルメディア、高齢層は既存4大メディア(4マス)へ注力」との傾向が良く分かる結果が出ている。

大きく移り変わる若年層とメディアとの関係


・若年層はパソコンやモバイル経由の
ネットアクセス時間が長い。
→デジタルメディアへの親近感。
・シニアはテレビや新聞など
既存4マスの利用時間が長い。
→従来メディアが浸透。
・男女とも携帯経由の
ネットアクセスが増加傾向
→スマートフォンの浸透が大きい。
また今年も去年同様、20代男性では「テレビの視聴時間<<パソコン経由のインターネット使用時間」との結果が確認できた。ただし今年に入り、パソコン経由のネット接続は減少しており、その分携帯電話経由が増えている。たまたまテレビも同じように減ったため、テレビ・パソコン間の視聴時間の長短の関係が維持出来たに過ぎない。

若年層のデジタルメディアへの傾注が強くなること自体は違いが無いが、主役はパソコンから携帯電話(とりわけスマートフォン)へ移りつつある。学校生活という特殊環境に左右されない若年層として、20代男性のメディア接触時間の経年変化を、全体接触時間に占める割合でグラフ化してみよう。


↑ 20代男性におけるメディア接触時間(-2013年)(一日あたり、全体接触時間に占める割合)

2011年は多少ながらもイレギュラーな動きを見せたが(この年は震災前に調査が実施されており、震災とは関係が無い)、全般的にテレビの視聴時間比率は減少過程にある。またパソコン経由のネット接続時間も2010年をピークに減り、その分携帯電話経由のネットアクセスは増加する一方。この数年はパソコンの利用時間を携帯電話が奪っているような雰囲気すら覚える。

テレビに関して付け加えるとすれば、視聴時間は男女別では女性が、世代別では高齢層が長い。これはそれぞれ別調査で【女性はテレビが大好き!? 若年層のテレビ視聴時間をグラフ化してみる】【新聞記事や特集7割・テレビ番組8割……シニア層の情報源、テレビや新聞が圧倒的】など複数の調査結果で同様の傾向が確認されており、それをさらに裏付ける結果となった。

去年との差異で推し量る「世の中の動き」


上記でもちらほらと触れているが、2013年分のデータを昨年2012年分のものと比較すると、単なる誤差・ぶれとは判断しにくい動きが確認できる。


↑ メディア接触時間・性年齢別比較(2012年から2013年への変移、分)

気になる動きは次の3つ。すなわち

・テレビ視聴の減少。特に女性に著しい。
・パソコン経由でのインターネット利用の減少。男性に著しい。
・携帯電話経由でのインターネット利用の増加。若年層、中でも女性において顕著。

である。いずれも昨今のメディアにおける時代のすう勢を思い返せば、納得がいく。特に携帯電話周りは、女性のソーシャルメディア好きと、スマートフォンの普及を考えれば、当然至極というものだ。

またグラフ中では特記しなかったものの、男性陣全般でラジオ視聴時間が伸びているのが目に留まる。これが一過性のものか、来年も継続するものなのか、注意深く見守りたいところではある。


■関連記事:
【首都圏のラジオ平均聴取率6.3%、高齢者は平日1割超(2013年4月度版)】

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