吉野家は牛丼値下げで客単価は落ちるも客数大幅増加…牛丼御三家売上:2013年5月分

2013/06/06 07:55

吉野家ホールディングスでは2013年6月5日付で、同社子会社の牛丼チェーン店吉野家における2013年5月の売上高などの営業成績を発表した。それによると既存店ベースでの売上高は前年同月比でプラス15.9%となった。牛丼御三家と呼ばれる主力牛丼企業のうち松屋フーズ運営の牛飯・カレー・定食店「松屋」の同年5月における売上前年同月比はマイナス8.1%、ゼンショー展開の郊外型ファミリー牛丼店「すき家」はマイナス8.8%との値が発表されている(いずれも前年同月・既存店ベース)(【吉野家月次発表ページ】)。

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↑ 牛丼御三家2013年5月営業成績(既存店)(前年同月比)
↑ 牛丼御三家2013年5月営業成績(既存店)(前年同月比)

吉野家にスポットライトをあて、昨年同月のデータと比較すると、一年前における客単価前年比はプラス5.3%。今月はそこから転じて11.5%の下落をしている。これは主力商品の牛丼を値下げしたのが原因(【吉野家が牛丼を280円に値下げ・牛丼御三家横並び状態に】)。御三家の中では最大の下げ幅となったが、その分、集客効果は十分以上のものがあり、客数は前年同月比で31.0%ものプラス、前々年同月比を算出すると11.4%のプラスとなり、これが売上高の押し上げに大きく貢献する形となる。

↑ 牛丼御三家2013年5月営業成績(既存店)(前々年同月比)
↑ 牛丼御三家2013年5月営業成績(既存店)(前々年同月比)

トマトカレー(松屋)松屋は今回月では、「ネギ塩豚カルビ定食」「ネギ塩チキングリル定食」「トマトカレー」など客単価の底上げが期待できる新商品を次々に投入。これが功を奏したのか、客単価は御三家で唯一前年同月比がプラスとなった。しかし客の入りは思わしくなく、売上高はマイナスを記録してしまう。

すき家はあまり大きな動きは無かったが、該当月の月末には【すき家で今年も「うな丼」「うな牛」発売】の通り、うなぎ関連商品を投入。対象期日はわずかだが、これも貢献してか、客単価の下げは最小限に留まっている。しかし客数は大きく減り、これを受けて売上高もマイナスに。

↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2013年5月)
↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2013年5月)

「前々年同月比」のグラフを見ると分かるのだが、今回の松屋・すき家での客数の減少は、「前年同月が盛況だったので、その反動」というものでは無く、継続して起きている現象であることが分かる。客単価ではそれなりに健闘していても、客数減退が著しく、それが売り上げの足を引っ張っている形。

特に両社では震災以前に反復する形で行われていた安売りキャンペーンによるブランド力の低下、利用客の廉価商品への慣れのくさびを切るべく、これまで以上に付加価値の高い、比較的高価格な商品展開が相次いでいる。しかしそれ以上に客足の遠のき具合は著しく、頭の痛い状況が展開されている。

吉野家が突出する客数動向


来場客減少による売り上げの低迷は、もはや疑うべきところが無い。松屋は14か月、すき家は18か月、客数の前年同月比マイナスが継続している。吉野家は先月から続き2か月連続して来店者数をプラス化しており、先の「値下げ」が効力を発揮した形となった。

↑ 牛丼御三家客数推移(既存店)(前年同月比)(2011年1月-2013年5月)
↑ 牛丼御三家客数推移(既存店)(前年同月比)(2011年1月-2013年5月)

顕著な減少が起きているのは2011年夏からであることから、客数減少は震災も起因の一つと考えられる。しかし一方で、「牛丼離れ」的な動き、さらには消費全体の性向そのものに変化が生じ、客足の遠のきを招いている可能性は高い。その一因として、【コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる(2012年12月分まで反映)】で指摘したように、コンビニの日配食品の充実があると考えられる。

今回月も前回に続き、吉野家の牛丼値下げによる効果が(特に集客の面で)目立つ形となった。しかしこれが利益(売上ではない)に結びついているかまでは月次の公開情報だけでは判断できない。四半期単位で発表される決算短信も合わせ、しばらくは、牛丼御三家の中でも、とりわけ吉野家の動向に注目していきたい。


■関連記事:
【牛丼御三家の店舗数推移などをグラフ化してみる(2012年8月分まで対応版)】

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