携帯・PHSなど合わせて233.8%の普及率…総務省、2023年3月末時点の電話通信サービスの状況を発表(最新)

2023/08/18 02:40

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2023-0817総務省は2023年6月23日、電気通信サービスの契約数やシェア動向に関する現状をまとめた報告書【電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表(令和4年度第4四半期(3月末)) 】を発表した。2023年3月末時点における日本の携帯電話(従来型携帯電話、スマートフォンの双方を含む。以下同)の普及率や各事業者のシェア動向などを一堂に集めたもので、携帯電話の普及実態を網羅した内容となっている。今回はその公開値を基に、過去のデータも用い、日本の携帯電話の普及状況の推移と現状を確認していくことにする。

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携帯電話の普及率は「インフラの整備」としてだけではなく、調査用のツールとして汎用化してもよいか否かの判断基準としても、大いに注目を集めている。今回発表された「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表」によると、2023年3月末時点、つまり2022年度末の携帯電話契約数は2億1063万件、PHSは6万件、さらにBWA(Broadband Wireless Access、広帯域移動無線アクセスシステム。代表的なのがWiMAX)が8428万件で、合わせて2億9497万件となり、直近の国勢調査となる2020年国勢調査における日本の総人口1億2614万6099人に対して233.8%の値(老若男女を問わず)(国勢調査は5年おきの実施のため、現時点でこの値が最新値)を示すこととなった。また、BWAをのぞいた携帯電話に限っても167.0%で、100%を突破している。

↑ 携帯電話・PHS・BWA加入数(万件)
↑ 携帯電話・PHS・BWA加入数(万件)

↑ 携帯電話関連の加入数に対する人口普及率
↑ 携帯電話関連の加入数に対する人口普及率

この数年「携帯電話+PHS+BWA」の上昇幅が大きくなっているが、これは高齢層への携帯電話の普及の加速化(「家族割」など、通話料金が格安・無料になる世帯向けサービスの浸透)、スマートフォンの普及に伴う「従来型携帯電話」「スマートフォン」の2台持ちによる契約数の上乗せ、さらにはBWAの浸透、そして未成年者への携帯電話、特にスマートフォンの普及率上昇など、複数要因が挙げられる。携帯電話のみでの単純試算による普及率は2012年3月末時点で100%を超えたが、その後も上昇は継続されており、2023年3月末では167.0%にまで至っている。

携帯電話のみの普及率をもう少し幅広い期間を対象としたグラフで示すと、次の通りとなる。携帯電話の歴史そのものが語られているようで興味深い。

↑ 携帯電話人口普及率(PHSやBWA除く)
↑ 携帯電話人口普及率(PHSやBWA除く)

1995年以降の加速度的な上昇、2003年からのやや落ち着いた流れ、そして2012年あたりからの再加速的な上昇が手に取るように分かる。

今件はあくまでも単純に頭割りした結果としての普及率の動向だが、実態としては高齢層を中心に、一部年齢階層で普及率が低迷しているのも否定できない。そしてそれはデジタルデバイド(技術的格差)の問題にもつながる。冒頭で触れた「調査用のツールとしての携帯電話」を考察した場合、「携帯電話で調査をした際に、高齢層の値が少なめに出てしまう(普及率が低いため)」といった問題が生じる。他調査の高齢層における普及率を基にしたウェイトバックを行わないと、現状に即した結果とは言い難いデータが出てしまうことに、注意する必要がある(これは固定電話経由でのインタビュー形式における、若年層に対する問題と同様である)。

今後スマートフォンの普及率の上昇で、この年齢階層間のギャップ問題が少しでも解決できると喜ばしいのだが。


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