年齢階層別のテレビ普及率をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/05/19 10:42

インターネットが普及しスマートフォンやタブレット型端末が多くの人の手に収まる昨今においても、テレビが相変わらずメディアの主体の立ち位置にあり、多くの人に視聴される映像機器に違いは無い。また日本では諸外国と比較して、とりわけ高齢者において、テレビを神格化する傾向が強く、テレビはさまざまな方面で強い影響力を有し続けている。今回は内閣府の【消費動向調査】を基にテレビの普及率などの推移を介して、いかに深く浸透しているかを再確認すると共に、状況の変化のある無しに関しても見ていくことにする。

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「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明を行っているので、そちらを参照のこと。まずは総世帯(全部の世帯)における、世帯主の年齢階層別、カラーテレビ(ブラウン管から薄型まで全部を合わせた)普及率の推移。ただし2014年からはブラウン管テレビは除外している。

↑ 世帯主年齢階層別カラーテレビ普及率(総世帯)(3月末時点)(-2016年)(2014年以降はブラウン管除外)
↑ 世帯主年齢階層別カラーテレビ普及率(総世帯)(3月末時点)(-2016年)(2014年以降はブラウン管除外)

ブラウン管をのぞいたのは、地デジへの切り替えや市場動向を鑑み、実質的に活用している世帯はほとんどないとの現状に即した調査を行うため。しかしその結果、2014年分は有意な形で各年齢層とも落ち込みを見せることとなった。

ただしよく見直すと若年層ではさほど下落が無く、前年からの動向の限りではブラウン管対象外の影響(ブラウン管テレビのみの保有で、今件項目には回答対象とならなかった人)はほとんどないと考えても良い。一方で中堅層以降では明らかに大きな影響が、特にシニア層で生じており、ブラウン管テレビの保有について「若年層はほとんど無かった」「シニア層は結構な量で保有していた」ことが再確認できる。そのブラウン管による変動を除けば、若年層と、中堅層・シニア層との間に小さからぬ普及率の差が生じている状況に変化はない。

2015年はテレビに対する世代間の意識格差が顕著に現れる形となった。ブラウン管の考慮外で一度下がった普及率は、2015年では中堅層以降は再び増加し、薄型テレビへのシフト普及が進んでいることが確認できる。一方で若年層では急速な下げ幅を示しており、ブラウン管の考慮外といった特殊事情をのぞいても、若年層における急速なテレビ離れが進んでいることがうかがえる結果が出ている。直近となる2016年は29歳未満で5.9%ポイントもの上昇を見せたが、なお30歳以上との大きな隔たりがある状況に変わりはない。

続いて昨今のテレビ普及率と大きな関係がある、ブラウン管テレビ・薄型(液晶・プラズマ)テレビの普及率を併記してみる……とはいえ、ブラウン管テレビはデータが取得されていないので、グラフは2013年止まりとなっている。また当然ながら2014年以降は、テレビ総体と薄型(液晶・プラズマ)テレビの普及率は同じ値を示している。

↑ 世帯主年齢階層別カラーテレビ普及率(総世帯)(ブラウン管)(-2016年)
↑ 世帯主年齢階層別カラーテレビ普及率(総世帯)(ブラウン管)(-2016年)

↑ 世帯主年齢階層別カラーテレビ普及率(総世帯)(薄型(液晶、プラズマ))(-2016年)
↑ 世帯主年齢階層別カラーテレビ普及率(総世帯)(薄型(液晶、プラズマ))(-2016年)

これらの動向からは

・世帯からのブラウン管テレビの撤去は全世帯で進んでいる。特に若年層が加速度的に進行している。2014年以降のデータは無いが、恐らく若年層はほぼゼロ、中堅層以降でも1割程度にまで落ち込んでいることが予想される。

・薄型テレビの普及は全世帯で順調に進んでいる。特に30歳以上が伸びていた。

・29歳以下は「ブラウン管テレビを積極的に手放し、薄型テレビへは他世代と比べれば買い替えをあまりしていない」傾向が見られる。結果として、カラーテレビ全体の普及率で、30歳以上世帯とのかい離に直結することになる。

・2013年以降はブラウン管テレビの撤去状況がほぼ終了。また薄型テレビの普及状況に天井感。

・2015年に若年層の大きな減少。世代間におけるテレビへの意識のギャップの表れか。2016年には回復したものの、中堅層以降との間には引き続き大きな隔たり。

などの傾向がつかみとれる。もっとも注目すべきなのは、29歳以下の若年層でのテレビ全体の普及率が低い理由として「ブラウン管テレビから薄型テレビの買い替えタイミングで、テレビそのものを置かなくなった」動きがあるのが読み取れること。さらには一人暮らしを始める若年層が、テレビそのものを必要とせずに購入しない、つまり買い替え以前の問題の事例も出てきたものと考えられる。

2013年以降における薄型テレビ普及率の天井感にも要注目。通常の買い替え機会(例えば故障)に伴う更新や、引っ越しや新居住まいの際の新規購入はこれまで通りだが、形式切り替えによる買い替えは、今後ほとんど望めないことが見て取れる。普及率の上昇の動きが、現状における飽和状態を示しているからだ。



良い機会なので「1世帯あたりのカラーテレビ保有台数」も更新しておくことにする。無論こちらもブラウン管については2014年分以降のデータは存在しない。また2014年以降は総数=薄型のため、グラフの折れ線が一致してしまっている。

↑ 1世帯あたりのカラーテレビ保有台数(全世帯対象)(総世帯)(-2016年)
↑ 1世帯あたりのカラーテレビ保有台数(全世帯対象)(総世帯)(-2016年)

世帯当たりの普及率と似たような形を示している。ただし全体・総数が少しずつ減っており、ブラウン管から薄型テレビに移行するのと合わせ、少しずつテレビそのものの整理統合もなされていることが容易に想像できる。2015年以降はいくぶん台数が増加しているが、これは薄型テレビの出荷台数分析記事で触れている通り、CATVのアナログからデジタルへの自動変換サービスが2015年春に一斉終了するのに伴い、チューナー購入では無くデジタル対応の薄型テレビに買い替えをした結果が数字となって表れたものと考えられる。

今調査結果では、携帯電話などを利用した「ワンセグ」の保有率(利用率と呼ぶべきか)を含んでいない。特に若年層に普及が進んでいると思われるワンセグを加味すれば、もう少し違った値が出ることは想像できる。

しかしワンセグの視聴スタイルは明らかに固定型テレビと違う実情を考えれば、そして携帯電話自身でも、ワンセグ機能が積極的に使われていない現状を考えれば、「同じテレビ視聴」としてカウントするのも問題がある。やはり今件調査のように、テレビ本体として存在しているものを数える方が実情にかなっている。あくまでも今調査は耐久消費財そのものの保有動向の状況確認が主目的なのだから。


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