テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(下)……乗用車やエアコン、デジカメなど(2016年)(最新)

2016/05/19 05:07

先に【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)…テレビ・パソコン・ファックスなど】において、内閣府の【消費動向調査】の調査結果を基に、主要耐久消費財(テレビや自動車など、長期に渡って使用される商品。原則的に1年以上の使用によるもの)の普及率の現状などを、カラーテレビやパソコン、ファックスなどについて行った。今回はそれに続く形で、同様の切り口を用い、エアコンや空気清浄器、デジカメなどの、日常生活に深く浸透している家電製品に関して、その世帯普及率の現状や推移を確認していくことにする。普段何気なく使っている商品達が、世間一般にはどれ程普及しているのかを知る、良い機会になるはずだ。

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空気をきれいに、温度を快適に…エアコンと空気清浄器


「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

最初に「三種の神器」のうち「クーラー」に該当する「ルームエアコン」を取り上げる。「クーラー」そのものは夏の節電や健康管理問題とも深い関係があるため、重要案件として、別途先行する形で【エアコン普及率をグラフ化してみる】にて詳しく解説している。

公開値だが実は連続性に多少問題がある。1973年までは「クーラー」(冷房のみ)について尋ねており、厳密に考えると1973年までと1974年以降の間につながりはない。しかし1973年以前ではエアコン(冷暖房)はほとんど普及していなかったと考えられるので(だからこそ調査の際には考慮されなかった)、実質的には無視できる誤差と見なせる。

↑ エアコン(クーラー)普及率と、保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(3月末時点)(-2016年)(再録)
↑ エアコン(クーラー)普及率と、保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(3月末時点)(-2016年)(再録)

↑ エアコン(クーラー)普及率と、保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(3月末時点)(2001年-)(再録)
↑ エアコン(クーラー)普及率と、保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(3月末時点)(2001年-)(再録)

統計データで取得内容を「エアコン」に切り替えた年前後から普及率は上昇し始める。そして「2世帯に1世帯がエアコン持ち」、つまり過半数に達したのは1985年、普及率急上昇の真っ盛りの時期。そして1990年代後半には「5世帯に4世帯まではエアコン装備」の状態になった。その後上昇率はゆるやかなものとなり、90%あたりで横ばいのまま推移している。居住環境の事情や地域性からエアコンを装備できない、必要のない環境もあることを考えれば、ほぼ天井というところだろう。

ただし2011年以降は少しずつではあるが確実に上昇の動きがある。震災以降節電意識が高まったのは事実だが、同時に夏季における高齢世帯の無理な環境下での生活に対する、注意啓蒙意識も向上したこともあり、整備が進められているのかもしれない。直近2016年では前年比1.3%ポイントの増加、92.5%を計上している。

続いて空気清浄機。エアコンほどでは無いにせよ、昨今では花粉に加えて黄砂やPM2.5問題が世間を騒がせており、注目を集めつつある家電。

↑ 空気清浄機普及率(二人以上世帯)(3月末時点)(-2016年)
↑ 空気清浄機普及率(二人以上世帯)(3月末時点)(-2016年)

↑ 空気清浄機普及率(住宅所有関係別)(2016年3月末)
↑ 空気清浄機普及率(住宅所有関係別)(2016年3月末)

↑ 空気清浄機普及率(住宅所有関係別)(2015年3月末)(参考)
↑ 空気清浄機普及率(住宅所有関係別)(2015年3月末)(参考)

空気清浄機の普及率は2013年に「5世帯に2世帯」を超え、それ以降は横ばい、あるいは微増の動き。2007年以降では2013年はもっとも大きな上昇幅(プラス3.5%ポイント)を示したが、これは黄砂・PM2.5関連がしきりに報じられ、空気清浄機が大きな注目を集めたことが関係していると考えて問題ない。

また、世帯種類別では単身世帯よりは一般世帯の方が普及率が高い。これは複数人数が同時に利用する(特に子供の健康を考慮)ため、必要性が高いとの判断によるもの。見方を変えれば「単身世帯」は「一人暮らしだから、空気清浄機のような大げさなのは要らない」と判断している可能性が高い。

2016年における2015年からの変移を見ると、給与住宅における大きな下落の動きが確認できる。該当母数が少数(単身世帯は18世帯、二人以上世帯は50世帯)のため誤差による変動の可能性もあるが、注目すべき流れには違いない。

デジカメやDVDプレイヤー


続いてエンタメ色の強いデジタル系アイテムとして、デジカメ(デジタルカメラ)について。

↑ デジタルカメラ普及率と保有世帯あたり平均保有台数(二人以上世帯)(3月末時点)(2004年までは「デジカメ付き携帯電話」含む)(-2016年)
↑ デジタルカメラ普及率と保有世帯あたり平均保有台数(二人以上世帯)(3月末時点)(2004年までは「デジカメ付き携帯電話」含む)(-2016年)

↑ 性別・世帯主世代別デジカメ普及率(2016年3月末)
↑ 性別・世帯主世代別デジカメ普及率(2016年3月末)

2004年から2005年にかけて大きな減少が起きている。これはグラフタイトルにも注意書きしているが、2005年以降は「デジタルカメラ機能付きの携帯電話を除外した」のが原因。デジカメそのものはデジカメ機能搭載の携帯電話の普及と、その機能の高性能化により、汎用機は市場で非常に厳しい立場にある。大手メーカーは次々に、携帯電話に搭載されているレベルの機能を持つデジカメの販売を縮小したり、市場から撤退を続けている。そして昨今では「携帯デジカメをはるかに超える超高性能・多機能」化を推し進め、難局を乗り切ろうとしている。

現状では普及率は漸増中から2014年に(2005年のイレギュラー以外では)はじめて減少に転じ、2015年も減少、そして直近の2016年でようやく増加に転じたが、上昇幅は微少で誤差の領域内。来年以降再び減少する可能性は多分にある。携帯電話、特にスマートフォンの普及が進むに連れ、一般的な家庭におけるデジカメ機能の需要は、スマートフォンなどにシフトしつつあるようだ。ただし手持ちのデジカメを意図的に廃棄する事例は考えにくいので、今後普及率減退傾向が顕著化するにしても、ゆっくりとしたスピードに留まることだろう。

映像媒体録画再生機器。最近はブルーレイなど高画質化が進んでいる。

↑ DVDプレイヤー・レコーダー普及率(二人以上世帯)(3月末時点)(2016年)
↑ DVDプレイヤー・レコーダー普及率(二人以上世帯)(3月末時点)(2016年)

↑ DVDプレイヤー・レコーダー普及率(二人以上世帯)(3月末時点)(-2016年)(DVDは2014年からDVD(再生録画兼用機)に統合)
↑ DVDプレイヤー・レコーダー普及率(二人以上世帯)(3月末時点)(-2016年)(DVDは2014年からDVD(再生録画兼用機)に統合)

2005年からは「再生専用機」「再生録画兼用機」の値も公開されている。そして2010年分からはBD(ブルーレイディスク)も追加されている。逆に2009年までは、BDは光ディスクプレイヤー・レコーダー全体にカウントされていない(ごく少数として無視されていた)。さらにDVDの「再生専用機」は汎用性が薄れたこともあり、2014年からは調査対象外となっている。2014年において総合普及率が有意な形で落ち込んでいる、「再生録画兼用機」が上昇しているのは、これも一因だろう。

全体的には光ディスク再生・録画機は3/4の世帯が保有している計算になる。DVDの再生・録画双方が出来るタイプは6割近く。BDも5割近くを計上している。

テレビ放送の地デジへの切り替えも成され、今後はますます映像媒体録画再生機器の普及率が高まるはず。しかし総合値が2009年から2010年で減少し、同時に「DVD再生録画兼用機」も大きく減少している。これはテレビそのものをDVDと共に廃した可能性が考えられる。

一方でBDは大きく飛躍の真っただ中だった。もうすぐ5割に届きそう。他方、物理メディアを用いた再生では無く、インターネット回線を通じて配信される映像による映像観賞(スマートテレビやインターネットの有料動画配信サービス)が類似需要の受け皿として浸透し続けており、これが普及率上昇に足止めをかける可能性がある。今後の普及率に関する方向性は推測が難しい。

三種の神器の一つ、乗用車は?


最後は三種の神器の一つ、乗用車の動向。

↑ 乗用車普及率(二人以上世帯)(3月末時点)(-2016年)
↑ 乗用車普及率(二人以上世帯)(3月末時点)(-2016年)

↑ 乗用車普及率(二人以上世帯)(3月末時点)(2001年-)
↑ 乗用車普及率(二人以上世帯)(3月末時点)(2001年-)

「新車購入」による自動車保有、「中古車購入」による保有での普及率は1983年からデータが取得されている。また、2006年から2007年において「中古車」と「新車」に大きな変化があるが、これは調査票上の表記を単純な「新車」「中古車」から、「新車で購入したもの」「中古車で購入したもの」に変更したのが原因で、この年に急激な乗用車の需要変化が生じたわけではない。2006年以前の「中古車」区分の値には「新車として買った。しかし現在は自分が使っているので中古車だから、普及率としては『中古車』区分に」と勘違いして回答した人がいることになる(これは公開値上の注意書きでも言及されている)。

1961年には2.8%でしかなかった乗用車普及率だが、1960年代後半から急速に上昇。そして1978年には過半数に届き51.7%に達し、「二人以上世帯では半数が自動車持ち」の状態となる。その後も普及率は上昇を続けるが、1990年で上昇機運は終わりを告げ、それ以降はほぼ横ばいに転じている。自動車を必要と考えている(あるいは他の項目と天秤をかけて「乗用車」の調達に傾く)世帯にはほぼ普及してしまったのだろう。いわゆる「飽和状態」。

今後電気自動車の浸透に伴い、普及率がどのような変化を見せるのかが気になるところ。2012年にはそれによるものと思われる小さからぬ上昇があったが、それ以降は大よそ下げ基調の中にある。半ば陳腐な言い回しと化した感が強い「若者の自動車離れ」だが、二人以上世帯全般においては「あらゆる年齢層の自動車離れ」と推定できる結果も出ている。



今件対象項目では大気汚染問題の話題が登るのと同じタイミングで空気清浄器の普及率が上昇したり、デジカメの普及率の頭打ちから減少への転換など、周辺環境の変化に合わせた動きが確認できた。あくまでも相関関係でしかなく、因果関係を立証することはかなわないが、大いに注目できる動きではある。

今後この傾向が継続するものなのか否か、来年以降の動向にも注意を払い、検証を続けることにしよう。


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