飲酒運転を確実に防止する駐車場
2013/05/27 14:45


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↑ How to literally stop people from driving drunk?
これは1989年に誕生した、ベルギーの歴史あるボランティアグループ「RYD(Responsible Young Drivers)」が実施したもの。このグループでは名前通り若年層のドライバー諸子に「責任ある運転」を呼びかけ、交通安全の向上を目指している。
彼らが開発したのは「The alcohol barrier(アルコールバリアー)」と呼ばれるもの。毎日自動車による来場客で駐車場が満車となるクラブ「Carre'」の、特にお客が集まる22周年記念のパーティーの際に導入された。

↑ ぎっしりと駐車場に詰まった自動車達
通常の駐車場出口での「検問」では、駐車料金を支払うなり、会場内で手渡されるチケットを用いることで遮断棒が開き、駐車場を出ることができる。ところがこの「アルコールバリアー」では、警察の検問などで用いられる「アルコール検出器」と連動しており、ドライバーはそのチェックを受けねばならない。

↑ アルコール検出器をあてがい、チェックを行う
息を吹きかけ、アルコール量を検出。運転するのに(法的に)問題が無い量ならば遮断棒が開き、帰路につくことができる。ところが運転に不適切な量のアルコールが検出されると、遮断棒は開かない。「運転には不適切ですので通せません」となるわけだ。
対処法として、運転を酔っていない同席者に代わってもらい再度チェックをするか、酔いが醒めて検出されなくなるまで、駐車場内で休むことになる。

↑ アルコール検出に引っかかった運転手を助手席に載せて再チェック

↑ 一人で来た人は酔いがさめるまで駐車場内でお休み
これならほぼ確実に、このクラブからの帰路の途中での飲酒運転、そしてそこから生じる悲劇を防ぐことができる。
この試みは複数のメディアで紹介され、その意義が大いに知られることとなった。そして事故の発生を防ぐだけでなく、社会的責任の観点からも、他の音楽イベントや運営組織も「アルコールバリアー」の導入・運用を望んでいるそうだ。
駐車場から自動車が出るタイミングは重なる場合が多い。ラッシュ時にアルコールチェック用の吸引部分の処理をどうするかの問題が生じる。しかし今件の仕組みは発想として、非常に合理的で有意義なもの。日本でも導入を検討してほしいものだ。
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