テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)…テレビ・パソコン・ファックスなど(最新)

2018/04/27 05:07

2018-0424テレビや冷蔵庫、エアコン、洗濯機など日常生活を支えるさまざまな家電商品の普及・利用状況について、先に掲載した【エアコン普及率をグラフ化してみる】を皮切りに、内閣府が2018年4月9日に発表した【消費動向調査】の最新版の公開値を基に、多種多様な方面からその現状・動向を精査している。今回はパソコンやファックスをはじめとした家電製品全般について大まかな形で、その普及率などの推移を確認していくことにする。

スポンサードリンク


薄型テレビは頭打ちからブラウン管テレビ除外の影響で落ち、そして…


「消費動向調査」そのものの解説や世帯の区分、普及率の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

まず最初はカラーテレビについて。テレビ全体としての普及率は100%に近い。

↑ カラーテレビ普及率/保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(各年3月末時点)(2014年からブラウン管テレビは除外)
↑ カラーテレビ普及率/保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(各年3月末時点)(2014年からブラウン管テレビは除外)

↑ カラーテレビ普及率/保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(各年3月末時点)(2001年-)(2014年からブラウン管テレビは除外)
↑ カラーテレビ普及率/保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(各年3月末時点)(2001年-)(2014年からブラウン管テレビは除外)

有意値の確認ができるもっとも古い年、1966年にはわずか0.3%だったカラーテレビ普及率も急カーブを描いて伸び、1972年には61.1%と半数を突破(その前年1971年は42.3%)。1975年には90.3%と「10世帯のうち9世帯までがカラーテレビを保有」の状態になった。以降、99.0%付近を中心に、誤差でゼロカンマ数%の値を上下しながらの状態が続いていた。

そしてグラフタイトルにもある通り、2014年分からブラウン管テレビが回答項目から除外される。2014年において有意な形で下落を示したのは、これが原因と考えられる。実際、翌年の2015年には上昇を再開し、以前の99%台に戻る勢いを示していた。

ところが2017年では再び下落に転じ、2014年の値(96.5%)に近づく96.7%を計上している。いわゆる「テレビ離れ」が数字となって表れ始めたのか、あるいは単なるイレギュラーか、現時点では判断が難しい。もっとも直近年となる2018年でも前年比で下落は継続している。もう1、2年この傾向が計測すれば、「テレビ離れ」が数字として表れたと見てよいだろう。

保有世帯における保有台数も順調な伸びを示していたが、2005年を天井にその後は減少している。2014年以降はほぼ横ばいの動きだろうか。2018年では2.18台/保有世帯(全世帯比では無いことに注意)。少子化による世帯構成人数の減少が影響を与え始めたこと(一人で何台もテレビを有する人など滅多にいない)、そして何より地デジ化への切り替えでテレビの買い替えが一斉に進んだ際、各保有世帯での整理統合が行われた結果と考えられる。

カラーテレビをもう少し詳しく探ってみる。かつて公開データ上では「ブラウン管カラーテレビ」と「薄型(液晶、プラズマなど)カラーテレビ」の2区分について、それぞれ普及率が掲載されていた。2005年以降しか調査されておらず、やや雑なグラフになるが、薄型テレビの急速な普及率の高まり、ブラウン管テレビの処分による低下が確認できる。なお2014年分からは「ブラウン管カラーテレビ」が回答項目から除外されているため、グラフでも「ブラウン管カラーテレビ」は2013年で更新が終了している。

↑ カラーテレビ普及率(種類別)(二人以上世帯)(各年3月末時点)
↑ カラーテレビ普及率(種類別)(二人以上世帯)(各年3月末時点)

↑ カラーテレビ保有台数率(種類別、保有世帯あたり)(二人以上世帯)(各年3月末時点)
↑ カラーテレビ保有台数率(種類別、保有世帯あたり)(二人以上世帯)(各年3月末時点)

2010年には「ブラウン管カラーテレビ」と「薄型テレビ」はほぼ同率(それぞれ71.6%・69.2%)となり、以後両者の普及率はそれぞれ減少・増加していく。2013年時点では薄型テレビの普及率は9割5分をも超え、「ブラウン管カラーテレビ」はその時点で1/5以下にまで低下している。また、保有世帯あたりの台数推移を見ても、2010-2011年に両者の立ち位置の転換が起きた事が分かる。

一方、直近数年間に限れば、「ブラウン管カラーテレビ」の減少(2013年まで)、「薄型」の増加はそれぞれ穏やかな変移に移行している。特に「薄型」は保有台数も普及率もほぼ横ばい。現在の平均世帯人数を考慮すると、そろそろピークに達したのかもしれない。

パソコンとファックスの普及率


次にパソコンの普及率。このデータはあくまでもパソコン本体(もちろんディスプレイなど、利用のために必要な周辺機器を含む)そのものの普及率であり、インターネットに接続している・アクセスできるパソコンの普及率では無い。インターネットの普及率については別の記事を参考のこと。またデスクトップパソコン、ノートパソコンの種類分けは成されていない。

もちろん現在ではパソコン利用者がほぼインターネット利用者なのは間違いない。しかし一方で、昨今では携帯電話や家庭用ゲーム機でも本格的にインターネットへの接続ができるため、パソコン利用率=インターネット利用率では無い(普及率から鑑みるに、パソコン利用率<<インターネット利用率)ことも留意しておく必要がある。

↑ パソコン普及率/保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(各年3月末時点)
↑ パソコン普及率/保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(各年3月末時点)

↑ パソコン普及率/保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(各年3月末時点)(2001年-)
↑ パソコン普及率/保有世帯における平均保有台数(二人以上世帯)(各年3月末時点)(2001年-)

パソコン普及率は1990年後半から急速に上昇しはじめたが、2004年の65.7%で勢いは頭打ち。その後再び上昇を見せるも、70%を超えた付近で増加度合いはゆるやかなものに。携帯電話(従来型、スマートフォン双方合算)の普及率と比べると約20ポイントも低いのが印象的。

またこの数年、保有世帯あたりの保有台数が横ばい、さらには漸減している動きが見られる。これはスマートフォンやタブレット型端末の普及により、パソコンを複数台整備しない・する必要が無い世帯事例が増えているのが要因だと推測される。例えばかつては父親以外に母親や子供もパソコンが必要な環境でも、今はパソコンを使うのは父親だけで、子供や母親はタブレット型端末やスマートフォンでインターネット関連の利用をこなしていくといった図式である。

文章の生成をはじめとした業務面をはじめとする各種実務作業にはキーボードを持つパソコンは欠かせないが、ウェブへのアクセスやアプリの利用だけなら、スマートフォンやタブレット型端末で十分代替しうる。さらにタブレット型端末の中にはキーボードを取り付けるなどの仕組みで、ノートパソコンと何ら変わりの無い性能を発揮するものもある。昨今特に若年層におけるキーボード離れ、パソコン離れに関する話題をしばしば見聞きするか、その傾向が消費動向調査にも反映され始まった感はある。

ちなみにタブレット型端末だが、2013年分までは回答者側の判断で、パソコンとして回答している可能性があった(何しろ回答項目として「タブレット型端末」そのものが無かった)。しかし2014年からはタブレット型端末は別途個別項目が用意され、完全に分離しての回答となる。

最後にファクシミリ(ファックス)。最近は通信回線の高速化、電子メールの普及に加えて、ソーシャルメディア経由で相手に情報を送る場合も増えている。また、ストレージサービスを活用して大容量ファイルを送ることも珍しくなくなった。ファックスの必要性がこの数年の間に、急速に薄れてきたことは否めない。

↑ ファックス普及率(二人以上世帯)(各年3月末時点)
↑ ファックス普及率(二人以上世帯)(各年3月末時点)

↑ ファックス普及率(二人以上世帯)(各年3月末時点)(2001年-)
↑ ファックス普及率(二人以上世帯)(各年3月末時点)(2001年-)

ファックスの普及率は2006年に56.7%に達し「2世帯に1世帯はファックス持ち」を実現。しかしその後は、普及率はほぼ横ばい、さらにはわずかずつだが減少傾向にある。2018年においては52.4%。前年比2.7%ポイントの減。必要性が薄れた状況は否定できず、新規購入者は減っているだろうが、同時にすでに調達している人がわざわざ廃棄する必要性も無く、普及率は大きな減少も増加も無いだろう。引越しや故障の際に、買い替えや修理をせずに破棄してしまうケースは多分に想像できる。



今回更新した諸グラフによる動向からは、特にカラーテレビの普及が他のデジタル系メディアと比べていかに早かったかが改めて確認できる。中でも1960年後半以降の急カーブぶりはほとんど垂直との感すら覚える。また、そのカラーテレビですら、最近はブラウン管から薄型テレビへの世代交代が成され、これもまた世間一般の実情を再認識させられる。

「ブラウン管カラーテレビ」の動向を確認できなくなったのは残念だが、地デジ化、さらには消費税率引き上げに伴う駆け込み需要も併せ、相当数が廃棄されたものと考えられる。ブラウン管テレビには「スマートフォンでなく従来型携帯電話にもメリットがある。だから保有し続ける」のような、携帯電話のような事情も無い。仮に調査項目として存続していたとしても、普及率はよくて1割程度に留まっていたのでは無いだろうか。


■関連記事:
【カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる】
【さらに増加のモバイル利用、減るテレビとPC…メディア接触時間推移】
【薄型テレビの約半分はネット対応…インターネットテレビの出荷動向をグラフ化してみる】
【固定電話がある理由、「通話」「FAX」そして「ネット回線利用」】
【パソコンの買い替え年数をグラフ化してみる】

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー