天候の悪さだけでなく、雑誌やたばこが低迷し来客数・客単価共にマイナス継続…2013年4月度コンビニ売上高は2.6%のマイナス、11か月連続

2013/05/21 20:45

2013年5月20日に日本フランチャイズチェーン協会が発表した、同年4月度のコンビニエンスストアの統計調査月報によると、コンビニの同月度の売上高は前年同月比で-2.6%と11か月連続のマイナスを記録した。来客数は11か月連続でマイナス、平均客単価は3か月連続のマイナスで、主要項目すべてがマイナスとなっている(いずれも既存店ベース)。同協会側では平均気温の低さや降水量の多さに加え、昨今の傾向として顕著化しつつある、雑誌やたばこなどの購入者減少に伴う客数の減少を原因の一つとして分析している(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

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今調査の概要および調査対象企業は過去の記事まとめ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で説明がなされている。そちらでチェックをしてほしい。

主要項目における前年同月比は次の通り。

●店舗売上高:既存店は11か月連続のマイナス、全店は2か月連続のプラス。
・全店ベース……+2.5%
・既存店ベース…-2.6%

●店舗数(前年同月比)
・+6.0%

●来店客数:既存店は11か月連続のマイナス、全店は25か月連続のプラス
・全店ベース……+3.5%
・既存店ベース…-1.7%

●平均客単価:既存店は3か月連続のマイナス、全店も3か月連続のマイナス。
・全店ベース……-1.0%(600.2円)
・既存店ベース…-0.9%(591.7円)

●商品構成別売上前年同月比(全店ベース)
・日配食品……+5.5%
・加工食品……+0.9%
・非食品………+0.7%
・サービス……+3.4%
・合計…………+2.5%

※既存店……1年以上営業中の店舗

4月は東日本を除き平均気温が低く、また東京などで過去最多の月間降水量を記録するなど、北日本・東日本で降水量が多い気候が続き、客足を遠のかせた。さらに、昨今の傾向として雑誌やたばこなどの「来店動機」となりうる商品の購入者が減少し、これもまた来客数の減少を招いている。一方、いわゆるカウンター商材は好調に推移したとのこと。

実際、商品構成比などのデータを見ると、たばこや雑誌が該当する「非食品」の項目の伸び率が一番低い。これは全店ベースの値なので、既存店ベースでは恐らく前年同月比でマイナスの値を示している。

一方、ここ数か月に渡りリリースでも言及されているが、カウンター商材(肉まんやおでん、揚げ物などレジ周辺の食材を中心とした商品)は堅調。昨今のコンビニが注力を続けている施策は、現状では確実に成果が出ている。

たばこと雑誌の後退…新たな「ついで買い」「来店目的」のアイテムは


最近ではリリースの定番文言となっている「たばこの販売減少」だが、今回はその減少懸念に「雑誌」まで加わることとなった。これらはいずれも購入者数が多く、さらに他の商品との合わせ買い、いわゆる「ついで買い」も期待できる、コンビニにとっては上得意的なアイテム。これらの商品そのものの需要が低下し、個々の商品の売上が減るだけでなく、来場客、さらには「ついで買い」需要まで減少している次第。

雨と寒さの
天候不順が
マイナス要因。
たばこだけでなく
雑誌までもが低迷。
店舗数は常に5%前後のプラスを維持しているため、近頃のコンビニにおける月次業績では「売上」「来客数」の項目で「全店プラス」「既存店マイナス」の結果が続いている。店舗の数的規模の拡大が、コンビニ市場全体の売上の一端を担っている。もっとも単純試算となるが、各店の売上そのものが同じならば店舗数の増大率と全店ベースでの売上増加率は同じにならねばならない。しかし今月はいずれも下回っており、改めて売上が低迷していることを実感させられる。

【コンビニでの「1店舗あたりの」たばこ販売動向をグラフ化してみる(2012年版)】でも詳しく説明している通り、たばこはそれ自身の売上が大きなウェイトを占めているのと共に(記事中実例に挙げたローソンでは、2012年の全売上の1/4ほどをたばこが占めている)、来店動機の一つにもなり、さらに「ついで買い」も期待できるアイテム。雑誌もまたそれに近い。ところが両者とも昨今では確実に購入者数も減り、購入者においても購入頻度・数も減っているため、コンビニはその減少分を補完しえる(汎用性が高く、定期的な来店機会が生じる)基軸商品・サービスを模索している。

ローソンの野菜売り場そのため昨今の一部コンビニでは独自ルートで入荷するなどさまざまな手立てを講じて、野菜販売を始めている。数年前まではとても考えられなかったような、店内、さらには店頭での野菜販売も、今ではごく普通の情景となった。

またカウンター商材(レジ周辺の食品系を中心とした商品)の一層の充実、スーパーマーケットにも似た販売スタイルの実行、設置しているマルチコピー機の多機能化による便宜性向上、淹れたてのコーヒー販売、各種エンタメ系商品の展開(「一番くじ」などのくじ景品の展示、「初音ミク」などのキャラクタ色の強いコンテンツとの連動企画)など、さらなる「多面化」を推し進め、客層の開拓、集客、リピーターの確保を模索している。中でもコーヒーは、「香り」による集客性の高さに加え、消費性向がたばこと類似し、しかも日配食品との相性も良いことから、各社とも本格的に力を入れている。

元々コンビニは流行、社会情勢の変化に敏感な商売をしている。狭い面積に効率よく商品を並べ、高い回転率で商売をしていくためには、その技能が無ければ生き残れないからである。一方、その機動力の高さと柔軟性によるビジネス展開は、他社業界にも少なからぬ影響を与えている。コンビニ業界の挙動は、それ単独のものとしてはもちろんだが、他業種との連動・影響作用という視点でも、眺めていきたいところである。


■関連記事:
【コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる(2012年12月分まで反映)】(コンビニの惣菜系商品の躍進が、牛丼などの一部ファストフードに影響を与えているのではないかとする話)

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