「たのしい幼稚園」が健闘中、「幼稚園」も横ばいへ…「小学1年生」-「小学6年生」などの部数動向(2013年1-3月分)

2013/05/28 08:45

先日5月17日に【少年・男性向けコミック誌の部数変化をグラフ化してみる(2013年1月-3月データ)】でお伝えした通り、【社団法人日本雑誌協会】は2013年5月15日、同協会公式サイト内の「印刷証明付き部数」公開データベースにおいて、2013年1月-3月の四半期データを新たに掲載した。今回はこの最新値を基に、3か月ほど前に掲載した記事の内容を更新し、現状の把握・再精査を行うこととする。

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データの取得場所の解説、「印刷証明付部数」など用語の説明、諸般注意事項は一連の記事まとめ記事【定期更新記事:雑誌印刷証明付部数動向(日本雑誌協会)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

データが取得できる2008年4-6月以降、3か月単位で「小学一年生」-「小学六年生」の「印刷証明付き部数」の推移を示したのが次のグラフ。「GAKUMANPLUS」は名前だけで判断すると今件記事の範ちゅうには無いようにも思えるが、創刊されたいきさつで(「小学五年生」「小学六年生」の統合・刷新版の立ち位置)、あえて反映させている。もっともこちらもすでに休刊済み。

↑ 小学一年生-六年生の印刷証明付き部数推移(2013年1-3月期まで対応)
↑ 小学一年生-六年生の印刷証明付き部数推移(2013年1-3月期まで対応)

学年が上がるにつれて学習学年誌から離れる、つまり「小学-年生」では無く他の雑誌・媒体に目が移るのは容易に想像ができる。しかしそれにも増して「小学五年生」「小学六年生」が今回のデータ領域内で、すでに部数的に元々存続的に危険な領域に達していたのが確認できる。そして、同じような流れを「小学三年生」「小学四年生」も見せ、その懸念が休刊という形で体現してしまう。

一方で「小学一年生」「小学二年生」は季節変動による上下のぶれも大きいが、他誌と比べれば多めの部数を示していた。しかし両誌も2010年以降は下降中。一時立ち直りの気配も見られたが(2012年初頭)、今四半期では前年同期比でそれぞれマイナス10.2%・マイナス13.5%という下げ率を示している。過去の事例(「小学三年生」など)からは「5万部が休刊検討の最終防衛ライン」に見えるが、「小学二年生」は今後のセールス次第でそのラインに手が届いてしまう。

幼稚園周りを追加してみる


同一ジャンルでの印刷証明部数の確認対象雑誌が2誌「小学一年生」「小学二年生」のみでは、あまりにも味気ない(元々6誌だったのだが……)。そこで先行する記事「その他色々な雑誌部数」の定期チェック記事で追加した幼稚園関連の3誌「入学準備学習幼稚園」「幼稚園」「たのしい幼稚園」を確認候補として加えることにしている。

次のグラフはその3誌を追加したもの。今回の記事で「など」が入っているのは、これらの幼稚園関係雑誌をも取り扱っているため。

↑ 小学一年生-六年生などの印刷証明付き部数推移(2013年1-3月期まで対応)
↑ 小学一年生-六年生などの印刷証明付き部数推移(2013年1-3月期まで対応)

幼稚園関連の3誌では「小学●年生」に大きく見られた季節属性は無い。むしろ1-3月期が、前期(10-12月期)よりも下げている事例も多い。そして「たのしい幼稚園」が横ばい、「幼稚園」「入学準備学習幼稚園」が少しずつ部数を減らしている。子供向け雑誌が厳しいのは、小学生を対象とした雑誌に限ったものではない。特に後者2誌「幼稚園」「入学準備学習幼稚園」はこの5年間でそれぞれ約半数に部数を落としており、危機的状況にある。

このグラフから現在は休刊中のものをのぞき、「現在も発売中」のものに限定して再整理したのが次の図。

↑ 現存「小学●年生」シリーズと幼稚園回り(一部)の雑誌・印刷証明付き部数推移
↑ 現存「小学●年生」シリーズと幼稚園回り(一部)の雑誌・印刷証明付き部数推移

やはり「たのしい幼稚園」が唯一横ばいで推移し、それ以外はパターンこそ異なれど、一様に軟調。「小学●年生」シリーズは毎年1-3月期に大きく売り上げを伸ばし、残りの3四半期でその勢いを少しずつ削っていくという乱高下な動きを示すので、やや派手に見えるが、全体的にはマイナス方向に進んでいるのには違いない。

また「入学準備学習幼稚園」は季刊誌ではあるが、かなり焦りを覚える領域に達している。5万部台に手が届いたのは2011年10-12月期で、それ以降は5万部を行ったり来たりしている。喜ばしい状況とはいえない。



小学生向け、幼稚園児向けの学習誌は、元々少子化というマイナス要因に加え、メディア環境の大きな変化という厳しい状況下にさらされた市場には違いない。それゆえに大胆で効果のある変化が求められている。子供本人、そして保護者の双方が喜んで手に取り中味を堪能し、次回も購入したくなるような雑誌作りを目指し、良い数字が出ているものに対しては、それが他誌の発想によるものでも素直に「良い所取り」を模索すべき。

「小学●年生」で現存している二誌「小学一年生」「小学二年生」は昨今ではこれまで以上に付録を充実させ、定期購読を今まで以上に強力にプッシュしており、状況の判断は出来ているものと思われる。問題はテコ入れが効果的なものなのか否か。効果が薄いものであれば、2013年第2四半期以降の値は、昨年同期と比べ、さらに落ち込むことが予想されよう。

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