景況感上昇、自動車注目続く(2013年5月個人投資家動向)

2013/05/20 20:45

野村ホールディングス(8604)のグループ会社である野村證券の一部門、投資調査部は2013年5月17日に、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査内容、及びその結果に関する分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2013年5月発表分、リリース一覧ページ】)。今後3か月後の株価見通しを聞いた「ノムラ個人市場観指数」は前回から反転する形で上昇している。また株価の先行きに対しては「小幅な上昇」を見込む意見がもっとも多いものの、先月よりは減少。しかしその一方で「中規模な上昇」を予想する意見が大きく増加しているのが注目に値する。

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今調査は1000件を対象に(有効回答数が1000件に達した時点で締切)2013年5月7日から5月8日に行われたもので、男女比は78.7対21.3。年齢層は50代がもっとも多く27.7%、次いで40代が28.1%、60代以上が27.6%など。金融資産額は1000万円-3000万円の層がもっとも多く27.8%、500万円-1000万円が20.2%、100万円-300万円未満が11.3%と続いている。回答者の投資経験年数は5年-10年未満以上がもっとも多く29.9%を占めている。次いで10年-20年未満が27.1%、20年以上が23.2%。いつもよりはやや若年層が多い。

投資に対し重要視する点は、概ね長期投資が最大値で50.0%と半数を占めている。ついで配当や株主優待が22.1%となっており、売買による売却益より、配当収入や優待確保など、中長期的な安定感を求めているのは、これまでの調査における調査対象母集団と変化はない。

詳細はレポートで確認してほしいが、概要的には

・投資指数は61.2ポイント。前回からは3.4ポイントの上昇。調査期間においては株価が大きく上昇していたことを受けて、相場が大いに躍進するであろうとの意見が増加したようだ。3か月後の日経平均株価の上昇を見込む比率は合計で80.6%となり、1.7%ポイントの上昇。「2000円程度の上昇」を見込む意見がもっとも大きく増加した。

・市場に影響を与え得る要因としては「為替動向」が2か月ぶりにトップ。「国際情勢」は大きく値を減らし、第二位に。キプロス、イタリアの問題がハードルを越えたことで安心感が浸透したようだ。また「国内金利動向」の注目度が大きく増加している。

・魅力的な業種は「自動車」「金融」「資本財・その他」「医薬品」の順。「通信」「素材」「電気機器・精密機器」「消費」「運輸・公共」はマイナス。円安の進行もあり、「電気機器・精密機器」の回復ぶりが著しい(それでもまだマイナスだが)。

・ドル円相場は前回より「円安ドル高に振れる」との考えが先月から増加。全体の77.1%となり、前月からは5.6%ポイント上昇して、2010年1月の調査開始以来最大値となった。

・アメリカドルに対する注目が急上昇し、初めて魅力的な通貨の上でトップになった。日本円がそれに続き、普段トップのオーストラリアドルは第三位に。

・もっとも注目を集めた金融商品は「国内株式」。株価の上昇を受け、注目度が大いに増加した。「預貯金」は第二位に。
という形になった。いくつかの項目で大きな動きが見られる。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、今月も先月に続きトヨタ自動車(7203)が安定のトップの座を確保した。

1位……トヨタ自動車(7203)
2位……ソフトバンク(9984)
3位……みずほフィナンシャルグループ(8411)
4位……ソニー(6758)
5位……野村ホールディングス(8604)
上位を占める銘柄はそれだけ投資家から注目を集めていると考えられる。今回は先月からはかなり上位陣が入れ替わり、株価の上昇、円安化が進む相場において活躍しそうな銘柄が上位に顔を見せている。一方でトヨタ自動車の桁違いな得票数は相変わらずだが、昨今の業績・株価動向を見るに、納得せざるを得ない。

ここ数年来世界の経済問題で大きく騒がれていた欧米の債務問題だが、未だに根本的な解決には至っていないものの、かつてのような絶望感からは距離を置いた、「牛歩ながらも確実に改善に向かっている」との雰囲気が感じられる。当事者の言からもその意気込みを知ることができる。

日本国内では昨年秋の情勢変化以降、概して堅調な動きを示している。何より市場関係者だけでなく、全体としてマインドの変化が大きい。「景気」は「気から」とはよくぞ言ったものだ。もっとも見方を変えれば、ここ数年来の反動が多分にあるとの考え方もできる。

今調査は、金融資産を多分に所有する高齢層が中心の、調査対象母集団を対象にした調査結果。投資経歴もある人が多く、日本国内における各種市場との連動性・見通しの正確さも無視できない。今後も市場動向を推し量る有益な素材の一つとして、各値の動きを逐次確認していきたい。


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