カラーテレビの買い替え年数をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/05/03 13:15

最近ではインターネット機能なども備えたスマートテレビも普及の様相を見せつつあるが、テレビが今なお一方向メディアの代表的な家電であることに違いは無い。そして幼少児や中堅層以降、中でもシニア層にとって欠かせない情報取得メディアであり、最大の娯楽機器でもある。今回はそのカラーテレビにスポットライトをあてて、内閣府が2016年4月8日付で発表した【消費動向調査】の2016年3月実施分のデータを基に、「カラーテレビの買い替え年数」の現状と過去からの推移を確認していくことにする。

スポンサードリンク


カラーテレビの買い替え年数は約9年…!?


「消費動向調査」の詳細、実測値でなぜ3月分から抽出しているのかの理由、「買い替え」の定義に関しては、先行記事の【携帯電話の買い替え年数をグラフ化してみる】にて解説済み。詳しくはそちらを参考のこと。

今回は「カラーテレビ」の買い替え年数を抽出する。買い替え状況において2014年分以降の調査票では「カラーテレビ 薄型(液晶、プラズマ等)」と記述されている。2013年までは単に「カラーテレビ」だったため、買い替え対象にはブラウン管・薄型テレビ双方を含んでいたことになる。地デジ化も果たし、実質的にブラウン管テレビの販売もほぼ終了したとの意向によるものだが、2013年と2014年との間に完全な連続性は無いことに注意する必要がある(とはいえ、今更ブラウン管テレビ「に」買い替える人も滅多にいないだろう)。

世帯区分は「単身世帯」と「二人以上世帯」、そして双方を合算した「総世帯」の3つが用意されている。ところが長期時期系列としてデータが保存されているのは「二人以上世帯」のみ。そこで「二人以上世帯」について、買い替え年数推移を長期期間の範囲でグラフ化する。

↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、二人以上世帯)(-2016年)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、二人以上世帯)(-2016年)

中期的な動向を見るとテレビの買い替え年数は9年前後で安定。しかし2010年以降は毎年少しずつ、確実に年数が短縮されている動きを示していた。2011年7月の地デジ化に伴い、チューナーで地デジ対応化したテレビを使っていても、調子が悪くなったり故障などをきっかけとして「安くなっていることもあるし、せっかくだからこの際、修理をせずに対応機種に買い替えるか」とする動きが起きた結果によるものだろう。

2014年にいたっては、取得できるデータ中ではもっとも短い6.3年を示した。これは一つに地デジ化による移行、そしてもう一つに2014年4月からの消費税率改定に伴い、それに先駆けて駆け込み的に、従来の買い替え期間よりも前倒しでテレビを新規調達した、いわゆる「駆け込み需要」によるものと考えられる。家電商品の多くはこの「駆け込み需要」の影響で買い替え年数の短縮現象が発生しているが、ここまで明確な値を示したものは今件カラーテレビ位なもの。

しかしその2014年がピークとなり、以降は少しずつ年数は元の長さに戻りつつある。2015年では地デジ周りの仕様変更の後遺症的なもの(アナログからデジタルへの移行時における特例措置として、ケーブルテレビ事業者が提供してきた経過措置的サービスのデジアナ変換サービスが2015年3月前後に相次ぎ終了する。CATVのテレビ受信サービスに加入していれば、デジタル対応のテレビで無くともそのままテレビ視聴が出来る状況が終わってしまうため、デジタル対応のテレビを調達するかチューナーを接続しないとテレビ視聴が続けられなくなる)が生じているため、平年よりは短めの7.4年との値が計上されたが、直近の2016年では8.0年にまで戻した。ちなみにデータが取得可能な1997年以降の全年における平均値は9.0年、直近5年間に限れば7.7年となっている。

これを「単身世帯」(記録があるのは2008年以降のみ)の動向と重ね、グラフ化したのが次の図。

↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、単身/二人以上世帯)(-2016年)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、単身/二人以上世帯)(-2016年)

2010年にややイレギュラーな動きがあり、それまでの「二人以上世帯」>>「単身世帯」との流れが消え、双方世帯でほとんど変わらない値を示すようになった。地デジ化におけるテレビ買い替えへの圧力は、世帯構成で違いを見せなかったようだ。また上記で言及した「地デジ化に伴うテレビ買い替え年数の短縮化」そして「消費税率改定に伴う駆け込み需要による短縮化」は、世帯構成によらずに起きているのも分かる。

ただし直近の2016年分では、両世帯種類の差異が1.5年と大きな開きを見せている。差を算出可能な範囲では最大の値に違いなく、注視する必要がある動きと言える。もっとも上記の通り、地デジ特需が済んだ後の二人以上世帯における年数の回復が生じている中で、単身世帯の短縮化と合わせた上での結果かもしれない。

属性別におけるカラーテレビの買い替え年数を確認


次のグラフは「二人以上世帯」「単身世帯」それぞれの属性における、過去9年間の買い替え年数推移をまとめたもの。一部区分では該当世帯が皆無、あるいはごく少数で統計値として計上できなかったため、グラフでは「×」と記している。

↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、二人以上世帯)(属性別)(-2016年)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、二人以上世帯)(属性別)(-2016年)

↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2016年)
↑ カラーテレビ買い替え年数推移(年、単身世帯)(属性別)(-2016年)

もし地デジ化への流れが無ければそのまま使い続けていたであろうテレビを、地デジ化への切り替えに伴い「せっかくだからと」と通常よりも早めに買い替えた世帯が多かったこともあり、「単身世帯」も「二人以上世帯」も少しずつ買い替え年数が短くなりつつあった。「二人以上世帯」の若年層ではそれらに逆行する動きを示していたが、これは多分に回答数が少数のための「ぶれ」の可能性が高い(2013年・2016年では対象世帯数が少数過ぎて計算値が存在しなかった)。

興味深いのは短縮化の動きのピークとなる2014年以降。「二人以上世帯」ではどの属性も年数をかつての水準に戻しつつあるのに対し、「単身世帯」では属性を問わず低迷したまま。これが上記でも指摘した、世帯種類別の差異を大きくする要因となっている。地デジ化を果たした後、テレビに対する買い替え性向に関して、両種類世帯間に大きな隔たりが生じた感はある。

ただしこれらの値は「買い替えを行った世帯における平均買い替え年数」であり、買い替え実行世帯「数」では無い事に注意する必要がある。

カラーテレビの買い替え理由は?


最後に示すのは「買い替え理由」を「二人以上世帯」「単身世帯」それぞれ別途に算出したグラフ。いくつかの年で特殊事情による変移が確認でき、興味深い。

↑ カラーテレビ買い替え理由(二人以上世帯)(-2016年)
↑ カラーテレビ買い替え理由(二人以上世帯)(-2016年)

↑ カラーテレビ買い替え理由(単身世帯)(-2016年)
↑ カラーテレビ買い替え理由(単身世帯)(-2016年)

双方世帯とも「その他」項目の増加のピークは2012年(3月)。これは回答時の該当期日である2011年4月-2012年3月の間に、2011年7月の地デジ切り替えに伴い対応型のテレビへと買い替える人が、大量に現れたことを意味する。翌年の2013年(対象期間は2012年4月-2013年3月)では、地デジ化ラッシュも過ぎ、従来の比率に戻る動きを見せた。しかし2014年では上記解説の通り、2014年4月からの消費税率改定に伴う駆け込み需要が発生し、回答中「その他」の回答率が単身世帯では増加する結果となった。

直近の2016年は前年の2015年と比べ、双方種類世帯とも「故障」の比率が大幅に増加している。これは本体のトラブルで視聴が不可能になる状況以外では、テレビの買い替えが控えられていると見ることができる。詳しくは別の機会で検証するが、買い替えをした実世帯数比率は、例えば二人以上世帯で251÷4038=6.2%となっているが、前年は9.7%、前々年は10.9%。少しずつテレビの買い替えをする世帯そのものは減退する動きにある。引越しや上位機種の登場でも買い替えの理由にはならず現行のテレビを使い続け、故障して初めて仕方なく買い替える事例が増えている動きを示しているといえよう。



地デジ化、そして消費税率引上げで2度、さらにデジアナ変換サービスの終了を別途換算すれば3度にも渡る特需要素を受け、大きく変化したこの数年に渡るテレビ買い替え状況。二人以上世帯では直近5年間に限れば上記の通り、平均買い替え年数は7.7年となり、統計データが取得可能な全期間(20年間)の平均値9.0年と比べて1年強もの短縮を示す形となった。当然、前倒し的、先取り的なテレビ買い替えの需要拡大は、その後の需要縮小につながることとなる。

2016年では大きく故障理由による買い替え比率が増加した。地デジ化や大型機種へのシフトも大よそ終焉を迎え、上位品目に代える理由も特に見当たらない。そしてテレビの機械的な寿命が伸びていることを合わせ考えると、今後はさらにテレビの買い替えをする世帯比率は減り、故障で仕方なく買い替える世帯の比率が上昇することだろう。


■関連記事:
【テレビの視聴時間は若年層で減少中、高齢者はほとんど変わらず(2016年)(最新)】
【薄型テレビ出荷動向】
【インターネットテレビの出荷動向をグラフ化してみる】
【進む乳幼児のテレビ離れ、10年間で30分強減少】
【テレビの視聴時間は平日3時間強・休日4時間近く、お年寄りほど長い傾向(2016年)(最新)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー