アプリ会員数は1000万人を突破、ほぼデータ非開示化で分析困難に…mixi動向(2013年3月)

2013/05/16 08:45

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すでに【アプリシフトや投資、起業家マインド育成で”永久変革”掲げる新体制に--ミクシィ決算(C-NET)】などで伝えられているように、ミクシィ(2121)は2013年5月15日に、2012年度第4四半期(2013年1月-3月)と同年通期における決算短信を発表すると共に同決算説明会を開催、資料の公開を行った。6月の株主総会での承認が前提となるが、今回の決算発表では代表取締役社長の笠原健治氏が取締役会長に、執行役員・経営企画室長の朝倉祐介氏が代表取締役社長となるなど、大規模な体制変更の実施も公知されている。一方、通常ならば四半期短信で公開された各種資料を基に、過去の記事のように、同社の主力事業であるソーシャルメディアmixiの現状を各方面から分析する記事を複数展開するはずだったのだが、今回はそれが難しいものとなった。その事情も含め、出来る範囲での記事展開を行うこととする(【発表リリース一覧ページ】)。


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御承知の通りmixiの動向を分析した、四半期毎の定番記事(【該当カテゴリー一覧】)では、大きく「概要的動向」「アクティブユーザー数」「世代別アクティブユーザー数」の3つの仕切りで、「説明会資料」などを基にした分析・解説を行っていた。各記事中にもある通り、流行り廃りやミクシィ側の情報開示姿勢の変化に伴い、少しずつだが公開される具体値が減り、「見えにくく」なっていたのは否定できない。

今回発表された決算短信補足資料では、人事改革や体制変更に伴い「新生ミクシィ社」と銘打つ形でさまざまな変革を提起。戦略事業子会社次々に設立し、収益拡大を目指すとしている。

他方、これまで(少しずつ数を減らしながらも)継続的に公開してきたmixiそのものの状況を推し量れる内部データだが、今回の資料ではほぼすべてが非公開のものとなった。さすがに売上やコストは大本の決算短信にも書かれていることからこれまで通りに記載されているものの、会員数や会員属性などは皆目見当たらない。唯一(新規に)アプリの成長を今後の収益の柱の一つとしていくことからか、アプリ会員数の動向が記されている(同社提供の公式ネイティブアプリダウンロード数の積算値)。

↑ アプリ会員数(ミクシィ調べ、万人)
↑ アプリ会員数(ミクシィ調べ、万人)

アプリ会員数はこの1年で2倍ほどに増加しており、この伸び率そのものは評価できる。

非公開となった各種データだが、公開されている(、そして一連の記事でも継続してグラフ化・分析していた)売上動向を見ると、どのような状況なのかは大体推し量ることが出来る。

↑ ミクシィ全体の売上高・四半期単位(億円)(2012年度4Qまで)
↑ ミクシィ全体の売上高・四半期単位(億円)(2012年度4Qまで)

↑ ミクシィ全体の売上高・四半期単位(全体比)(2012年度4Qまで)
↑ ミクシィ全体の売上高・四半期単位(全体比)(2012年度4Qまで)

だからこそ今回、人事刷新と体制、企業全体としての事業戦略の変更が行われたと考えれば、道理は通る。

実際、決算短信資料一覧から「決算説明会資料」を見ると、これまで以上に「変わります」「変革します」のような、今後の施策に期待して欲しい旨の文言が踊っている。非常に頼もしい限りだが、見方を変えれば直近動向があまり思わしくない状況にあることがうかがえる。

↑ 「3つの変革」と銘打ち、今後の基本戦略を提示
↑ 「3つの変革」と銘打ち、今後の基本戦略を提示

mixi動向を見守る一連の記事は、会員数などmixiの具体的状況を示す数字を基にした分析であり、ミクシィ社全体、あるいはmixiの事業戦略方針に対する解説ではない。不特定多数が容易に取得できる形でのデータ公開が無い以上、これ以上の記事展開は、非常に残念ではあるが、不可能と判断せざるを得ない。



今回はたまたま人事刷新と企業戦略の変革のため、内部データの公開を優先順位の低いものとし、あえて公開しなかった可能性がある。その場合、次回の四半期短信では各種値が公開されるだろう。さらには情報公開の方針が改善されれば、これまで以上の深度・領域の値が開示されるに違いない。

その時には再び以前の様式で、あるいは状況に合わせて、定点観測的に記事展開を行うことにしよう。


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