エアコンの買い替え年数をグラフ化してみる(最新)

2018/04/20 05:11

夏は冷房、冬は暖房機器として働き、室内の温湿度を適切に保つエアー・コンディショナーことエアコン。都市部におけるヒートアイランド現象の発生や、居住環境の密閉化、さらに昨今では電力消費、高齢者の健康維持問題の観点でも注目を集めており、一般家庭向け電化製品では一番の話題商品の座を有している。今回はそのエアコンについて、内閣府が2018年4月9日付で発表した【消費動向調査】の2018年3月実施分のデータを基に、「エアコンの買い替え年数」の現状と過去からの推移を確認していくことにする。

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エアコンの買い替え年数、直近では13年強


「消費動向調査」の詳細や実測値でなぜ3月分から抽出しているのかに関する事情、「買い替え」の定義については、先行記事の【携帯電話の買い替え年数をグラフ化してみる】にて解説済み。詳しくはそちらを参考のこと。

今回は「(ルーム)エアコン」の買い替え年数を抽出して更新する。「エアコン」との表記について、詳しい説明は回答用の質問用紙には見当たらない。単に「ルームエアコン」との記述のみ。冷房のみの「クーラー」は(少なくとも普通の家庭向けでは)最近は見かけなくなったが、今調査では該当項目が無く、もし保有者がいても今件項目の「エアコン」として回答したものと考えられる。一方で「ファンヒーター」は「買い替え状況」では対象となっていないものの「保有状況」(普及率換算の時に使用)では「エアコン」と別物として扱われていることから、「エアコン」には該当しない。「空気清浄機」も同様である(昨今では空気清浄器機能を兼ねたエアコンもあるが、それはあくまでもエアコンがメインであることから、今件項目対象となる)。

世帯区分のうち長期の時期系列による値が保存されているのは二人以上世帯のみ。そこでまず最初に、エアコンの二人以上世帯における、買い替え年数推移をグラフ化する。

↑ エアコン買い替え年数(年、二人以上世帯)
↑ エアコン買い替え年数(年、二人以上世帯)

やや起伏、イレギュラーな動きもあるが、全般的には買い替え年数はほ10-11年で安定していた(ちなみに27年分平均は10.9年)。以前「消費動向調査」関連の記事で「一般家電、白物家電の買い替えサイクルは10年位」との一般論を取り上げたが、エアコンもこの法則にほぼ当てはまることになる。

一方で直近の2018年分は13.5年。昨年の13.6年もややイレギュラーな伸長を見せていたが、今年はそれとほぼ同じ値を計上する形となった。この傾向は先行する各家電でも確認されているが、買い換えを行った世帯数比率は前年比で増加した動きが生じていることから(例えば二人以上世帯では2017年は7.0%が買い換えをしたが、2018年では7.9%。単身世帯では4.3%が6.4%となっている)、長年利用していた世帯が性能向上の新商品に併せて、買い替えを後押ししたケースが増えている可能性は高い。

これを「単身世帯」の動向と重ねてグラフ化したのが次の図。今回は傾向を把握するため、過去13年分まで延長している。

↑ エアコン買い替え年数(年、単身/二人以上世帯)
↑ エアコン買い替え年数(年、単身/二人以上世帯)

概してデジタル系アイテム同様、「単身世帯」の方が買い替え期間が短かい動きにある。その差は半年-1年程度。2013年ではイレギュラー的な動きも見られたが、それも2014年以降は通常のパターンに戻っている。

もっともこの1、2年では単身世帯の方がむしろ長い傾向が見受けられる。ただし単身世帯のうち該当世帯数が少数(2018年では100世帯のみ。2017年では65世帯に過ぎない)であることから、統計上のぶれが生じている可能性は否定できない。

単身と二人以上、男女、年齢階層…属性別のエアコン買い替え動向


次のグラフは二人以上世帯・単身世帯それぞれの属性における、過去10年間の買い替え年数推移をまとめたもの。なお一部項目で「×」があるが、これは該当者がいない、あるいはごく少数で、計測値として計上できないとの理由によるもの。

↑ エアコン買い替え年数(年、二人以上世帯)(属性別)
↑ エアコン買い替え年数(年、二人以上世帯)(属性別)

↑ エアコン買い替え年数(年、単身世帯)(属性別)
↑ エアコン買い替え年数(年、単身世帯)(属性別)

直近10年間ではエアコン市場そのものでは劇的な技術進化・新機能の搭載などの動きは見られず、商品の差別化も難しい。そのことから二人以上世帯では男女間の差異は無く、「30-59歳」「60歳以上」の差異もあまり見られない。20代の買い替え年数が非常に短くなっている、あるいはデータが無い年が多いが、そもそも論として買い替えをした人が少ないため「ぶれ」が大きく、残念ながら参考値程度の状態となっている。

また2017年以降の伸長傾向については、男女の差は無く、年齢階層の差異も見られない。あえていえば二人以上世帯の中堅層は伸びが穏やかなことぐらい。

単身世帯では2017年以降の伸びが属性に限らず生じているのが分かる。前述の通り単身世帯の該当世帯数が少ないため、統計上のぶれが生じている可能性はあるが、それを差し引いても属性特有の動きであるとの解釈は難しい。

大きく変化する買い替え理由


最後にエアコンの「買い替え理由」を二人以上世帯・単身世帯それぞれについて確認したグラフを作成し、状況を把握する。

↑ エアコン買い替え理由(二人以上世帯)
↑ エアコン買い替え理由(二人以上世帯)

↑ エアコン買い替え理由(単身世帯)
↑ エアコン買い替え理由(単身世帯)

小回りが利きやすい単身世帯の方が「住所変更」による買い替えが多少ながらも多いように見える。ただし2倍の差などのレベルでは無く、数%ポイントの範囲。

一方「故障」要因では二人以上世帯の方が多く、故障でお手上げになるまで使い続けているようすがうかがえる。

エアコンはかつて実施されていた「(家電)エコポイント制度」の対象商品だった。2009年5月15日から2011年3月末購入分までは何らかの反応、具体的には「その他」要因の増加がエコポイントによるプラス分として見られるはずではある。そこでグラフにおいて該当する2011年(3月)までの動きを見ると、単身世帯・二人以上世帯ともに2011年にやや大きな動きがあり、それなりの影響(買い替え促進)を及ぼした可能性は高い。特に単身世帯ではグラフ対象期間の10年間で最大の比率を示しており、大きな買い替えの後押しとなったと考えられる。

また単身世帯では「上位品目」要因で2012年に大きな伸びが確認できる。2011年3月に発生した東日本大地震・震災に伴う電力需給の問題を受け、節電効果が高く性能のよい、新型機種への買い替えが数字となって表れたのだろう。

2014年は先のエコポイントの時期同様、「その他」の項目が単身世帯・二人以上世帯ともに大きく増加している。これは消費税率改定に伴う駆け込み需要を理由とした回答が多分にあったと考えれば道理が通る。



エアコンは稼働時期が原則夏と冬に限定されるが、該当時期では1日あたりの稼働時間が長く、さらに電力消費量も他の家電と比べて大きい。これまでも「最新機種に買い替え、同じ利用時間でも少ない消費電力で済むように」との「節電のための買い替え」の動きはあったが、震災後の電力需給問題の影響を受け、古いタイプのエアコンを買い替えて「日常生活における放置型の節電」への機運が高まっている(電球をLEDに買い替えるのと考え方は同じ)。2014年ではさらに消費税率の改定が、この買い替えを後押しする形となった。

エアコンの性能は漸次上昇しているはずだが、買い替え年数にあまり変化が見られなかった。それゆえに2017年以降の大幅な伸長は注目に値する。その前年となる2016年にも気配はあったものの、長期化への動きが本格的に体現化した感はある。


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