「やっぱり消費より貯蓄だね」本人のお財布事情では変わらない米消費性向
2013/06/13 14:45


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今調査は2013年4月4日-14日にかけてアメリカ国内に住む18歳以上の成人に対し、乱数で選ばれた電話番号へ行った電話インタビュー(英語とスペイン語)の結果を集計したもので、有効回答数は2017人。2012年3月時点の国勢調査などの統計データに基づいたウェイトバックが行われている。
先に別記事で記したが、直近の2013年4月では60%の方が「貯蓄好き」、37%が「消費好き」と答えている。この差は2007年夏の金融危機ぼっ発以降に開いたもので、景気回復が叫ばれる昨今でも、「貯蓄好き」は高値を維持している。

↑ お金について考えてみると、自分は消費するのが好きか、それとも貯蓄するのが好きか(択一、米、ギャラップ社調査)(再録)
今回は回答者自身による、国や自分自身の経済状況の認識別で見た、消費と貯蓄の傾向についてである。いくつかの設定に基づき回答者を区分し、それぞれの区分でお金に関して消費が好きか貯蓄が好きかを聞いた結果が次のグラフ。

↑ お金について考えてみると、自分は消費するのが好きか、それとも貯蓄するのが好きか(経済状態・思案別)(択一、米、ギャラップ社調査、2013年4月)
国(この場合は当然アメリカ合衆国)の経済状態を肯定的にとらえている人・否定的に見ている人双方で、貯蓄・消費性向に差は無い。一方、今後の経済動向への考えではわずかながら「悪くなる」と考えている人の方が貯蓄性向が強くなる。備えを強化するという点では至極当然の動きと言える。
回答者自身の財務状況となると、外観的な状況判断ではほとんど差が無いものの、7つの財務自己判断の調査結果(残念ながらこの判断調査そのものは内容が公開されていない。ただし問題点の多いほど、当然お財布事情に危機感を覚える状況には違いない)では「ほとんど問題だらけ」の回答者において、貯蓄性向が強くなる傾向がある。いわゆる火の車状態だからこそ、悠長に消費などしていられないということか。

節約そのものは決して悪い話ではない。しかし、かつてのアメリカの好景気を支えた要因の一つが、傍から見れば乱費とも思えるほどの爆発力のある消費性向であることを考えると、(傍観者の立ち位置ではあるが)不安な一面もある。今後アメリカが本格的に景気回復を果たしても、これまでの好景気とは様相を異にするものとなるかもしれない。
■関連記事:
【日米の家計資産推移(2012年4Q分)】
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