小中高校生の携帯電話保有状況(2014年)(最新)

2014/04/07 08:30

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大人はもちろん子供の間にも浸透著しい携帯電話(従来型・一般携帯電話とスマートフォンの双方)。その浸透は子供達の生活様式や趣味趣向、人間関係にも大きな影響を及ぼしつつある。その所有状況は子供達自身はもちろん、保護者も含めた大人にとっても必要不可欠な情報に違いない。今回は内閣府が2014年3月31日付で発表した、【2013年度版 青少年のインターネット利用環境実態調査】の報告書データを基に、最新の小中高校生における携帯電話の所有・使用状況を確認していくことにする。


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3割・5割・ほぼ全員


まずは調査対象母集団の携帯電話・所有率について(今件では所有と使用は同義である)。最新分となる2013年分も含め5年分のデータが公開されているが、その2013年においては約5割強が所有。「家族共用で有り」も含め、少しづつだが増加する動きは継続中。

↑ 携帯電話・PHSを持っているか(小学校-高校)(-2013年)
↑ 携帯電話・PHSを持っているか(小学校-高校)(-2013年)

これを具体的に、学校種類・性別で区分して再集計したのが次のグラフ。家族共用も合わせると小学生3割強・中学生5割・高校生ほぼ全員の図式となる。

↑ 携帯電話・PHSを持っているか(学校・性別)(2013年)
↑ 携帯電話・PHSを持っているか(学校・性別)(2013年)

男女別ではすべての学校区分で、男子より女子の方が保有率が高い。元々女子の方が男子よりも意志疎通ツールとしての携帯電話を好んでいることが原因の一つとして想定できるが、それよりはむしろ(保護者が買い与える)防犯用として女子への需要が大きい方が主要因として考えられる。

ただし高校生になると差異はほとんど無くなり、家族共用の端末保有者もごく少数派になる。ほぼ全員が自分の専用の携帯電話を与えられ、使える状態にある。

小中高校生でもスマホが過半数


では家族共用・自分専用を問わず、携帯電話を持つ子供達は、どのような機種を持っているのだろうか。言葉の定義を写真込みでしっかりと説明し、理解してもらった上で回答を受けた結果が次のグラフ。子供の思い違いで回答がぶれることは想定しなくて良い。またスマートフォンには通常型のものに加え、子供向けとして機能が制限されている機種もカウントしている。

↑ 持っている機種は(自分専用・家族共用保有者限定)(-2013年)
↑ 持っている機種は(自分専用・家族共用保有者限定)(-2013年)

メールやインターネットによるウェブブラウジングが出来ないなど、子供による利用を想定している「機能限定・子供向け」携帯の利用者は19.8%と前年より2.1%ポイント低下。一方、自分専用か家族との共用かまではともかく、そして機能限定版も合わせ、スマートフォンを持っている人は58.4%と前年比で22.4%ポイントのプラス。ついに2013年で小中高校生の間でも、携帯電話全体のうちスマートフォンの比率が半数を超えてしまった。前年「小中高校生まで合わせ、今や携帯電話持ちの1/3強はスマートフォン保有者という結果は、少々驚かざるを得ない」との表現を用いたが、半数超えという実態は「腰を抜かす」程のものだろうか。

これを学校・性別で区分して再集計すると、やはり「機能限定・子供向け」一般携帯の利用率は小学生で非常に高くなる。主にその世代向けのために作られたのだから、当然といえば当然の話。

↑ 持っている機種は(自分専用・家族共用保有者限定)(学校・性別)(2013年)
↑ 持っている機種は(自分専用・家族共用保有者限定)(学校・性別)(2013年)

中学生でも約2割近く、高校生でも数%は「機能限定・子供向け」携帯を利用しているものの、小学生で多数を占めた「機能限定・子供向け」は、中学生になると少数派となり、少なからずはフル機能の一般携帯電話(「その他携帯」の部分)を使うようになる。他方スマートフォンは小学生ですら1割強、中学生でほぼ半数、そして高校生では8割強。今や中高生において、携帯電話保有者の過半数がスマートフォンで、一般携帯電話保有率をはるかに超えている。スマートフォンの加速的な普及ぶりがうかがえる。



今後も今まで同様「携帯電話そのものの浸透率の向上」「スマートフォンの所有率の増加」の2つの動きが進展していくことは想像するのに難くない。特にスマートフォンは保護者自身の保有率が上がること、そして携帯電話市場において新機種の大部分がスマートフォンで占められていることから、保護者と共有の形で使われる事例が、これまで以上に多数に至ることになる。

最後にやや余興的なものとして、2013年における小中高校生全体におけるスマートフォン所有率(自分専用・家族共有保有を合わせたもの、機能限定版含む)を算出し、グラフ化しておく。小数点第一位同士を乗したもので、やや精度が甘くなるが、目安程度にはなる。さらに同様の算出方法で導き出した2012年分の値との差異も併記する。

↑ スマートフォン保有率(自分専用・家族共用保有者の双方合わせて)(2013年)
↑ スマートフォン保有率(自分専用・家族共用保有者の双方合わせて)(2013年)

↑ スマートフォン保有率(2013年)(全体比、2012年からの推移)(%ポイント)(自分専用・家族共用保有者の双方合わせて)
↑ スマートフォン保有率(2013年)(全体比、2012年からの推移)(%ポイント)(自分専用・家族共用保有者の双方合わせて)

今や高校生全体の8割強、中学生でもほぼ4人に1人、小学生でも6%がスマートフォンを使う時代となった。高校生ではこの1年で26%ポイントもの上昇が見受けられる。改めて高校生の間への急速な普及ぶりには、注目せざるを得ない結果といえよう。


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