日本の一次エネルギー供給の動きをグラフ化してみる(エネルギー白書)(2016年)(最新)

2016/06/17 10:23

資源エネルギー庁は2016年6月13日付で、「エネルギー白書2016」のうちデータの詳細を確認可能なHTML版を公開した(【エネルギー白書一覧ページ】)。この公開値に従い、今回は日本の一次エネルギー供給の動きを確認し、その現状の精査を行うことにする。【主要国のエネルギー輸入依存度をグラフ化してみる】【日本の一次エネルギー供給推移をグラフ化してみる)】など、エネルギーの輸入ルート関連の記事と合わせ読むと、さらに理解が深まるに違いない。

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エネルギー需給は国内単位で考えれば原則として「需要=供給」となる。それが成り立たないと過不足が生じ、いずれにしてもトラブルの基となる(水不足による取水制限が良い例)。そしてそのような事態が生じないように各種インフラは整備され、従事者は懸命に努力を続けている。例えるなら、停電や断水が無いように努めている事になる。そのため結果論ではあるが、「日本の一次エネルギー供給推移をグラフ化してみる」で作成したグラフと姿形はさほど変わらない。なお「一次エネルギー」は「自然界に存在するそのままの形を用いてエネルギー源として使われているもの」を意味する。

まずは総供給量推移。

↑ 日本の一次エネルギー総供給推移(国内供給量)(単位:10~18J)(-2014年度)
↑ 日本の一次エネルギー総供給推移(国内供給量)(単位:10~18J)(-2014年度)

1970年代前半までは猛烈な勢いで石油の量が増加。しかし1970年代に2度に渡って襲った石油危機(オイルショック)を受け、エネルギー供給の安定化・リスク分散のため、「石油依存度の低減化」が国家戦略として実行に移されることになる。石炭・天然ガスの増加、原子力の創出が同じタイミングで始まっているのは、偶然ではなく、明確な国家戦略・意思によるもの。また2008年以降の減少は、省エネ技術の進歩と共に、金融危機による経済不況が要因。見方を変えれば、サブプライムローンショックやリーマンショックは、日本全体のエネルギー消費量においても、大きな影響を与えたことになる。

さらに2011年度以降の明らかな変化は先の震災の直接、間接的な影響によるところが大きい。特に「原子力」の減退が総量の減少にも影響している(その分石油・石炭・天然ガスは増えている)。

これを各年のエネルギー供給量に占める各項目の比率推移で見ると、石油依存度の低減化・エネルギー供給の分散化の動きが、手に取るように分かる。また直近における金融不況や震災後のエネルギー問題によって生じたバランスの乱れも確認できる。

↑ 日本の一次エネルギー総供給推移(国内供給量)(全体比)(-2014年度)
↑ 日本の一次エネルギー総供給推移(国内供給量)(全体比)(-2014年度)

↑ 日本の一次エネルギー総供給推移(国内供給量)(全体比)(2001年度-2014年度)
↑ 日本の一次エネルギー総供給推移(国内供給量)(全体比)(2001年度-2014年度)

↑ 日本の一次エネルギー総供給推移(国内供給量)(全体比)(各項目の折れ線グラフ化)(-2013年度)
↑ 日本の一次エネルギー総供給推移(国内供給量)(全体比)(各項目の折れ線グラフ化)(-2013年度)

↑ 日本の一次エネルギー総供給推移(国内供給量)(全体比)(各項目の折れ線グラフ化)(2001年度-2014年度)
↑ 日本の一次エネルギー総供給推移(国内供給量)(全体比)(各項目の折れ線グラフ化)(2001年度-2014年度)

最新のデータ、2014年度分では、石油依存度は41.4%。石油ショック真っただ中の1973年度時における75.5%から30ポイント以上の低減化が果たされている。また、石炭25.5%・天然ガス25.2%・原子力0.0%など、震災の影響で火力系に偏った状況も確認できる(震災前は原子力が1割台を維持していた)。20111年度以降のグラフの急激な変化が、折れ線グラフで分かるはずだ。

「リスク分散」との点では、例えば石油に限っても、石油(原油)の輸入先が昨今では再び中東に偏りを見せ、必ずしも一様に分散化が図られているとは言い切れない。

↑ 日本の原油輸入・中東依存度推移(-2014年度)(再録)
↑ 日本の原油輸入・中東依存度推移(-2014年度)(再録)

化石燃料の観点でも、日本は主要国と比べると「取得の大部分を輸入に頼っているにも関わらず」依存度が高く、エネルギー戦略の上では問題を抱えている。

↑ 主要国のIEAベースにおける一次エネルギー総供給量に占める化石エネルギーの割合(2013年)
↑ 主要国のIEAベースにおける一次エネルギー総供給量に占める化石エネルギーの割合(2013年)

安定した・安心できるエネルギー供給を果たすため、エネルギー供給そのものの大切さに関する正しい情報の啓蒙と共に、さらなる分散化、そして安定したエネルギーにおける自給率の向上が求められよう。


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【日本の石炭事情をグラフ化してみる】
【各国再生可能エネルギーの発電量動向をグラフ化してみる】

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