上位国ではほぼ下げ切った状態、日本は順位、リスクそのもの共に改善(国債デフォルト確率動向:2013年1Q)

2013/05/04 14:00

先日【国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化してみる(2013年4月15日版) 】でお伝えしたように、経済動向を推し量ることを目的とし、債権リスクを示す指針の一つCPDにおいて、四半期ごとに一般公開されるCMD Visionのリスクレポートでは、ウェブ上で日々更新公開される上位国(=ハイリスク国)だけでなく、同社が随時動向を確認している各国の主要値(CPDなど)の一覧が掲載されている。先日2013年の4月16日、その最新版である2013年Q1(第1四半期)分が公開された(【CMA Release Global Sovereign Credit Risk Report 一覧ページ】)。今回はこの公開情報のうち、普段「国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化してみる」で報告している部分などについて、四半期単位の動向をお伝えすることにする。

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データの取得場所、各種用語の解説については、月次更新版記事のまとめ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

それではまず、最新の2013年Q1におけるCPD上位国15位まで。値が低い方が低リスク(=安全性が高い、と思われている)なので、あえてこのような形にしてある。つまり左の国ほど低リスクという次第。

↑ 四半期CPD低リスク上位国(2013年Q1、上位15位+日本、低値=低リスク)
↑ 四半期CPD低リスク上位国(2013年Q1、上位15位+日本、低値=低リスク)

最も低リスクの国はノルウェー、そしてスウェーデン、フィンランド、デンマーク、アメリカ合衆国と続く。これらの国は順位に多少の変動はあるが、低リスク上位国の常連で、(アメリカは州単位ではCPD高リスク国上位に数州が入っており、首を傾げるところもあるが)納得できる顔触れ。

次いでドイツ、イギリス、オーストラリアなどが名前を連ねている。日本は6.0%で20位。前四半期Q4では6.6%・23位だったので、状況自身は改善、相対順位も改善という次第。CPDの算出上では、日本の財務状況回復の歩みは緩やかだが、実質数値・他国との相対的な順位とも、確実に前進していると判断されている。

続いて2013年Q1時点の上位10国+日本の、過去1年間の動向を記したのが次のグラフ。

↑ 四半期CPD低リスク上位国推移(2013年Q1時点の低リスク10国+日本)
↑ 四半期CPD低リスク上位国推移(2013年Q1時点の低リスク10国+日本)

諸外国の株式市場、為替レートの変動、特にユーロの動向を把握している人ならご存知の通り、債務問題の困難さが叫ばれていたヨーロッパ地域では、去年の後半以降、最大の山場は超えたとの認識が強まりを見せつつあった。IMFの方針転換なども大きな後押しといえる。今年の春頃までその楽観論は続いたが、その後イタリアの政局波乱やキプロスの財政問題など、再び懸念材料が表面化。ただしこれらの事象も、過去の経験を活かした対応により、かつてのパニック的な状況には陥らないでいる。

去年冬以降は日本の政情変化もポジティブな要素として受け止められているが、その変化は2013年Q1時点ではCPDの動向としては表れていない。ただし日本をはじめドイツ、オーストラリアなどではCPDの改善状況が継続している。一方、フィンランド、デンマーク、スウェーデンなどEUの中小国でやや数字が悪化しているのは気になるところ。

対円為替レートの動向だが、昨年末の政治情勢の変化を受け、日銀の姿勢も大きく施策ベクトルを変えており、これが為替にも大きな影響を与えている。直近では4月4日に発表された『「量的・質的金融緩和」の導入について』による大きな円安化(適正レートへの流れの中の一局面に過ぎないのだが)の動きが確認できるが、対ユーロは130円、対ドルは100円が大きな心理抵抗線となっているようで、その付近でのもみあいが続いている。

↑ ユーロ変移(対円、終値、2012年1月2日-2013年4月26日)
↑ ユーロ変移(対円、終値、2012年1月2日-2013年4月26日)

↑ ドル変移(対円、終値、2012年1月2日-2013年4月26日)
↑ ドル変移(対円、終値、2012年1月2日-2013年4月26日)

日本の動向に注目すると、他国のような対外情勢による変化というよりはむしろ国内情勢、特に震災周りの影響が大きく、ヨーロッパ諸国の動きとは連動性はあまりない。亀の歩みのように、少しずつ、しかし確実にリスクを減らしている流れを見せている。ただしそのスピードがあまりにも緩やかなため、現状では20位という順位にあるのが現状。

未だに火種は山ほどあるが、経験を積み、それなりの債務関連のトラブルには素早い対応を見せるようになったヨーロッパ諸国。その一方で主導権を握っている国同士の意思疎通の面で、色々と懸念の声も持ち上がっている。次回の2013年Q2分では、各国でどのような変化を見せるのか、特に前四半期から順位を大きく落としたイギリスの動向(前四半期は3.7%で7位、今回は4.0%で11位)が気になるところではある。

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