携帯電話事業者3社がそろってトップテン入り、最上位は……(民放テレビCM動向:2013年3月分)

2013/04/25 07:55

ゼータ・ブリッジは2013年4月23日、2013年3月度における関東民放5放送局(キー局)のテレビCMオンエアランキングを発表した。それによるとCMの放送回数がもっとも多かった企業・団体は花王だった。また、商品別オンエアランキングなどを合わせ見ると、先月同様にグリーやエヌ・ティ・ティ・ドコモ、ソフトバンクモバイルなどの携帯電話関連企業が、そして先月の自動車業界から代わり、飲料系企業が上位を占めているのが確認できる([発表リリース])。

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データの取得場所の解説、各種データの意味、さらには今件記事が関東地域のみを対象としている件についての説明は、一連の記事まとめ【定期更新記事:関東民放テレビCM動向(ゼータ・ブリッジ)】にある。そちらで確認を入れてほしい。

発表資料には多種多彩なデータが掲載されているが、そのうち企業別オンエアランキング(放送回数順位)の中から上位10位を抽出したのが次のグラフ。

↑ 企業別放送回数ランキング(2013年3月、上位10位)
↑ 企業別放送回数ランキング(2013年3月、上位10位)

ゼータ・ブリッジの「リアルタイムCM自動認識システム」を基にした昨今の記事では無く、かつて定期更新していた、ビデオリサーチコムハウスのデータを元にした過去の記事【大企業のテレビCM出稿量推移をグラフ化してみる……(1)花王】(2009年)などで解説している通り、花王は夏期はやや出稿量を減らした後に年末まで攻勢をかけ、1月に大きく出稿量を減らすなど、季節変動の激しい動きを見せていた。ところが昨今ではこのパターンに変化が生じ、押しなべて広告量を増やす動きにある。今回は前月の1.5倍ほどの回数を示し、堂々のトップについた。

一方で同じくビデオ-のデータを基にした解説記事【大企業のテレビCM出稿量推移をグラフ化してみる……(3)ハウス食品】で触れている、フリースポット広告で有名な興和(コーワ)は第6位、ハウス食品は第15位。年度末でもあり、また景気回復の雰囲気を感じ取ったのか、テレビCM市場は活気を取り戻しつつあるように見える。

常連組の携帯電話向けサービスの事業会社では、ソフトバンクモバイルが第2位、エヌ・ティ・ティ・ドコモが第3位、KDDIが第9位となり、主要3キャリアがすべてトップテン入り。春の新モデルの展開だけでなく、新年度に向けて生活環境を新たにする人たちへの大攻勢がうかがえる。

また今回月はアサヒビールやサントリー、日本コカ・コーラなど飲料系企業のCM展開が目立つ。新入社員などに向けてリフレッシュさをアピールする意味合いもあるのだろう。あるいは環境の変化に伴い、そしてお花見などで機会が生じる宴会による、ビールの需要増加を見込んでの攻勢の可能性もある。

↑ 日本コカ・コーラで展開した「思い出の歌2013編」のテレビCM(公式)。
↑ 日本コカ・コーラで展開した「思い出の歌2013編」のテレビCM(公式)。

これら上位10位の企業におけるCM出稿を、テレビ局ごとにグラフ化したのが次の図。テレビ局の並びが、地デジ化した後の順番に変更されていることに注意。

↑ 企業別放送回数ランキング(2013年3月、上位10位)(局別)
↑ 企業別放送回数ランキング(2013年3月、上位10位)(局別)

企業別トップについた花王は日本テレビへの出稿量が異様に多い。次いでフジテレビも大量。この配分は先月までと変わらず、スポンサー番組の多い・少ないが影響しているものと考えられる。似たような話では興和がテレビ朝日の値において飛びぬけた形を見せているが、これは先月からの継続によるものとはいえ、やや突出している感はある。同社は現在テレビ朝日系列では「生きる×2」「スーパーJチャンネル」「報道ステーション」「やじうまテレビ!」の番組のスポンサーとなっているが、今回月では鼻炎用や整腸錠などの広告を多く展開しており、サラリーマンへのアプローチとして特に注力したのかもしれない。

携帯電話のキャリア別に見ると、ドコモはほぼ同率でフジテレビが少なめ、KDDIもほぼ同率だがテレビ東京がいくぶん少なめ、そしてソフトバンクモバイルはTBSテレビとテレビ朝日がやや多めの配分をしている。個々のキャリアの特性が透けて見えるようでもある。

最後に、企業別ではなく個別商品別のランキングは次の通りとなる。

↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2013年3月)
↑ 商品別オンエアランキング(放送回数、2013年3月)

企業別ランキングでは第13位となったディー・エヌ・エーが各作品のCMを「モバゲー」というくくりでまとめたことで、トップについている。またそれとほぼ同数でKDDIの「CHANNEL au」(ドラマ的にauの最新情報を伝えるCM)、そしてソフトバンクモバイルの割引サービスの最新版が位置しており、携帯キャリアの春季攻勢の意気込みが見えてくる。この3社は順位も合わせ前月から変わらずのトップ3となり、携帯関連会社の強さが再認識させられる。特に「モバゲー」では主力タイトルのさらなるプッシュを図るためか、ドラマ仕立てのCMが展開され、注目を集めている。

↑ モバゲーの「アヴァロンの騎士」。ドラマ仕立てとなっている(公式動画)。
↑ モバゲーの「アヴァロンの騎士」。ドラマ仕立てとなっている(公式動画)。

また前月に続き今月も上位入りしているSMBCコンシューマーファイナンス(要は三井住友銀行)の企業CMだが、スティービーワンダーの名曲「I Just Called To Say I Love You」と共に家族の平穏な日常を描写しながら貯蓄、備えの大切さを訴えかけている。インパクトで勝負するものではないが、じわじわと心に響く趣がある。

↑ 三井住友銀行の企業CM(公式動画)。
↑ 三井住友銀行の企業CM(公式動画)。

銀行のイメージCMとしては大人しめだが、優れた作品といえる。


■関連記事:
【新聞やテレビなどへの業種別広告費推移をグラフ化してみる(2012年版・電通資料ベース)】

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