たばこ購入者減少の言及が続く、来客数は10か月連続マイナスに…2013年3月度コンビニ売上高は0.4%のマイナス

2013/04/23 10:45

日本フランチャイズチェーン協会は2013年4月22日、2013年3月度のコンビニエンスストアの統計調査月報を発表した。それによると3月は来客数が10か月連続でマイナス、平均客単価は2か月連続のマイナスとなった。そして売上高は前年同月比-0.4%と10か月連続のマイナスを記録している(いずれも既存店ベース)。同協会側では北日本の天候不順、さらにはたばこ購入者の減少などが大きく作用したと分析している(【日本フランチャイズチェーン協会公式ページ】)。

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今調査の概要および調査対象企業は過去の記事まとめ【コンビニエンスストア(日本フランチャイズチェーン協会発表)】上で説明がなされている。そちらでチェックをしてほしい。

各データについて前年同月比は次の通り。

●店舗売上高:既存店は10か月連続のマイナス、全店は2か月ぶりのプラス
・全店ベース……+5.1%
・既存店ベース…-0.4%

●店舗数(前年同月比)
・+6.0%

●来店客数:既存店は10か月連続のマイナス、全店は24か月連続のプラス
・全店ベース……+5.5%
・既存店ベース…-0.3%

●平均客単価:既存店は2か月連続のマイナス、全店も2か月連続のマイナス。
・全店ベース……-0.4%(612.1円)
・既存店ベース…-0.03%(603.1円)

●商品構成別売上前年同月比(全店ベース)
・日配食品……+7.5%
・加工食品……+5.3%
・非食品………+1.5%
・サービス……+12.7%
・合計…………+5.1%

※既存店……1年以上営業中の店舗

3月は北日本以外で平均気温が高く、調理麺やソフトドリンクなどの季節商品が好調な売れ行きを示した。しかし北日本では天候が概して悪く、客足に大きな影響を受けることとなった。また地域を問わずたばこ購入者の減少に伴い客数が減少。全店ベースでの商品構成別売上高でも、たばこが該当する「非食品」の伸びがもっとも低い値に抑えられることとなった。一方、先月同様にカウンター商材(肉まんやおでん、揚げ物などレジ周辺の食材を中心とした商品)は堅調に推移。昨今のコンビニが注力を続けている施策は、現状では成果が出ているようである。

リリースでもこの数か月連続してリリースにてコメントされているが、中長期的なペースで販売を減らしているたばこの販売実績が、該当する項目・非食品の売り上げを頭打ちにさせるだけでなく、客単価減少と来客数の減少要因となっている。要は「ついで買い」が期待できるたばこ購入者が減り、たばこの売上の減少に留まらないマイナスの影響を与えている。直近のたばこ全体(コンビニ以外での発売も含む)としての販売データを見ても、本格的な販売減少時期に突入していることは間違いなく、現状だけでなく先行きも不安視される。

北日本は
天候不順が
マイナス要因。
たばこの低迷で
「ついで買い」
期待もしぼむ。
店舗数は常に5%前後のプラスを維持していることもあり、昨今のコンビニの月次業績では「売上」「来客数」の項目で「全店プラス」「既存店マイナス」の動きが続いている。つまり店舗の数的規模の拡大が、コンビニ市場全体の売上の一端を担っていると読み取れる。

コンビニの売上において大きな牽引力のたばこ販売動向は、全体的に、そして確実に漸減中。喫煙者の本数減少や禁煙への動き、そして若年層の喫煙率そのものの低下など、たばこ売り上げの上でのマイナス要因は多岐にわたる。【コンビニでの「1店舗あたりの」たばこ販売動向をグラフ化してみる(2012年版)】でも解説しているが、たばこはそれ自身の売上高がコンビニ全体に対する大きなウェイトを占めているだけでなく(記事中実例に挙げたローソンでは、2012年の全売上の1/4ほどをたばこが占めている)、来店動機の一つにもなる。そのため「ついで買い」も期待できる。そのたばこの売上が減少していることで、コンビニはその減少分を補完しえる(来店動機になるような)基軸商品・サービスを模索している。

ローソンのオープンそのため昨今の一部コンビニでは地元をはじめ独自ルートで入荷、自前で農場などを持ち提供するスタイル、さらには大手野菜宅配事業グループとの提携を行い、野菜販売を始めている。コンビニ店内、あるいは店舗前の敷地にずらりと並ぶ産地直送の野菜など、数年前まではとても考えられなかったような情景が、当たり前のものとなりつつある。

またカウンター商材の一層の充実、スーパーマーケットにも似た販売スタイルの実行、設置しているマルチコピー機の多機能化による便宜性向上、淹れたてのコーヒー販売、各種エンタメ商品の展開(「一番くじ」などのくじ景品の展示、「初音ミク」などのキャラクタ色の強いコンテンツとの連動企画)など、さらなる「多面化」を推し進め、客層の開拓や、集客、リピーターの確保を模索している。とりわけコーヒーに関しては、消費性向がたばこと類似しているだけでなく、日配食品との相性も良いことから、各社とも本格的に力を入れている。

先日【コンビニエンスストアの商品構成別売上推移をグラフ化してみる(2012年12月分まで反映)】で解説した通り、そして今回リリースでもカウンター商材の堅調さが言及されているが、日配食品の充実施策は確実に成果を生み出している。また、主婦層や高齢層を中心に、客層そのものを広める効果をもあげているように見える。

他方【セブン-イレブン、トヨタ車体の小型電気自動車「コムス」を使った宅配サービス「セブンらくらくお届け便」を開始】などの動きに代表されるように、大手コンビニの中にはその流通網と体力、対応エリアの広さを活用し、従来のコンビニの役割・立ち位置を超え、より幅広いビジネスへ挑戦しているところも出てきた。「買物困難者」への対応、「地域社会に一層融合した、存在感の強い店舗」を目指した新サービスが、模索と実証実験を続けながら、確実に歩みを前へと進められている。

元々コンビニは社会動向、流行り廃りに敏感な商売をしている。というよりむしろ、それが出来ないとコンビニとしての存続は難しい。そしてその動向は類似他社業界にも少なからぬ影響を与えている。コンビニ業界単独の挙動はもちろんだが、他業種との連動・影響作用も合わせ、動きを引き続き見ていきたいところだ。

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