自転車事故の交通事故全体比は2割を切りさらに減少中(2016年)(最新)

2016/04/08 11:03

警察庁は2016年4月1日、2015年中の交通事故の状況などを集計した報告書「平成27年における交通事故の発生状況」を発表した(【警察庁リリース発表ページ】)。今回はこの報告書による公開値や先行して発表された報告書「平成27年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について」の内容を基に、交通事故全体に占める比率をはじめとした、各種自転車事故の状況の確認をしていくことにする。

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今件資料によれば、2015年の日本国内における交通事故全体の発生件数は53万6899件(前年比−6.4%)、死者数は4117人(+0.1%)との結果になった。

↑ 年間交通事故死亡者推移(-2015年)
↑ 年間交通事故死亡者推移(-2015年)

↑ 交通事故死亡者の前年比
↑ 交通事故死亡者の前年比"減少"率(-2015年)

今件事故発生件数と、公開データ内の「自転車交通事故件数(法令違反のありなしを問わず)」を合わせ、「自転車による事故が交通事故全体においてどのような位置づけ・比率にあるか」を示したのが次のグラフ。事故件数は自転車が第1当事者(最初に交通事故に関与した車両の該当者のうち、過失の重い側。同程度の時には負傷程度が軽い側)・第2当事者(最初に交通事故に関与した車両該当者のうち、第1当事者以外の人)となった件数。さらに自転車同士の場合は1件として数えている。

↑ 交通事故発生件数と自転車交通事故件数、およびその比率(-2015年)
↑ 交通事故発生件数と自転車交通事故件数、およびその比率(-2015年)

交通事故件数全体数同様に、自転車による事故件数も、「第二次交通戦争」(1988年)以降減少を続けている。しかし自動車ほど啓蒙活動や安全対策が徹底していないこと、利用ハードルが低いこと(運転免許は要らず、子供でも技術を取得できれば運転できる)、そして自転車の高リスク利用者(若年層、お年寄り)が増加したことなど複数の要因から、減少率はゆるかやなレベルに留まっていた。

結果として「交通事故全体」に占める、「自転車交通事故の件数」比率は増加の傾向にあった。しかし2008年の21.2%をピークとし、啓蒙活動などが功を奏しだしたのか、それ以降は減少傾向に転じている。2012年では6年ぶりに交通事故全体に占める比率が2割を切り、以降さらに低下を続けている。

この流れは交通事故全体ではなく「死亡者数」に限定した場合でも、大体同じような状況を示している。ただし2008年以降の比率における動きはほぼ横ばいで推移しており、注意を要する状況となっている。

↑ 交通事故全体死者数と自転車乗用中死者数、およびその比率(-2015年)
↑ 交通事故全体死者数と自転車乗用中死者数、およびその比率(-2015年)

↑ 2005年-2015年における自転車乗用中の年齢層別死者数比率
↑ 2005年-2015年における自転車乗用中の年齢層別死者数比率

また高齢者の死亡比率が高いのも特徴。65歳以上で2/3近く、60歳以上ならば7割を超えており、さらに増加の兆しがある点にも留意が求められる(【年齢階層別・自転車乗用中の交通事故死者数推移をグラフ化してみる】)。

自転車と携帯携帯電話関連の自転車事故については、少なくとも今資料では特に統計はとられていない(言及は見られない)。しかし携帯電話を操作しながらの自転車運転(軽車両運転)は、道交法71条に基づき3か月以下の懲役か5万円以下の罰金が科せられる。もっとも具体的に事故を起こしてからでは、その程度の刑罰では済まない事例になる場合も多い。万一自転車運転中の携帯電話(特にスマートフォン)の利用で道交法の適用を受けたとしても、むしろ事故が発生する前に止めてもらったことに感謝すべき。

自動車やバイクと異なり、自転車は運転の際に免許も必要とせず、事故の際の当事者の保護装置(シートベルトやエアバッグ)も無く、利用者の多くが十分な保険に入っていない。自転車に乗る際にヘルメットはともかく、バイクに乗る時のような専用のライダースーツを着たり肘・ひざ当てを付ける人は(ロードバイクのような専用の自転車を駆る人以外は)滅多にいない。

自転車で事故が起きた際のリスクは、自転車の方が自動車よりも高いとする考え方もある。もちろん「運転をするな」と禁じるわけではないが、運転の際には「走りながらの携帯電話利用」などもってのほか。くれぐれも安全運転を心がけてほしい。


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