ようかん、ゼリー、せんべい、キャンデーはシニアの方が好んで食べる…年齢階層別・単身世帯のお菓子支出比率をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(最新)
2020/03/31 05:27


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年齢階層で大きく異なる「好んで買う菓子」の種類
今回スポットライトを当てるお菓子の品目は、「他の菓子」以外の、ある程度区分わけが成されているものについて。そのうち具体的に商品内容が把握しにくいものの内情に関して、【家計調査 収支項目分類・収支項目分類およびその内容例示(平成27年1月改定)】(現時点で最新版)から説明を抽出すると次の通りとなる。
・他の和生菓子……大福餅、くずもち、ゆべし、どら焼き、おはぎ、串団子、今川焼き、たい焼き、最中(もなか)など。半生菓子も含む。スイートポテトやおやきは含まれない。
・他の洋生菓子……エクレア、シュークリーム、ワッフル、マドレーヌ、クレープ、バームクーヘン、アップルパイ、ロールケーキ、パウンドケーキ、ババロア、ムース、スイートポテトなど。
・スナック菓子……じゃが芋やとうもろこし、小麦粉などを主原料とし、焼き上げたもの。ポテトチップス、ポップコーン、クラッカー、野菜や果物のチップス。
・キャンデー……水あめ、ドロップ、キャラメル(ソフトも含む)。
・他の洋生菓子……エクレア、シュークリーム、ワッフル、マドレーヌ、クレープ、バームクーヘン、アップルパイ、ロールケーキ、パウンドケーキ、ババロア、ムース、スイートポテトなど。
・スナック菓子……じゃが芋やとうもろこし、小麦粉などを主原料とし、焼き上げたもの。ポテトチップス、ポップコーン、クラッカー、野菜や果物のチップス。
・キャンデー……水あめ、ドロップ、キャラメル(ソフトも含む)。
また、家計調査では単身世帯の年齢階層に関して、34歳以下(若年層)・35-59歳(中年層)・60歳以上(高齢層)に区分している(65歳以上の特化区分もあるが省略)。そこでこの年齢区分に従い、各種計算をしていく。
まずは直近5年間における、月あたりに換算をした菓子類項目への支出金額。単身世帯であることから当然として、世帯主本人のための購入になる。

↑ 菓子類の支出金額(単身世帯、月あたり、年齢階層別、円)
単身世帯の菓子出費は大体月3000円台。おおよそ年齢が上になるに連れて額が大きくなる。
そして菓子類の具体的項目別における月あたりの支出金額を算出したのが次のグラフ。年齢階層別で菓子の好みが大きく異なることが分かる。

↑ 菓子類の支出金額(単身世帯、月あたり、具体的項目別・年齢階層別、円)(2019年)
すぐに目につくのは他の和生菓子の年齢階層による格差の大きさ。元々若年層でもそれなりに(147円/月)支出があるが、高齢層になると月600円近くも支出している計算になる。高齢層において全菓子代の1割後半は大福やどら焼き、串団子などに費やされている計算。
その他「若年層ほど高額」は赤矢印、「高齢層ほど高額」は青矢印を使い、動きを追っている。見た限りではほぼ世間一般のイメージ通りの購入性向が確認できる。よく好まれる種類として、
・若年層…ケーキ、他の洋生菓子、ビスケット、チョコレート、チョコレート菓子、アイスクリームなど
・高齢層…ようかん、他の和生菓子、ゼリー、せんべい、キャンデー
・高齢層…ようかん、他の和生菓子、ゼリー、せんべい、キャンデー
が挙げられる。他の洋生菓子の勢いが中年層まで高い値を維持しているが、これはいわゆるコンビニスイーツが影響している可能性がある。家計調査では購入先(店)の項目が無いので断言はできないものの、該当具体項目「エクレア、シュークリーム、ワッフル、マドレーヌ、クレープ、バームクーヘン、アップルパイ、ロールケーキ、ムース」を見ると、十分に説得力はある。
金額別に見ると、高齢者の他の和生菓子がずば抜けて高いのは別として、高齢者でもキャンデーやゼリーはそれなりに若年層以上の人気ぶりを見せていること、似たような性質を持っているがスナック菓子は若年層、せんべいは高齢者に高い人気があることが分かる。
各年齢階層の人気商品をピックアップ
これらのうち各年齢階層毎に金額で上位3位以内の項目を抽出し、重複するものを除いた計5項目を決定。その上で、各年齢階層の菓子類の支出金額に占める比率を算出したのが次のグラフ。上で少し触れたが、例えば高齢者ではお菓子代総額の1割後半、16.3%を他の和生菓子に支出していることになる。

↑ 菓子類の支出金額(単身世帯、月あたり、具体的項目の菓子類全体額に対する比率、年齢階層別に金額上位3項目ずつ抽出、年齢階層別)(2019年)
それぞれ該当上位年齢階層で大いに好まれ、その他の年齢階層ではそれほど勢いよくは好かれていないパターンが多いのが分かる。とりわけ他の和生菓子やせんべいでは大きな差が出ている。他の和生菓子においては大福もちならいちご大福、たい焼きでもチョコレートやチーズ、クリーム、そして昨今では一時期大ブームとなった白いたい焼きのように、若年層向けの商品も色々と登場しているが、まだまだ商品開発上の努力が必要なようだ。
むしろ最近では冒頭で例示した通り、若者向けと思われる菓子群が高齢層にすり寄る姿勢を示している。例えば抹茶のように若年層にも好まれる味のものならよいが、一連の傾向が逆に若年層の菓子離れを引き起こすのでは無いかとの懸念もゼロでは無い。

今件のデータを見る限り、今後ますます増えるであろう単身の高齢者は、大福やどら焼き、串団子などの和生菓子、そしてせんべいに強い関心を抱いている。レジ横・レジ前ワゴンの菓子コーナーに並べられた品々を見れば、そしてコンビニ各社が続々と「和」の要素を取り入れた新スイーツを展開する状況を思い返せば、今件の結果も納得できるに違いない。
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