カステラやおまんじゅう、羊かんはシニアの方が好んで食べる…世代別・単身世帯のお菓子支出比率をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2016年)(最新)

2016/03/14 10:41

主にコンビニの独自ブランドにおけるデザートの開発と普及に伴い、この数年でお菓子は洋風・和風、さらには和洋折衷のものまで含め、これまで以上に多種多様なものが展開され、商品棚に彩りを添えることとなった。また商品の購買性向、店舗の来場客層の変化に合わせる形で、主に和菓子や和菓子風の味わいによる商品の進出が著しい。従来洋菓子のジャンルで著名なシリーズにも、続々と抹茶や餡子など和菓子風の味が登場している。それらお菓子周辺の環境変化により、消費者の購買実情はどのような動きを示しているのだろうか。総務省統計局が2016年2月16日にデータ更新(2015年・年次分反映)を行った【家計調査(家計収支編)調査結果】の中から、個人の消費性向が良くわかる単身世帯にスポットライトを当てて、その状況を確認していくことにする。

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世代で大きく異なる「好んで買うお菓子」の種類


今回スポットライトを当てるお菓子の品目は、「他の菓子」以外の、ある程度区分わけが成されているものについて。そのうち具体的に商品内容が把握しにくいものの内情に関して、【家計調査 収支項目分類・収支項目分類及びその内容例示(平成27年1月改定)】(現時点で最新版)から説明を抽出すると次の通りとなる。

・他の和生菓子……大福餅、くずもち、ゆべし、どら焼き、おはぎ、串団子、今川焼き、たい焼き、最中(もなか)など。半生菓子も含む。スイートポテトやおやきは含まれない。

・他の洋生菓子……エクレア、シュークリーム、ワッフル、マドレーヌ、クレープ、バームクーヘン、アップルパイ、ロールケーキ、パウンドケーキ、ババロア、ムース、スイートポテトなど。

・スナック菓子……じゃが芋やとうもろこし、小麦粉などを主原料とし、焼き上げたもの。ポテトチップス、ポップコーン、クラッカー、野菜や果物のチップス。

・キャンデー……水あめ、ドロップ、キャラメル(ソフトも含む)。

また、家計調査では単身世帯の年齢階層に関して、34歳以下(若年層)・35-59歳(中堅層)・60歳以上(高齢層)に区分している(65歳以上の特化区分もあるが省略)。そこでこの年齢区分に従い、各種計算をしていく。

まずは月次換算をした菓子類項目への支出総額。「単身世帯」であることから当然として、世帯主本人のための購入になる。

↑ 単身世帯年齢階層別・菓子類項目の月次支出(合計)(円)(2012年-2015年)
↑ 単身世帯年齢階層別・菓子類項目の月次支出(合計)(円)(2012年-2015年)

単身世帯のお菓子出費は大体月3000円強。大よそ歳を経るほど額が大きくなる(直近では中堅層が一番額が少ないが)。

そして主なお菓子類の月次支出額を算出したのが次のグラフ。世代でお菓子の好みが大きく異なることが分かる。

↑ 単身世帯年齢階層別・菓子類項目の月次支出(円)(2015年)
↑ 単身世帯年齢階層別・菓子類項目の月次支出(円)(2015年)

すぐに目につくのは「他の和生菓子」の世代間格差。元々若年層でもそれなりに(216円/月)支出があるが、高齢層になると月600円以上も購入される計算になる。シニア層において全お菓子代の2割近くは大福やどら焼き、串団子などに費やされている計算。

その他「若年層ほど高額」は赤矢印、「高齢層ほど高額」は青矢印を使い、動きを追っている。見た限りではほぼ世間一般のイメージ通りの購入性向が確認できる。よく好まれる種類として、

・若年層……ケーキ、プリン、ビスケット、スナック菓子、チョコレート、チョコレート菓子

・高齢層……ようかん、まんじゅう、他の和生菓子、カステラ、せんべい、キャンディー

と仕切り直せる。興味深いのは高齢層で若年層以上に「カステラ」の人気が高いこと。また「他の洋生菓子」の勢いがすべての世代でほぼ同じ購入額を維持し、しかも高い額を示しているが、これはいわゆる「コンビニスイーツ」の購入が影響している可能性がある。家計調査では購入先(店)の項目が無いので断言はできないものの、該当具体項目「エクレア、シュークリーム、ワッフル、マドレーヌ、クレープ、バームクーヘン、アップルパイ、ロールケーキ、ムース」を見ると、十分に説得力はある。

額面別に見ると、高齢者の「他の和生菓子」がずば抜けて高いのは別として、高齢者でも「他の洋生菓子」以外で「キャンディー」「ゼリー」はそれなりに若年層以上の人気ぶりを見せていること、似たような性質を持っているが「スナック菓子」は若年層・「せんべい」は高齢者に高い人気があることが分かる。

各世代の人気商品をピックアップ


これらのうち各年齢階層毎に金額で上位3位以内の項目を抽出し、重複するものを除いた計6項目を決定。その上で、各世代の「お菓子代総額」に占める比率を算出したのが次のグラフ。上で少し触れたが、例えば高齢者ではお菓子代総額の2割近く、17.5%を「他の和生菓子」に支出していることになる。

↑ 単身世帯年齢階層別・菓子類項目の菓子類全体額に対する比(各世代・金額上位3項目ずつ抽出)(2015年)
↑ 単身世帯年齢階層別・菓子類項目の菓子類全体額に対する比(各世代・金額上位3項目ずつ抽出)(2015年)

「他の洋生菓子」は年齢階層を超えて愛されているが、それ以外の種類ではそれぞれ該当上位年齢階層で大いに好まれ、その他の世代にはさほど好かれていないパターンが多いのが分かる。とりわけ「他の和生菓子」では大きな差が出ている。大福もちならいちご大福、たい焼きでもチョコレートやチーズ、クリーム、そして昨今では一時期大ブームとなった白いたい焼きのように、若年層向けの商品も色々と出てはいるのだが、まだまだ努力が必要なようだ。

むしろ最近では冒頭で例示した通り、若者向けと思われるお菓子群がシニア層にすり寄る姿勢を示している。例えば抹茶のように若年層にも好まれる味のものなら良いが、一連の傾向が逆に若年層のお菓子離れを引き起こすのではないかとの懸念もゼロでは無い。



【コンビニレジ横の「和菓子」の謎】などでも触れているように、コンビニのレジ前のワゴンやレジ横に和菓子が並べられることが多いのは、高齢者に向けたアピールの意味合いが強い。それほど大量にさばける商品でもなく、目新しいものでもないが、なぜ「特等席」にあるのか不思議に思うかもしれない。しかし実は高齢者の常連化、あるいは客単価の向上を狙った配置であり、巧みな戦略の結果に他ならない。【「麦粉」「和三盆」を用いた古くて新しいお菓子たち、無印良品から登場】のように和菓子をわざわざ強調した上での新商品展開も、似たような「高齢者へのアピール」が多分にあると考えれば道理は通る。

今件のデータを見る限り、今後ますます増えるであろう単身の高齢者は、大福やどら焼き、串団子などの和生菓子、そしておせんべいに強い関心を抱いている。レジ横・レジ前ワゴンのお菓子コーナーに並べられた品々を見れば、そしてコンビニ各社が続々と「和」の要素を取り入れた新スイーツを展開する状況を思い返せば、今件の結果も納得できるに違いない。


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