シニアはやっぱり食パンが好き…世代別・単身世帯の「食パン」「カップ麺」「ハンバーガー」などの支出比率をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2016年)(最新)

2016/03/14 05:09

総務省統計局が2016年2月16日にデータ更新(2015年・年次分反映)を行った【家計調査(家計収支編)調査結果】の公開値を基に、複数の記事において、色々な属性の世帯における消費性向を支出額や購入頻度などの観点から推し量り、人々の日常生活の様相を確認している。今回は少々視線を変え、「単身世帯(一人暮らし)」に限定し、「食パン」や「カップ麺」などが、食費全体に対するウェイトを見ていくことにする。シンプルな食材の世代別利用性向、そして各世代の一人暮らし世帯における食事性向の一部が透けて見えてはず。とりわけ今後問題視されるに違いない、一人暮らしのシニア層の食生活が気になるところである。

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食パンはシニア層ほど良く買う法則


今件データは該当する「家計調査報告」のデータの中から、「食料(食費)」「食パン」「他のパン」「カップ麺」「即席麺」「ハンバーガー」「他の主食的外食」について抽出したもの。これらの項目が具体的にどのような食品を示しているかは、【収支項目分類・収支項目分類及びその内容例示(平成27年1月改定)】(現時点で最新のもの)で次のように解説されている。

・食費(食料)……飲食に供される食品及びこれに伴うサービスに対する支出。

・食パン……パンのうち、基本的な原材料(穀粉、酵母種、食塩、砂糖、脂肪)のみでできているもの。サンドウィッチ用パン、ソフトブレッド、バターブレッド、バターロール、コッペパン、フランスパン、ハンバーガー用パン、ホットドッグ用パンなどが該当。ジャム・バター・チョコレート付き食パンや調理パンは該当しない。

・他のパン……パンのうち、基本的な原材料「以外」の材料を加え、初めから一つに成形されたパン。原材料としてハム、卵、チーズなどが使われていてもよい。アップルパン、あんパン、コロネ、ジャムパン、ぶどうパン、メロンパン、カレーパン、ピロシキ、揚げパン、ジャム・バター・チョコレート付き食パン、ピザパン、野菜入り食パン(ほうれん草・にんじん・たまねぎなど)が該当。調理パン、乾パンや中華まんじゅうは該当せず。

・カップ麺……カップ状のものにめんや具材が入り,お湯を注ぐだけで飲食できるもの。主食的に食べるもの。カップラーメン以外にカップそば、カップうどんなども該当する。

・即席麺……製造過程において調理味付けされ、保存可能の状態に加工されたもの。メンマ、あげ玉、わかめ程度を付加したものも含む。カップ麺は除く。

・ハンバーガー(外食)……セットも含む。ファストフード店(での購入)に限る。

・他の主食的外食……そば、うどん、ラーメン、パスタ、寿司、和食・中華・洋食各種、ハンバーガー「以外」の外食。例えばドーナツセット、お好み焼き、ピザパイ、お子様ランチ、会社での食事代など。ファミリーレストランにおける食事も該当する。学校給食、喫茶代、飲食代は含まず。

また、家計調査では単身世帯の年齢階層について、34歳以下(若年層)・35-59歳(中堅層)・60歳以上(高齢層)に区分している(65歳以上の特化区分もあるが、過去データとの比較対象の観点や、肉体的な問題の上では60歳で区切った方が考察をし易いことから、今回は省略)。そこでこの年齢区分に従い、金額ベース、そして食費に対する各項目比率を算出していく。

まずは月次換算をした支出(元資料に掲載されているのは年次の値であることから、単純に12で割っている)。「単身世帯」なので当然、世帯主本人のための購入になる。

↑ 単身世帯世代別・食費項目の月次支出(円)(2015年)
↑ 単身世帯世代別・食費項目の月次支出(円)(2015年)

ファミレスでの食事などが含まれる外食は、高齢者になるとグンと額が減る。お好み焼きはともかく、ドーナツやピザ、パイなどの調達も一人身シニア層の食事としてはイメージしにくい。また、廉価な主食としてイメージされる「カップ麺」「ハンバーガー」なども、全般的に若年層の方が出費額は大きい。特に「ハンバーガー」は60歳以上の場合「月34円」しか出費していない計算になる。仮に200円ほどの通常サイズのハンバーガー1つのみを対象としたとしても、6か月に1度、1個のみ。500円程度のセットを年に1回食するか否か、といった程度の感覚となる。

他方、唯一「世代を経ることに出費が増える」項目として「食パン」が挙げられる。【3割が「毎日パンを食べますよ」、歳を経るほど「パンが大好き」】でも指摘しているが、「日持ちする」「手間がかからない」などの便宜性から高齢者にも(特に朝食用として)パンは好まれる。しかしこのパンは菓子パンや調理パン(コロッケパンなどの本格的な「調理パン」は今件の「他のパン」には含まれないが、やはり高齢者では購入額は下がる傾向にある)では無く、食パンなどのシンプルなパンを対象としていると読める。

↑ 単身世帯世代別・食費項目の月次支出(円)(調理パン)(2015年)
↑ 単身世帯世代別・食費項目の月次支出(円)(調理パン)(2015年)

前年の2014年分の値と比較すると、「食パン」はいくぶん減退しているが、それ以外は大よそ増加の動きを示している。シンプルな「食パン」のみが減り、他の食品が大よそ増えたことから、食の多様化の動き、食に対する選択の余裕が出てきたとみるべきだろうか。

また昨年「他の主食的外食」の中堅層で見られたイレギュラー的増加は元に戻り、きれいな形で「年上ほど額が少ない」に戻っている。整然さを取り戻した感はある。

食費全体に占める比率を算出


これを各世代毎に、それぞれの食費に占める比率について算出したのが次のグラフ。

↑ 単身世帯世代別・食費項目の食費全体比(2015年)
↑ 単身世帯世代別・食費項目の食費全体比(2015年)

見た目では金額の変移グラフとの違いはほとんど無い。同じ「単身世帯」でも若年層と高齢層では食事構成も大きく異なることが、この比率区分からも分かる。特に単身若年層は食費の(外食費の、ではない)約1/7をファミレスなどの外食に費やしていることになる。

減退感の大きい「ハンバーガー」は若年層でも0.89%。食費の1%にも満たない。前年2014年分では0.93%だったことから、0.04%ポイントの減退となる。もっとも、それでもカップ麺の0.65%よりはまだ上。案外カップ麺は若年層においてすら、食されていない。



今件記事で単身世帯に的を絞ったのは、今後若年層・高齢層共に単身世帯の増加が容易に予想できること、そして「食パン」と「他のパン」をわざわざ取り上げたのは【ちぎりパン(敷島製パン/セブンイレブン)】でも紹介したように、高齢者に配慮したパン、特にシンプルな食パン系の新商品が目に留まるようになったのが、その理由。また昨今ではコンビニのプライベートブランドに代表される、高級食パンの展開が一種のブームと化しており、しかも購入層には多分に中堅層からシニア層がいることも、大きな精査動機として挙げられる。

別項目の話になるが、同じくコンビニで売上を大きく牽引するようになったドリップコーヒー(スタンドコーヒー)が多分に影響し、「コーヒー飲料」の支出金額や購入頻度に有意な動きが確認できている。さらにそれに連動する形で「コーヒー」自身も消費が増えている気配がある。高級食パンブームもさらに広域に展開すれば、シニア層を中心に金額の明らかな上昇を見ることができるだろうか。今回年は逆に前年から減額してしまっただけに、来年以降の動きが気になるところだ。


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