コーヒーやミネラルウォーターが伸びていたが…世帯単位での各種飲料の利用性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(最新)

2018/03/12 05:19

2018-0311食べ物とともに飲み物は人が生き続けるのには欠かせないものであり、日々摂取し消費していく対象でもある。当然、それらの商品は身近な存在に他ならない。普段は改めて意識することも無い、これらの飲み物に関して、総務省統計局が2018年2月16日にデータ更新(2017年・年次分反映)を行った【家計調査(家計収支編)調査結果】を基に、総世帯(単身世帯と二人以上世帯を合わせた、全部の世帯)における消費性向の現状や推移などを確認していくことにする。

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牛乳は月に一人あたり446円分買われています


今回検証対象とする飲み物は「飲料」項目中の「茶類」「コーヒー」「コーヒー飲料」「牛乳」「ミネラルウォーター」の計5種類。これらの項目が具体的にどのような食品を示しているかに関しては、【収支項目分類及びその内容例示(平成27年1月改定)】で解説されている。それによると、

・茶類……植物の葉や実などを主原料とし、一般的に「茶」と呼称されるもの。茶葉にあられ、玄米、こんぶなどを少量加えたものも含む。自動販売機や駅、車内売りも含む。また缶やビン、パック、ペットボトル入りも含む。

・コーヒー……粒、か粒、粉末、固体のもの。インスタントコーヒーも含む。

・コーヒー飲料……液体のみ。濃縮液も含む。自動販売機や駅売り、車内売りも含む。コーヒー牛乳は乳製品に該当するため除外。

・牛乳……低温殺菌牛乳、無調整牛乳以外に成分調整牛乳や低脂肪牛乳、牛乳以外の獣乳も含む。コーヒー牛乳やいちごオレ、カルシウム・鉄を加えた牛乳(着香成分入り)は乳製品に該当する。

・ミネラルウォーター…… 飲用適の水を容器に詰めたもの。炭酸が圧入されたものや栄養素及び果汁を加えたものは対象外。また経口補水液も除外。

となる。

またグラフ中や文中に登場する「購入世帯数」「購入世帯頻度」などの言葉の意味は、先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などですでに解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

まずは「購入世帯頻度」と「支出金額」(「総世帯」では「購入世帯数」の結果は掲載されていない)。また「購入世帯頻度」は世帯単位での購入頻度を示している。直近データの2017年分について、主要項目の「購入世帯頻度」と「平均支出額」、さらには世帯単位では無く「一人あたり」の金額をグラフ化したのが次の図。

↑ 総世帯の平均支出金額(円)・購入世帯頻度(各種飲料)(2017年、月次換算)(金額は円)
↑ 総世帯の平均支出金額(円)・購入世帯頻度(各種飲料)(2017年、月次換算)(金額は円)

総世帯の”一人あたり”平均支出金額(円)(各種飲料)(2017年、月次換算)
↑ 総世帯の”一人あたり”平均支出金額(円)(各種飲料)(2017年、月次換算)

単身世帯と二人以上世帯を合わせた、老若男女老すべての平均値であることから、「茶類」と「牛乳」の値が比較的高め。特に「茶類」は自宅で飲む以外に缶やペットボトルで外飲みされているのも含むため、購入頻度も額も高くなる。例えば出勤先でお昼のお弁当とともに、ペットボトルのお茶を飲む事例は容易に想起される。

「コーヒー」と「コーヒー飲料」とでは、購入頻度が3倍強も違うものの、平均支出額はさほど変わらない。逆算すると、缶コーヒーの3本分位の金額で、家で沸かして飲むタイプのコーヒーを買っていることになる(その際の消費量は同じでは無いことに注意。要はビンや袋詰めの粉などを調達している)。

2011年には震災関連で特需的に値が伸びた「ミネラルウォーター」だが、2012年以降は購入頻度・金額ともに漸減している。しかし2011年で一気に引き上げられた値の余韻は今なお残っており、震災で生じたミネラルウォーターの大規模な特需が、一部はそのまま定着した感はある。

ちなみに数年前に消費量の減少が大きく問題視された牛乳だが、2017年では月間3.54回購入され、消費金額は1世帯あたり1040円。一人頭算出では446円。1リットルサイズの紙パックが1本200円前後とみると、一世帯あたり月に5本位の消費となるのだろう。

時系列で推移を確認


この「購入世帯頻度」「支出額」の推移を、総務省統計局の公開データベースe-stat上に結果が収録されている2002年以降のものにつき、時系列で再整理してグラフ化したのが次の図。なお「ミネラルウォーター」は単独の項目として登場したのが2005年からなので、グラフ上のプロットも当然2005年以降のもののみとなる。

↑ 総世帯の平均購入世帯頻度(各種飲料)(月次)
↑ 総世帯の平均購入世帯頻度(各種飲料)(月次)

↑ 総世帯の平均支出金額(各種飲料)(月次、円)
↑ 総世帯の平均支出金額(各種飲料)(月次、円)

単年では高い頻度と購入金額を誇る「牛乳」。しかし中期的に見ると購入世帯頻度・購入金額ともに漸減している。世帯構成人数の減少も一因だが、それをはるかに上回る減少率(本統計上の集計値としての平均世帯人数は、2002年が2.63人・2017年が2.33人。11.4%の減少。「牛乳」の購入頻度は20.3%も減少している)であることは間違い無い。支出がこの数年もみ合いながらの動きにあるのは、単価の上昇や高級志向によるところもあるのだろう。

一方「茶類」は支出金額こそ漸減しているが、購入頻度は中長期的には漸増トレンド。これは健康志向の高まり、さらには上に例で挙げたように、お昼時なども含めコンビニ・自販機ルートで食事のお供に買われているのが大きい。また、お茶をより好む高齢者の増加も一因だろう。

水は品切れそしてグラフ上に薄い赤丸で囲った2011-2017年の「ミネラルウォーター」だが、2011年は震災特需による需要急増で大幅上昇、2012年以降はその熱がやや醒めた形となり、いくぶん減少のさなかにある。とはいえ、それでも2010年の値と比べれば随分と多い。直近年では購入世帯頻度は2011年と同程度、支出金額も2011年とほぼ同額。上記でも言及したように、震災起因で上昇した「ミネラルウォーター」購入の注目がある程度浸透したまま定着しているようだ。

なお「コーヒー」「コーヒー飲料」だが2013年以降は継続的に購入頻度・支出金額ともに大きな上昇を示していた。これは先の記事でも言及した通り、大手コンビニで急速に普及しつつあるカウンターコーヒー(ドリップコーヒーサービス)で「コーヒー飲料」が底上げされ、それに連動する形でコーヒーそのものの需要が伸び、結果として「コーヒー」そのものも上昇した可能性が高い。

ただし2016年以降「コーヒー飲料」の伸び率が落ち込み、直近の2017年では購入世帯頻度・支出金額ともに下落している。昨今コンビニ各社がカウンターコーヒーのリニューアルを推し進め、ラインアップの増強も著しいのは、売上が頭打ち、さらには減少に転じたがための対応策の可能性がある。もっとも2017年は西日本では猛暑となったが東日本・北日本では冷夏のために清涼飲料全般が不調となり、そのあおりを受けた可能性は否定できない(とはいえ「茶類」の購入世帯頻度が伸びているので、一部地域の冷夏を原因に挙げるのも多少無理があるが)。



「ミネラルウォーター」に関しては震災時の特需が一時的なものでしか無く、すぐに震災前の状態に戻るとの観測もあったが、実際には高レベルのまま購入頻度・支出金額が継続している。水に対する意識の高まりが、世帯に浸透したのだろう。

またコーヒー全体の需要がコンビニにおけるカウンターコーヒーの本格的供給により伸びる動きを示しているのは、興味深い話ではある。コンビニで消費される一方で一日あたりの総飲量は変わらず、家飲み分が減るかもしれないとの懸念はあったが、結果としては相乗効果を生み出しているようだ。詳しくは別の機会で分析するが、世の中の動きを裏付ける値が出ているのは、趣のある話には違い無い。


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