世帯単位での各種飲料の利用性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(最新)

2019/02/26 05:26

2019-0216食べ物とともに飲み物は人が生き続けるのには欠かせないものであり、日々摂取し消費していく対象でもある。当然、それらの商品は身近な存在に他ならない。普段は改めて意識することも無い、これらの飲み物に関して、総務省統計局が2019年2月8日にデータ更新(2018年・年次分反映)を行った【家計調査(家計収支編)調査結果】を基に、総世帯(単身世帯と二人以上世帯を合わせた、全部の世帯)における消費性向の現状や推移などを確認していくことにする。

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牛乳は月に一人あたり437円分買われている


今回検証対象とする飲み物は飲料項目中の茶類、コーヒー、コーヒー飲料、牛乳、ミネラルウォーターの計5種類。これらの項目が具体的にどのような食品を示しているかに関しては、【収支項目分類およびその内容例示(平成27年1月改定)】で解説されている。それによると、

・茶類……植物の葉や実などを主原料とし、一般的に「茶」と呼称されるもの。茶葉にあられ、玄米、こんぶなどを少量加えたものも含む。自動販売機や駅、車内売りも含む。また缶やビン、パック、ペットボトル入りも含む。

・コーヒー……粒、か粒、粉末、固体のもの。インスタントコーヒーも含む。

・コーヒー飲料……液体のみ。濃縮液も含む。自動販売機や駅売り、車内売りも含む。コーヒー牛乳は乳製品に該当するため除外。

・牛乳……低温殺菌牛乳、無調整牛乳以外に成分調整牛乳や低脂肪牛乳、牛乳以外の獣乳も含む。コーヒー牛乳やいちごオレ、カルシウム・鉄を加えた牛乳(着香成分入り)は乳製品に該当する。

・ミネラルウォーター…… 飲用適の水を容器に詰めたもの。炭酸が圧入されたものや栄養素および果汁を加えたものは対象外。また経口補水液も除外。

となる。

またグラフ中や文中に登場する「購入世帯率」「世帯購入頻度」などの言葉の意味は、先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などですでに解説済み。詳しくはそちらを参照のこと。

まずは世帯購入頻度と支出金額(総世帯では購入世帯率の結果は掲載されていない)。また世帯購入頻度は世帯単位での購入頻度を示している。直近データの2018年分について、主要項目の世帯購入頻度と支出金額」、さらには世帯単位ではなく一人あたりの金額をグラフ化したのが次の図。

↑ 各種飲料の支出金額・世帯購入頻度(総世帯、月あたり、円)(2018年)
↑ 各種飲料の支出金額・世帯購入頻度(総世帯、月あたり、円)(2018年)

↑ 各種飲料の支出金額(総世帯、月あたり・一人あたり、円)(2018年)
↑ 各種飲料の支出金額(総世帯、月あたり・一人あたり、円)(2018年)

単身世帯と二人以上世帯を合わせた、老若男女老すべての平均値であることから、茶類と牛乳の値が比較的高め。特に茶類は自宅で飲む以外に缶やペットボトルで外飲みされているのも含むため、購入頻度も金額も高くなる。例えば出勤先でお昼のお弁当とともに、ペットボトルのお茶を飲む事例は容易に想起される。

コーヒーとコーヒー飲料とでは、購入頻度が4倍近くも違うものの、支出金額はさほど変わらない。逆算すると、缶コーヒーの4本分ぐらいの金額で、家で沸かして飲むタイプのコーヒーを買っていることになる(その際の消費量は同じでは無いことに注意。要はビンや袋詰めの粉などを調達している)。

2011年には震災関連で特需的に値が伸びたミネラルウォーターだが、2012年以降は購入頻度・金額ともに漸減している。しかし2011年で一気に引き上げられた値の余韻は今なお残っており、震災で生じたミネラルウォーターの大規模な特需が、一部はそのまま定着した感はある。さらに後述するが、この数年では再び増加の兆しがある。

数年前に消費量の減少が大きく問題視された牛乳だが、2018年では月あたり3.557回購入され、消費金額は1世帯で1019円。一人あたりでは437円。1リットルサイズの紙パックが1本200円前後とみると、一世帯あたり月に5本ぐらいの消費となるのだろう。

時系列で推移を確認


この世帯購入頻度や支出金額の推移を、総務省統計局の公開データベースe-stat上に結果が収録されている2002年以降のものにつき、時系列で再整理してグラフ化したのが次の図。なおミネラルウォーターは単独の項目として登場したのが2005年からなので、グラフ上のプロットも当然2005年以降のもののみとなる。

↑ 各種飲料の世帯購入頻度(総世帯、月あたり、種類別)
↑ 各種飲料の世帯購入頻度(総世帯、月あたり、種類別)

↑ 各種飲料の支出金額(総世帯、月あたり、種類別、円)
↑ 各種飲料の支出金額(総世帯、月あたり、種類別、円)

単年では高い頻度と購入金額を誇る牛乳。しかし中期的に見ると世帯購入頻度・支出金額ともに漸減している。世帯構成人数の減少も一因だが、それをはるかに上回る減少率(本統計上の集計値としての平均世帯人数は、2002年が2.63人・2018年が2.33人。11.4%の減少。牛乳の世帯購入頻度は19.9%も減少している)であることは間違い無い。直近年ではついに茶類と金額の序列が入れ替わってしまった。

一方茶類は支出金額こそ漸減していたが、購入頻度は中長期的には漸増トレンド。これは健康志向の高まり、さらには上に例で挙げたように、お昼時なども含めコンビニ・自販機ルートで食事のお供に買われているのが大きい。また、お茶をより好む高齢者の増加も一因だろう。ここ数年は支出金額も上昇中。

水は品切れそしてグラフ上に薄い赤丸で囲った2011-2018年のミネラルウォーターだが、2011年は震災特需による需要急増で大幅上昇、2012年以降はその熱がやや醒めた形となり、いくぶん減少のさなかにある。とはいえ、それでも2010年の値と比べれば随分と多い。直近年では支出金額は2011年と同程度、世帯購入頻度は2011年を超える値に。上記でも言及したように、震災起因で上昇したミネラルウォーター購入の注目がある程度浸透したまま定着しているようだ(2018年は夏の猛暑も影響したのだろう)。

なおコーヒーやコーヒー飲料だが2013年以降は世帯購入頻度・支出金額ともに上昇を示している。これは先の記事でも言及した通り、大手コンビニで急速に普及しつつあるカウンターコーヒー(ドリップコーヒーサービス)でコーヒー飲料が底上げされ、それに連動する形でコーヒーそのものの需要が伸び、結果としてコーヒーそのものも上昇した可能性が高い。ただしコーヒーはこの数年、値をいくぶん落としつつあるが。



ミネラルウォーターに関しては震災時の特需が一時的なものでしか無く、すぐに震災前の状態に戻るとの観測もあったが、実際には高レベルのままで世帯購入頻度・支出金額が継続している。水に対する意識の高まりが、世帯に浸透したのだろう。

またコーヒー全体の需要がコンビニにおけるカウンターコーヒーの本格的供給により伸びる動きを示しているのは、興味深い話ではある。コンビニで消費される一方で一日あたりの総飲量は変わらず、家飲み分が減るかもしれないとの懸念はあったが、結果としては相乗効果を生み出しているようだ。詳しくは別の機会で分析するが、世の中の動きを裏付ける値が出ているのは、趣のある話には違い無い。


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