世帯単位での外食などの利用性向推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(最新)

2019/02/26 05:23

2019-0216就業者の昼食や家族の団らんの場、気分転換のきっかけとしてなど、多様な場面で使われる外食。単に食事をする切り口で見れば、多分にコストが高くつくことから、節約の対象となる場合も多い。見方を変えれば、景気動向に左右されやすい消費行動ともいえる。今回は外食の主な消費(利用)性向について、総務省統計局が2019年2月8日にデータ更新(2018年・年次分反映)を行った【家計調査(家計収支編)調査結果】を基に、その現状や経年推移について精査していくことにする。

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すしや一部麺類以外は伸びる


次以降のグラフは家計調査報告(家計収支編)の総世帯から各種データを抽出の上、必要なものについては独自に算出した値を用いている。今回は世帯種類毎の消費性向の違いはさほど問題では無く、市場全体の消費の動きを確認することが目的なため、単身世帯・二人以上世帯それぞれの値は考察しない。またグラフ中や文中に登場する購入世帯率・世帯購入頻度などの言葉の意味は、先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などですでに解説済みなので、そちらを参照のこと。

取り上げる項目は一般外食、さらにはその中に含まれるハンバーガー、他の主食的外食。その中身は【収支項目分類およびその内容例示(平成27年1月改定)】で次のように解説されている(今定義が最新)。

↑ 一般外食、ハンバーガー、他の主食的外食の詳細

まずは世帯購入頻度と支出金額。直近値の2018年分について、主要項目の世帯購入頻度と支出金額、さらには一人あたりの金額をグラフ化したのが次の図。なおハンバーガーや他の主食的外食は一般外食の内部項目(厳密には一般外食の一区分に食事代があり、その食事代の一区分としてハンバーガーや他の主食的外食がある)でしかないことに留意する必要がある。

↑ 外食全般と主要品の支出金額・世帯購入頻度(総世帯、月あたり、種類別、円)(2018年)
↑ 外食全般と主要品の支出金額・世帯購入頻度(総世帯、月あたり、種類別、円)(2018年)

↑ 外食全般と主要品の一人あたり支出金額(総世帯、月あたり、種類別、円)(2018年)
↑ 外食全般と主要品の一人あたり支出金額(総世帯、月あたり、種類別、円)(2018年)

一般外食の利用頻度は月あたり5.931回。実質的には宅配ピザのような中食も含まれるので、さほど多いわけでは無い。ドーナツ、お好み焼き、ファミレスなどでの食事は月に約2回。金額で一人あたり約1800円は、1回あたり900円ほどとなるため、ファミレスのランチメニューとコーヒーで大体金額が合う形になる。一方、ハンバーガーは3か月に1回程度と少なめ。これは総世帯には利用者が少ない高齢者世帯層も含まれるため。

頻度について前年分の2017年の値と比較すると、洋食はいまいちだが和食が大きめ、そして日本そば・うどん、焼肉、ハンバーガー、飲酒代などが増加している。他の主食的外食の伸びも大きい。他方、中華そばは伸びが小さめ、さらに他の麺類外食やすし(外食)ではマイナスを計上している。

↑ 外食全般の世帯購入頻度(総世帯、前年比、種類別)(2018年)
↑ 外食全般の世帯購入頻度(総世帯、前年比、種類別)(2018年)

焼肉の伸びは外食産業の業界月次報告でも逐一報告されている通りで、焼肉店の堅調さを裏付けるもの。ハンバーガーは先行記事【単身・二人以上世帯における外食利用動向をグラフ化してみる】でも言及しているが、業界最大手のマクドナルドが復調したことに加え、携帯事業会社のコラボキャンペーンの結果が表れた可能性がある。

経年推移で動向を探る


この世帯購入頻度や支出金額の経年推移を、総務省統計局の公開データベースe-statでデータが取得可能な2002年以降のものにつき、時系列で再整理してグラフ化したのが次の図。

↑ 外食全般と主要品の世帯購入頻度(総世帯、月あたり、種類別)
↑ 外食全般と主要品の世帯購入頻度(総世帯、月あたり、種類別)

↑ 外食全般と主要品の支出金額(総世帯、月あたり、種類別、円)
↑ 外食全般と主要品の支出金額(総世帯、月あたり、種類別、円)

まず外食全般に相当する一般外食は、中期的には頻度も額も減少していた。世帯構成人数の減少も一因ではあるが、それをはるかに上回る減少率。この動きは外食産業で平均単価が下がったことに加え、外で食べる(=中食を含まない)外食を避ける流れが進んでいたことが見えてくる。一方ハンバーガーは少しずつではあるが、世帯購入頻度・支出金額ともに、確実に増加中「だった」。

ところが2012年以降は多様な変化が確認されている。一般外食全体では世帯購入頻度・支出金額の下落が止まり、横ばい、さらには上昇へとトレンドの転換が見受けられる。他の主食的外食は横ばいを示し、下落トレンドから転じた雰囲気。その一方、ハンバーガーは支出金額・世帯購入頻度ともに大きく下落を示す形となった。

いわば震災以降に生じたこれらの動きのうち、一般外食は上昇から横ばいに(直近年では世帯購入頻度でやや増加)、他の主食的外食は再び減少(直近年では世帯購入頻度でやや増加)に。食生活の中食化傾向の強まりで外食全般に軟調化の気配が見られるが、その実情が端々から見えてくる。

他方ハンバーガー」は支出金額、世帯購入頻度ともに増加に転じている。これも上記で指摘の通り、携帯事業会社とのコラボや、外食としてハンバーガーを提供する業界の主軸企業であるマクドナルドの復調によるところが大きい(事業会社とのコラボの影響が大きければ頻度は増えても支出金額は横ばいか減るはずだが、双方とも増えていることからマクドナルドの堅調さによる影響が大きいのだろう)。



冒頭で触れている通り、家計内の経費削減対象として、しばしば上位項目に挙げられるのが外食。今回のデータでは、中期的には利用性向・利用金額ともに減少していたこと、そして2012年以降は復調の兆しが見られたこと、そしてここ数年では中食への大きなシフトの中で足を引っ張られている感は否めないことなどが分かる。中食へのシフトが2012年から2013年に始まっている動きと併せ、外食が2012年以降復調に見えたのは、食全体の回復と中食へのシフトの過程で起きた一時的な現象だったのかもしれない。一方で直近年となる2018年では大きく伸びた実情も見逃せない。

今後外食への出費、利用頻度はいかなる動きを示すのか。中食との関係とともに、大いに注目したいところではある。


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