外食全般、そしてハンバーガーは? 単身・二人以上世帯における外食利用動向をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(最新)

2018/03/11 04:41

2018-0310先行する記事【中食系主食の購入動向をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))】でおにぎりやお弁当など、いわば中食系の食材について、「二人以上の世帯」「単身世帯」それぞれにおける消費性向との観点から、2018年2月16日にデータ更新(2017年・年次分反映)が行われた【家計調査(家計収支編)調査結果】から取得した各種公開値を基に精査を行った。今回はそれら中食系の食材に関する精査記事と深い係り合いがある、単身・二人以上世帯での外食利用動向について、2017年分の家計調査の値を基に確認をしていくことにする。

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一人身は月8.1回、夫婦は月6.3回ほど外食をする


次以降のグラフは家計調査報告(家計収支編)の「二人以上の世帯」「単身世帯」の公開値から、必要なデータを抽出して生成したもの。なおグラフ中や文中に登場する「購入世帯数」「世帯購入頻度」などの言葉の意味は、先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などですでに解説済みなので、そちらを参照のこと。

また二人以上世帯の場合は「外食」の下層区分に「一般外食」と「学校給食」が存在する。そこで今回は「一般外食」に限定する(今記事のグラフでは「一般外食」に表記を統一する)。さらにはその下層区分に含まれる「ハンバーガー」「他の主食的外食」を代表的な細部項目として取り上げる。具体的な区分内容は【収支項目分類及びその内容例示(平成27年1月改定、現行で最新版)】では次の通りに説明されている。

一般外食などの区分内容

まずは月次購入世帯頻度。単身世帯は当然本人自身のみだが、二人以上の世帯の場合は夫か妻の片方どちらか、さらには子供が購入しても(子供の小遣いでの調達までは「家計」として計上できないので、「世帯全体のお財布から買った」もののみ)「購入世帯」として該当することになる。

↑ 単身・二人以上世帯の月次購入世帯頻度(外食全般と主要品)(2017年、世帯あたり)
↑ 単身・二人以上世帯の月次購入世帯頻度(外食全般と主要品)(2017年、世帯あたり)

月あたり単身世帯は平均で8.1回、二人以上世帯は6.3回ほど「(一般)外食」を利用している。上記説明にもある通り、実質的には「宅配」「中食(的なもの)」も含まれるので、感覚的にはあながち的外れでもあるまい。外食総計や「他の主食的外食」の利用頻度は単身世帯の方が多く、一人暮らしの食生活事情が透けて見える。

「ハンバーガー」は月ベースで0.2-0.3回程度と少なめな値。しかし今件は「単身世帯全体」「二人以上世帯全体」における結果であり、若年層だけで無く高齢世帯も含まれていることを思い返せば、理解はできる。

↑ 単身・二人以上世帯の月次購入世帯頻度(外食全般と主要品)(2017年、世帯あたり、前年比、ppt)
↑ 単身・二人以上世帯の月次購入世帯頻度(外食全般と主要品)(2017年、世帯あたり、前年比、ppt)

前回年となる2016年の値と比較すると、世帯種類・各項目すべての仕切り分けで増加。特に単身世帯では大きく増加が見受けられる。2016年における前回年(2015年)との比較ではこれと逆の現象が起きていたためその反動も否定できないが、「一般外食」の2016年における前回年比はマイナス73.7%ポイントに留まっており、それと合わせ比べても大きな増加には違いない。単身世帯で外食を後押しする要素が何かあったのだろうか。

ハンバーガーチェーン店最大手のマクドナルドの復興が、外食の利用頻度、特に単身世帯における増加の一因かもしれない。また、後述する支出金額ではむしろ減っているため、某業界での無料キャンペーンが影響している可能性は否定できない。

金額ベースで見ていくと…?


これを金額ベースで見たのが次のグラフ。一応二人以上世帯では比較のために「一人あたり」も試算して、グラフを併記しておく。「一応」としたのは人数のカウントには子供も含まれるため、それを合わせた上での平均化の値は、成人が対象となる単身世帯とは、厳密な上での比較はできないからである(18歳未満人員の平均値も計上されているため、その値に子供係数として0.5などをかけ、残りの世帯人数分を大人として換算する手法も考えられるが、現実的では無い。子供係数次第で数字が大きくぶれてしまう一方で、係数の正当性を見出す手法が無いからである)。

↑ 単身・二人以上世帯の月次「世帯あたり」平均支出金額(円)(外食全般と主要品)(2017年、二人以上世帯平均構成人数2.98人)
↑ 単身・二人以上世帯の月次「世帯あたり」平均支出金額(円)(外食全般と主要品)(2017年、二人以上世帯平均構成人数2.98人)

↑ 単身・二人以上世帯の月次「一人あたり」平均支出金額(円)(外食全般と主要品)(2017年、二人以上世帯平均構成人数2.98人)
↑ 単身・二人以上世帯の月次「一人あたり」平均支出金額(円)(外食全般と主要品)(2017年、二人以上世帯平均構成人数2.98人)

世帯ベースでは「一般外食」は二人以上世帯と単身世帯でほぼ同額、「ハンバーガー」「他の主食的外食」は二人以上世帯の方が高い値を示しているが、ひとり頭の金額で比較すると、すべての種類で単身世帯の方が高い値となる。いかに単身世帯の食生活が外食(中食含む)に支えられているか、その少なからずが「他の主食的外食」、具体的にはファミレスなどによるものなのかが分かる。また、「ハンバーガー」は世帯全体としては、まだ「その他」レベルでしか食されていないようだ。

前回年となる2016年からの変移は次の通り。

↑ 単身・二人以上世帯の月次「世帯あたり」平均支出金額(円)(2017年、前年比)(外食全般と主要品)(二人以上世帯平均構成人数2.98人)
↑ 単身・二人以上世帯の月次「世帯あたり」平均支出金額(円)(2017年、前年比)(外食全般と主要品)(二人以上世帯平均構成人数2.98人)

購入世帯頻度では大きな増加を示した単身世帯が、「一般外食」「他の主食的外食」では大きな減少を計上している。二人以上世帯では純粋に前回年同様の利用スタイルで頻度が上がり支出金額も上昇したと考えれば理解はたやすいが、単身世帯では利用頻度がアップ、支出額はダウンという不思議な結果となる。単価が安い、極論として無料の外食機会が増えたと考えれば道理は通るため、前述した通り某業界での無料キャンペーンが影響している可能性は否定できない(無料であるため購入とは解釈し難いが、調査票などと照らし合わせると「市価に比べて著しく安く購入した場合」「現金以外による購入」などで計上されている、回答者が判断した可能性が高い。また無料商品だけで無く追加で有料商品も調達した場合、補完的な量に留まる場合が多いことから、1回あたりの支出は安くつく)。

ちなみに「一般外食」が食費に占める割合は、2017年では二人以上世帯が約17%なのに対し、単身世帯は約29%にも及ぶ。「他の主食的外食」ならそれぞれ約6%、約8%となる。



二人以上世帯で外食の利用機会、支出金額が増加しているのは、先行記事で言及の通り、中食の利用拡大と併せ、食事のアウトソージングの傾向が強まっていると考えてよいのだろう。時間や手間を対価で手に入れる手法が外食なり中食であるというまでの話。

他方、単身世帯における外食の利用頻度の大幅な増加と支出金額の減少は、興味深い傾向に違いない。多少の動きならば誤差の範囲と解釈できるが、これほど大きなものは誤差で納めるわけにもいかない。全体の消費性向の経年推移は機会を改めて検証するが、外食産業各方面の関連する項目の動きも合わせ、今後も注目したいところだ。


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