外食全般、そしてハンバーガーは? 単身・二人以上世帯における外食利用動向をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2017年)(最新)

2017/03/09 05:24

先行する記事【中食系主食の購入動向をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))】でおにぎりやお弁当など、いわば中食系の食材について、「二人以上の世帯」「単身世帯」それぞれにおける消費性向との観点から、2017年2月17日にデータ更新(2016年・年次分反映)が行われた【家計調査(家計収支編)調査結果】から取得した各種公開値をもとに精査を行った。今回はそれら中食系の食材に関する精査記事と深い係り合いがある、単身・二人以上世帯での外食利用動向について、2016年分の家計調査の値を基に確認をしていくことにする。

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一人身は月6.8回、夫婦は月6.3回ほど外食をする


次以降のグラフは家計調査報告(家計収支編)の「二人以上の世帯」「単身世帯」の公開値から、必要なデータを抽出して生成したもの。なおグラフ中や文中に登場する「購入世帯数」「世帯購入頻度」などの言葉の意味は、先行記事【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編)・総世帯版)】などですでに解説済みなので、そちらを参照のこと。

また二人以上世帯の場合は「外食」の下層区分に「一般外食」と「学校給食」が存在する。そこで今回は「一般外食」に限定する(今記事のグラフでは「一般外食」に表記を統一する)。さらにはその下層区分に含まれる「ハンバーガー」「他の主食的外食」を代表的な細部項目として取り上げる。具体的な区分内容は【収支項目分類及びその内容例示(平成27年1月改定、現行で最新版)】では次の通りに説明されている。

一般外食などの区分内容

まずは月次購入頻度。単身世帯は当然本人自身のみだが、二人以上の世帯の場合は夫か妻の片方どちらか、さらには子供が購入しても(子供の小遣いでの調達までは「家計」として計上できないので、「世帯全体のお財布から買った」もののみ)「購入世帯」として該当することになる。

↑ 2016年における単身・二人以上世帯の月次購入頻度(外食全般と主要品)(世帯当たり)
↑ 2016年における単身・二人以上世帯の月次購入頻度(外食全般と主要品)(世帯当たり)

月当たり単身世帯は平均で6.8回、二人以上世帯は6.3回ほど「(一般)外食」を利用している。上記説明にもある通り、実質的には「宅配」「中食(的なもの)」も含まれるので、感覚的にはあながち的外れでもあるまい。外食総計や「他の主食的外食」の利用頻度は単身世帯の方が多く、一人暮らしの食生活事情が透けて見える。

「ハンバーガー」は月ベースで0.1-0.3回程度と少なめな値。しかし今件は「単身世帯全体」「二人以上世帯全体」における結果であり、若年層だけでなく高齢世帯も含まれていることを思い返せば、理解はできる。

↑ 2016年における単身・二人以上世帯の月次購入頻度(外食全般と主要品)(世帯当たり、前年比、ppt)
↑ 2016年における単身・二人以上世帯の月次購入頻度(外食全般と主要品)(世帯当たり)(世帯当たり、前年比、ppt)

前年となる2015年の値と比較すると、単身世帯では該当項目すべてで減少している。これは先行記事【中食系食品などの購入動向推移をグラフ化してみる】でも言及している通り、中食の急速な浸透が影響したものと考えられる。他方「ハンバーガー」は単身世帯の減少幅は誤差領域な値に留まり、二人以上世帯では増加すら見られる。これは多分に「ハンバーガー」が外食としてイートインコーナーで食される以外に、持ち帰りで自宅や職場で食されるケースも多々あるからだろう。さらにはハンバーガーチェーン店最大手のマクドナルドの復興も一因かもしれない。

金額ベースで見ていくと……?


これを金額ベースで見たのが次のグラフ。一応二人以上世帯では比較のために「一人当たり」も試算して、グラフを併記しておく。「一応」としたのは人数のカウントには子供も含まれるため、それを合わせての平均化の値は、成人が対象となる単身世帯とは、厳密な上での比較はできないからである(18歳未満人員の平均値も計上されているため、その値に子供係数として0.5などをかけ、残りの世帯人数分を大人として換算する手法も考えられるが、現実的ではない。子供係数次第で数字が大きくぶれてしまう一方で、係数の正当性を見出す手法が無いからである)。

↑ 2016年における単身・二人以上世帯の月次「世帯当たり」平均支出金額(円)(外食全般と主要品)(二人以上世帯平均構成人数2.99人)
↑ 2016年における単身・二人以上世帯の月次「世帯当たり」平均支出金額(円)(外食全般と主要品)(二人以上世帯平均構成人数2.99人)

↑ 2016年における単身・二人以上世帯の月次「一人当たり」平均支出金額(円)(外食全般と主要品)(二人以上世帯平均構成人数2.99人)
↑ 2016年における単身・二人以上世帯の月次「一人当たり」平均支出金額(円)(外食全般と主要品)(二人以上世帯平均構成人数2.99人)

世帯ベースでは「一般外食」は二人以上世帯と単身世帯でほぼ同額、「ハンバーガー」「他の主食的外食」は二人以上世帯の方が高値を示しているが、ひとり頭の金額で比較すると、すべての種類で単身世帯の方が高値を付けている。いかに単身世帯の食生活が外食(中食含む)に支えられているか、その少なからずが「他の主食的外食」、具体的にはファミレスなどによるものなのかが分かる。また、「ハンバーガー」は世帯全体としては、まだ「その他」レベルでしか食されていないようだ。

ちなみに「一般外食」が食費に占める割合は、二人以上世帯が17%なのに対し、単身世帯は29%にも及ぶ。「他の主食的外食」ならそれぞれ6%、9%となる。



昨今の食品系小売業の動向を思い返すと、例えば「牛丼御三家」と呼ばれる吉野家・松屋・すき家では来場客数が伸び悩みを見せる一方、高級志向のメニューに人気が集まり集客アイテムとして注目を集めている。あるいは逆に、来客数の減少を見越して客単価を引上げ、客質の絞り込みと売り上げの維持を推し量っている雰囲気を覚えさせる。

本文でも触れているがハンバーガーチェーン店ではその最大手となるマクドナルドが2016年夏頃から本格的に業績の復調を見せ始め、集客だけでなく客単価の底上げにも成功している実情が、実店舗の様相だけでなく公開営業成績からも確認できる。今回「ハンバーガー」が他の外食と異なる動きを見せたのは、中食として食されることもあることに加え、同社の堅調ぶりが反映されたのだろう。

他方これも本文で言及の通り、ここ数年における中食の急速な食生活への浸透ぶりが、いよいよ外食にも影響を与え始めた感は強い。これら各種外食産業や各関連業界の動向と今件データとを見比べると、色々とつながりが浮かび上がる。全体の消費性向の経年推移は機会を改めて検証するが、外食産業各方面の関連する項目の動きも合わせ、今後も注目していきたいところだ。


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